水素を燃料とした飛行機に大型トラックetc
脱炭素化の世界的な潮流の中で二酸化炭素を出さずに使える水素をめぐって、市場の主導権を握ろうと各国が競争
エネルギー資源に乏しい日本は世界でもいち早く水素に注目
水素を燃料として使う燃料電池車の実用化など、技術開発を推進
その関連技術の特許数は世界でトップクラス
ところが、なかなか普及していないのが実情
その一方、アメリカなどは普及への取り組みを急拡大させ追い上げている
こうしたなか、北海道で水素ビジネスを展開する会社はアメリカに進出し、商機を見出そうとしている
札幌市の中心部からおよそ15キロの石狩湾
高さ196mの風車が14基。総事業費およそ\800億の洋上風力発電所が2024/1から本格運転を始める
完成まで16年がかかったと
事業を立ち上げたグリーンパワー・インベストメント 幸村展人 副社長
ここまで持ってくるのは大変だったし、こうして完成した姿を見られるのも感無量、感慨深いものがある
北海道は洋上風力など再生可能エネルギーのポテンシャルが全国で最も高く、日本のエネルギー供給基地として期待されている
石狩湾でもさらに100基程度の風車を建設する計画が出されている
この先、幸村さんたちが製造を目指すのが水素
再生可能エネルギーは変動が大き、発電した電気が余る時があり、こうした電気の使い道として水素の製造を考えている
洋上風力や太陽光などで発電された電気で作られた水素をタンクに貯蔵
札幌圏内の工場などで使うほか、電気やバス、トラックなどの燃料、そしてビルや家庭の暖房や給湯に活用するという構想
世界で社会の脱炭素化とエネルギー安全保障が喫緊の課題となる中、道内の企業や自治体などと連携し水素の供給網を築こうとしている
風力や太陽光など再生可能エネルギー由来の電気を使えば、製造時に二酸化炭素が発生せず、こうした水素はグリーン水素と呼ばれている
現在、日本をはじめ世界各国で使われている水素のほとんどは、天然ガスや石炭といった化石燃料を燃やして水素を取り出す方法で作られている
水素は使うときに二酸化炭素が発生しないと言われるが、製造段階では二酸化炭素が発生している
脱炭素化に向けて、各国はグリーン水素を低コストで生産しようと、研究開発を急いでいる
化石燃料由来の水素も、二酸化炭素を回収して地中に埋めたり、ほかの用途に使ったりすることで、低炭素の水素として使おうという動きもある
再エネ由来の電気はわざわざ水素にせず、電気のまま使えば良いのではないか?
答えはイエス
今回、取材した日本・アメリカの研究者は脱炭素化に向けては、まずは電化だと口を揃えた
しかし、どうしても電化が難しい分野がある
鉄鋼などの重工業やトラックや船、飛行機といった輸送分野
こうした分野の二酸化炭素排出量は全体の3割に上るという試算もある
こうした分野で、水素は既存の燃料に置き換えて使える可能性があり、温室効果ガス削減目標の達成に向けてぞうきんを絞るような削減努力が求められる中、水素への期待が高まっている
水素は長期間、大量に貯蔵できる
電気では蓄電に限界があり、時間と共に減ってしまう課題がある
水素は石油のように備蓄することもでき、エネルギー安全保障上もメリットがある
石狩のプロジェクトに参加する大手産業ガス会社、エア・ウォーター
水素の将来性に着目し、車に水素を充填する水素ステーションの事業に7年前に参入
道内3か所で自動車用の水素ステーションを運営している
水素の充填時間は3分ほど
これで車は600キロ走行出来る
水素の価格は、会社の負担と国の補助金でガソリン並みに抑えている
それでも札幌市内にある水素ステーションを利用する車は1日平均2台
エア・ウォーター 近田佳介さん
普及させるために価格を抑えているのが実態で、実際は設備コストだとかランニングコストとかも含めて、それでは収益にはならない
日本は6年前には世界で初めて水素の国家戦略を打ち出し、2020年までに水素で走る燃料電池自動車を4万台、25年までに20万台の導入目標を掲げた
しかし現実は全国でおよそ7500台、道内では62台にとどまる
会社は対応に頭を悩ませている
11月、社長も参加した社内の会議では厳しい意見が出された
車を使う人にもインセンティブがないと車は絶対増えない
自治体任せにしていても増えないから、頭を切り替えていかないと・・・
どう打開するか
この企業は水素ビジネスが先行するアメリカに社員を送り、事業を展開することに注力している
エア・ウォーター 松林良祐 社長
日本で需要が立ち上がるのをじっと待つ方法もあるが、事業として一定程度成立すると判断し先行してアメリカで事業を展開している
技術や事業のノウハウを蓄積し日本に持ち帰って新しい事業につなげる良い循環を作れたらと思う
これまで豊富な化石燃料を経済成長の原動力としてきたアメリカ
しかしバイデン政権となり脱炭素化を強力に推進するため再生可能エネルギーを拡大
そうした電気などから作った水素を2030年までに年間1000万t生産する目標を掲げ$95億の予算のほか、巨額の税額控除を打ち出した
低コスト化で普及を押し進め、この分野の主導権を握る戦略
投資を受けて水素ビジネスが活発化
いま世界から多くの企業が進出し投資が集まっている
10月、ワシントンで開かれた水素の国際イベントでは各国の企業が売り込みをかけていた
イベントではアメリカ・エネルギー省のトップが登壇
水素市場を一刻も早く制して、その果実を逃さないようにすべきだと、げきを飛ばした
