2021年8月22日日曜日

かの国・タリバンの蜜月?

アフガン人を中国では金鉱の上に横たわる貧者と称する
タリバン勝利の前から中国がタリバンと経済協力を誓い合った狙いの一つにアフガンに眠る地下資源がある

2020年、中国の商務部国際貿易経済合作(協力)研究院・中国駐アフガン大使館商務処・商務部対外投資経済合作司
『対外投資合作国別(地区)指南 阿富汗(2020年版)』という調査報告書を発行
商務部というのは中国の中央行政省庁の一つ
阿富汗(アフハン)はアフガンを指す

アフガンには$1兆~から$3兆にのぼる地下資源が埋蔵されたままになっていると言われる
報告書によればアフガンには鉄、フェロクロム、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、リチウム、ベリリウム、金、銀、プラチナ、パラジウム、タルク、大理石、バライト、宝石および半宝石、塩、石炭、ウラン、石油、天然ガスetcが開発されないまま眠っている
まだ探査が進んいないのか、ニッケル、リチウム、ベリリウム、パラジウム…などのレアメタルの埋蔵量に関しては書かれてないが中国にとっては魅力的なものばかりだ
中国は世界的なレアメタルの生産地ではあるものの、最近ではアメリカ・中国覇権における戦略的物質の一つとして益々需要が高まっている

銅鉱に関しては、2008年に中国冶金科工集団(中冶集団)と江西銅業集団が新たなコンソーシアム(共同事業体)を形成したとき
アフガニスタン政府はこのコンソーシアムがアフガニスタンの経済発展を後押ししてほしいと大きな期待を寄せていた
そのためアフガン最大の銅山であるメス・アイナク銅鉱山(Mes Aynak)(世界で2番目に大きい未開発の銅鉱床)に関して、アフガニスタン政府は中国に
2008年から、30年間の採掘権を与えているが、紛争が多く開発はなかなか進まなかった
2016/6/2になると、中冶集団は中国五鉱集団に併合された(鉱は中国語では石偏)
これは、2015/12/8に国務院の国有資産監督管理委員会が世界に並び立つ企業を創設するための戦略的再編を行った線上にあり五鉱集団はフォーチュン500社に選ばれている
五鉱集団は探査から高度な処理まで、サプライチェーンのすべての部分に精通した巨大企業となり2016年にはアフガニスタン政府との契約が更新された
契約ではアフガニスタン政府への手厚い保険料やロイヤリティの支払いが約束されているだけでなく
現地で緊急に必要とされている鉄道や発電所などのインフラの建設も約束されていた
もっとも、これも長引く紛争で実行に移されることはなかった
2016年にタリバンにとって衝撃的な事件が起きた
2016/5/21にタリバンの最高指導者だったアクタル・マンスール師がアメリカ軍によって殺害された
殺害を命じたのはオバマ元大統領
これによりタリバンを和平交渉の席に就かせようとしていた機運は遠のき
タリバン代表がその2ヵ月後の7/18~22まで北京を訪れ、中国に救いを求めている
「外国の軍隊により占領されている屈辱」
「国際会議で取り上げてほしい」
と中国に要望
中国がタリバン側に立って国際社会で主張してくれる代わりに
China gets an all-clear from the Taliban to mine for copper in Afghanistan(タリバンの許可を得て、中国がアフガニスタンで銅を採掘する)
ただ2016年における中国側からの公式発表は何一つない
これらは秘密裏に進行していたことになり、このときタリバンは
中国に30億ドルの鉱山プロジェクト再開の許可を与えたと言っているが
アフガニスタン政府は、過激派グループがほらを吹いているだけだと
このときメス・アイナク銅山がある地域は、タリバンが支配していたようだ
問題は地下資源を採掘しても、それをどう運ぶか
パキスタンやアフガニスタン一帯は山だらけなので
パキスタンとはパキスタン回廊とまで呼ばれるまでに至るほど、一帯一路によってインフラが整備され物流に困難をきたすことはなくなった
が、アフガニスタンには紛争が絶えないためにインフラ投資をするまでに至ってない
2008年にメス・アイナク銅山の採掘権を30年間獲得した時に、中国冶金集団公司がアフガニスタンで南北貫通鉄道を作る話を具体化しようとしていた
2010/9にはAgreement signed for north-south corridor(南北回廊に関する協定を締結)が成され
アフガニスタン政府のワヒドゥラ・シャハラニ鉱山大臣と中国冶金集団は、カブールとウズベキスタン、パキスタンを結ぶ鉄道の詳細調査を行う契約を締結している
また、2011年10月にはConstruction on Kabul-Torkham Railway to Start Soon, Ministry of Mines Says(カブール~トーカム間の鉄道建設が間もなく開始されると鉱山省が発表)といったニュースもあった
それらは全て、2016年のタリバンと習近平政権の水面下の話し合いまで待たなければならなかった
その水面下の話し合いが表面化したのが、
2021/7/28の天津におけるタリバン代表と王毅外相の会談
地下資源開発、特に銅の採掘において中国は長い年月をかけて用意周到に時期が来るのを待っていた
タリバンの快進撃が始まった8月半ば、アメリカ大使館を始めとして多くのNATO側諸国の大使館が慌ただしくアフガニスタンから撤収しようとしていたのに対して
中国大使館とロシア大使館は撤収しようとしなかった

2016年におけるタリバン訪中に始まり、その年に行われたインフラに関する商談に至るまで
中国はタリバンとの接触に関して一切公表しないのだからここからは推測?
2016年あたりから中国におけるテロ活」が急激に減少?
この年は習近平が陳全国を新疆ウイグル自治区の書記に就任させて、ウイグル族の活動を徹底して監視するシステムを構築した年
それが功を奏したこともあるだろうし、また顔認証や監視システムが導入されて2016年あたりを境にしてセキュリテ」が強化されたこともあるだろう
しかし、2014年まで、あんなに盛んだったイスラム過激派グループによるテロ活動が一気に消滅したことの裏には
2016年におけるタリバンとの接触があるのではないか?
タリバンを支援するので、その代わりにタリバンは東トルキスタン・イスラム運動の応援を絶対にしてはならない、という交換条件を中国はタリバンに要求?

・・・未知の宝石も眠る・・・と云われるアフガン
かの国らしい深謀遠慮
ウィグルのイスラム排除etcという中国が実利を求めて
タリバンもジハード?シラネと実利を求める
大人?の対応
・・・タリバンがマズイのは分かる
ただアフガンには取って代われる勢力が無い
アメリカは作りたかった
他国もその為に援助した
しかしタリバンの方がマシという方がいるくらい腐ってた
それなりのマトモな志があるベースが無いと無理だわ

今日は~
ザミア プミラ/Zamia pumila

双頭の片方の新芽が全滅した後
どうなるか?
今年はダメ?と思ってたら
新しい芽が出てきた
ヨかった~

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