2023年2月15日水曜日

ノリ、コンブがアブナイ

 有明海全域で赤潮が継続的に発生
2023/1/12佐賀県の山口知事
赤潮の原因となる植物プランクトンを捕食するカキを、海中に設置する対策に乗り出すと発表
計約20tを確保
来週末以降に漁業者に設置してもらう
海況改善を目指してカキを大規模に設置するのは初めて

今季の秋芽ノリの生産状況は、販売枚数2億7563万枚、販売額¥37億1133万円
昨季までの5年間の平均と比べて5割未満
黒く色づかずに黄色っぽくなる色落ち被害も全域で発生
質、量ともに厳しい状況

不作の原因と考えられるのは植物プランクトンによる赤潮の継続的な発生
漁期に入った昨年10月以降、例年に比べて降水量が少なく、河川から供給される窒素などの栄養塩が不足
流れも弱く栄養塩を奪うプランクトンが滞留している?
そこで県は、カキを入れた網袋をノリの養殖場近くの海中に設置
プランクトンを捕食してもらう対策を考案
少ない栄養塩をノリが吸収しやすくなり、色落ち被害の軽減が期待できる?
事業費は約¥2000万

漁業者
「以前は不作でも、どこかにいいノリがとれる場所があった。今は植物プランクトンを食べる貝類が減るなど、有明海全体のサイクルがおかしくなっている」

日本で昆布がとれなくなる?養殖増の可能性は?
日本人の食生活に欠かせない昆布
でも、日本近海ではとれなくなる可能性があるとする研究を、北海道大学の研究チームが2019年に発表
大阪人が好む真昆布の産地、南茅部では、天然昆布採取は危機的な状況
日本の昆布の90%以上は、北海道で水揚げされる
北海道大学で昆布について研究をしている四ツ倉典滋准教授
日本の昆布の2/3は天然物だが30年前に比べてその生産量は1/3に

北海道大学が2019年に発表した研究
代表的な昆布11種について、その分布域が北上
2090年までには日本の海域から消失する種も?
真昆布は10年前の5%しか採れない?天然物はほぼない?
などのニュースが

大阪の(株)浪速昆布 佃真の代表取締役 小濱敬一さんと、昆布漁師の高谷大喜さん
二人は
「真昆布は天然物がほとんどないのが現状です」
10年前の5%程度という数字については
「そんなものだと思います」
「親潮が流れてこなくなったんですよ」

天然昆布の不作は海水温の上昇が原因とも言われますが、実際のところ本当の原因はまだわかっていないとする方も
真昆布は、函館近辺で採れる昆布の名称で別名、山だし昆布とも呼ばれるほど、たっぷりダシが出る
特に大阪人に愛されている昆布
真昆布の特徴は甘味と旨味の両方があること
羅臼(ラウス)ほどの旨味はないけれど、量が少ない羅臼(ラウス)よりは値段がお手頃

真昆布を養殖するには、天然物の昆布からタネ(胞子)をとって育てる
養殖昆布からタネをとって育てても1年目は昆布になるものの
2年目には育たない
真昆布の養殖には、種類がある
1年未満で収穫する促成昆布
2年かける養殖昆布
2年ものは、天然物とあまり変わらないレベルのダシが取れる
でも、主流は促成昆布で、2年ものを作る昆布漁師が減っている
理由は、
手間がかかる
促成の方が早くお金になる
海の状況などにも左右されるため、二年育てる方がリスクが大きい

消費者にできることは?
小濱さん
「いい昆布を使って料理をすること」
「いい昆布を知って買ってくれる人が増えれば、昆布漁師たちも頑張る気になります」

昆布漁師の高谷さん
「昆布の味がわからず、安い促成昆布を使う人ばかりになれば、昆布漁師もわざわざリスクを冒して2年ものの養殖をしようとは思わないです。」

中国では、養殖真昆布が劇的な増加?
山東省煙台市は昆布の産地として有名
日本が昆布の天然養殖トータルで年間1万5000tの漁獲量
中国は養殖のみで150万tを超えている
もともと、中国沿岸部には昆布は生息していなかっ
1950年代から薬などの工業用として国が重点政策として昆布の養殖を進めてきた
中国の昆布生産の半分を占めるのが山東省
中国の昆布生産は、工業原料・非食用を主用途として重視されてきた
1990年代以降は用途が拡大し食用としての価値も上がってきた

高知大学名誉教授 大野正夫氏は
「30 年ほど前になるが、大連の“やまとホテル”で、コンブだけの料理を食べたことがある。厚い2年昆布で塩辛くておいしくなかった。最近食べた“昆布の入った 肉炒め料理”は、薄く柔らかく甘みがあり 日本人の食感に合う味付けになっていた。」

ダシ用昆布として、中国の昆布がどの程度のレベルなのかは?
中国の昆布のルーツは北海道由来であるという調査結果が
北海道大学の四ツ倉典滋准教授
「中国の養殖コンブのルーツは北海道から渡ったマコンブであることが知られています。」
ならば、養殖で大増産することも可能?
ということになるのではないでしょうか。
中国産のだし昆布は、すでに随分販売されている
ただ、日本は国内産業保護のため、昆布について輸入割当制度を設け、輸入量の上限を規定している(外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号))。
輸入業者は経産省に輸入割り当て申請を通す必要がある

利尻昆布の養殖方法は、他と違う
真昆布は天然昆布が2年目に放出する胞子を採取して養殖昆布にするが
利尻島、礼文島一帯でとれる利尻昆布の養殖方法は
胞子を出す前の昆布=種昆布を採取して水槽で2年間育てて発芽を促し
種昆布から胞子を放出させて養殖している
一般的な方法では、天然昆布が減れば胞子を採収するのが難しくなりますが
種昆布から育てることで、貴重な天然資源を守りながらより多くの養殖昆布を生産することができる
より持続可能性が高い方法・・・

・・・真昆布も利尻みたく
種昆布から育てれば・・・



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