アメリカ・エネルギー省 ジェニファー・グランホルム長官
私たちはとにかく加速しなければならない
成功すればその利益は莫大だ
アメリカ国内では、実際に水素を使う動きが出ている
水素で動くフォークリフトはアメリカ各地の大手流通業者の倉庫などで既に7万台が稼働している
また、ことし3月には、水素で飛ぶ飛行機がテスト飛行に成功
プロペラ機のエンジンを燃料電池で動くモーターに置き換えた
部品は複数のスタートアップ企業の製品を組み合わせ、創業からわずか3年でテスト飛行にこぎつけた
ユニバーサル・ハイドロジェン マーク・カズン 最高技術責任者
水素は再生可能エネルギーから作ることができるので、非常に魅力的な航空燃料だ
長期的にはジェット燃料よりも安くなると確信している
アメリカの中で特に水素ビジネスが盛んなのがカリフォルニア州だ。
多くの日本企業が出資する水素ステーション最大手の会社に、北海道で水素ビジネスを展開するエア・ウォーターから社員が派遣されている
田中裕也さん
北海道・十勝地方の鹿追町で、牛ふんから発生するガスを使って水素を製造、利用するプロジェクトに携わったのがきっかけで、水素ビジネスに関わるようになった
この会社が運営する水素ステーションの数はおよそ40
多くが既存のガソリンスタンドに併設
1日100台ほどが充填に訪れる
普及が進んだ背景には、州独自のしくみがある
水素の価格は1kgあたり#36だが、自動車メーカーが年間$15000以上燃料費を負担してくれる
さらに、水素ステーション事業者にとってもメリットがある
水素ステーションの事業者は稼働率を上げれば上げるほど、州からクレジット、いわばポイントを得られる
そのポイントを二酸化炭素を多く排出する事業者が排出権として買い、そのお金が水素ステーション事業者の収益に
エア・ウォーター 田中裕也さん
水素ステーション事業者が大赤字で事業をしないといけない状況だと、なかなか水素社会は到来しない
ユーザーと事業者の双方に補助金や支援が入る仕組みになっていて、うまく機能している
今年6月、アメリカは水素に関する国家戦略を打ち出した
水素の普及が最も期待できる分野に焦点を絞る戦略で、最初に重視したのが大型トラック
大量の燃料を使うことから大きな需要が見込めるほか、素早く充填できる水素のメリットも生かすことができる
大型トラックをけん引役に需要を拡大させ、水素を製造・供給するインフラ整備につなげる狙い
田中さんは、トラックの分野でアメリカ市場の一角に食い込もうとしている
大型トラックがくることで圧倒的に水素の消費量が増えると思っている
2025年ぐらいから水素の需要が商用車に引っ張られて伸びるだろう
10月、田中さんは、アリゾナ州にある水素トラックのメーカーを訪れた
このメーカーでは、ことし9月、他社に先駆けて水素で動くトラックの量産体制を構築
注文はすでに270台を超えていると
そこに売り込んでいるのが、田中さんたちのグループ会社が開発した水素を供給する移動式の装置
アメリカにはトラック向けの水素ステーションがなかったことに注目
どこでも設置できるこの装置でトラックの走行エリアを広げ、水素のさらなる需要の掘り起こしにつながるとにらんでいる
販売価格は1台、¥数億するというが、反応は上々
運用責任者が電話で「今すぐにもう10台購入してくれ」と言ってきた
アメリカでは水素の需要と供給がともに急速に拡大し、市場が熱を帯び始めていた
アメリカ・エネルギー省 水素政策責任者 スニータ・サティアパルさん
水素の時代はすでに到来している
口笛で交響曲を奏でることはできず、オーケストラが必要なように、水素の普及には技術だけでなく、政策や金融というすべてのプレーヤーが不可欠だ
日本は今年6月に水素戦略を改定し、大型トラックに力を入れることにしている
エア・ウォーターでは来年度、札幌市内で大型車向けの水素ステーションを新たに開業し
アメリカで培ったノウハウも生かすことにしている
市はこの周辺を水素モデル街区とする計画
日本に、そして北海道に水素が普及していくのか試金石の1つとなる
水素を次世代エネルギーの切り札=戦略物資と位置づけ、選択と集中によって市場をリードしようとするアメリカ
政府の投資で市場が活性化され、それが海外からの投資を呼び込み技術開発がさらに加速する“好循環”が生まれている
水素研究の第一人者で、国の水素政策の委員会で委員長も務める、九州大学の佐々木一成教授
日本ではこれまで風力や太陽光発電、蓄電池といった分野で、技術でリードしたものの
投資競争に負け、二番手、三番手に落ちる経験を繰り返してきた
水素においては、技術でもビジネスでも勝つという意識で、ビジネス化に踏み出す段階で国が重点投資するなど、積極的な後押しが必要だ
日本政府は改定した水素基本戦略を実行に移すため、具体的な支援強化策を検討している
・・・まあ負ける
センセイも、お役人坂もリスクをとりたがらない
また責任もとりたがらない
今日は~
ネケイロプテリス オバタス/Necheiropteris ovatus?
冬にヤめてホしい・・・
とはいえ分離しかからには仕方ない
コケ・バーク・軽石のプラ鉢仕様になってもらう
今日、温い+晴
明日は寒くなる予報
で、今日水やり
ゴム手をしなくても大丈夫だった
ゴム手をするとホールドが悪くなり
トラブルのもとなんで、アリガタイ
これで年末・年始は水やりしなくてOK