2023年12月28日木曜日

科学で喰うには

科学研究の再現性が危機に瀕していることは、これまでにもたびたび指摘されてきました
バージニア大学の病理学教授であるジェームス・ジムリング氏
2019年時点での科学研究のシステムが、サブプライム住宅ローン危機のような事態を招きかねないとして警告
We're Incentivizing Bad Science - Scientific American Blog Network
https://blogs.scientificamerican.com/observations/were-incentivizing-bad-science/
ジェームス・ジムリング氏
「弱い証拠をもとにたくさん刺激的な論文を発表する人」が
「長い時間をかけて十分な証拠を集めて数少ない論文を発表する人」よりも報われ
自分以外の科学者や企業がフォローアップ研究を行ってくれ、論文を発表した科学者がリスクを負わなくてよい科学界・・・

科学の世界では、新しい科学的発見をした人は発表後、別のイノベーションへと移りがち
そして出版バイアスもあり、その発見を引き継いだ他者が間違いを指摘しても、一般大衆の耳に届かないことが

ドイツの製薬会社であるバイエル
薬の開発のためバイエルの研究者が科学論文の内容を再現しようとしたところ
全体の65%は再現できなかったと

これは科学者が詐欺行為を行っているわけでも不正行為を行ったわけでもなく
データは本物であり観察は実施されました
しかし、より多くの論文を発表すべきという競争が存在する科学の世界で
慎重さや自己批判を繰り返し時間をかけてしっかりと証拠を集める科学者は出世しにくく
リソースが限られ功績が目立ちにくい
科学界では論文の質を管理するために査読のシステムが導入されています
しかし近年はオープンアクセスジャーナルが登場することで論文発表のシステム全体に変化が生じてる

オープンアクセスジャーナルは論文を無料でアクセス可能にし
科学論文の公共性を高めることが目的
しかし、これまでの出版社が読み手から料金を徴収するのに対し、オープンアクセスジャーナルでは掲載する論文執筆者に料金を求める
このため出版側がお金を得るには、出版数を増やすのではなく
記事掲載本数を増やす必要がある
著名なジャーナルに論文が掲載されるのであれば論文著者はお金を喜んで払うと考えられる
これにより、より刺激的な論文が発表され参考文献が多くなり、ジャーナルの影響力が大きくなり、より多くの論文が提出されるようになるほど、お金が生み出される

過去数十年にわたって科学の世界では美徳と偉業が作り出されてきましたが
21世紀の銀行家のように自主規制が失われ、物の見方や行動が変化してしまう可能性も
科学は最終的には自己修正されるものであり、進行中の研究によって過去の不完全な結論が修正されるが、これには多くの時間がかかるかかると
現存するインセンティブの構造を変えるためにリーダーシップが取られない限り
時間や労力を無駄にする研究が促進される状況が続くと
このような無駄や研究の遅れは治療法や技術が確立されていない病気に苦しむ人にとって耐えられるものではないと

既存のLK - 99に硫黄追加した化学持ち込み
科学で喰っていくのも大変
半分?いやもっと?運みたいなのもあるし


今日は~
ラショウモンカズラ/Meehania Urticifolia

4月の終わり
割りと日当たりのイイとこ
紫が薄い
庭にいると、ゆるい風で時折香る

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