2021年8月17日火曜日

ソフトの考え方をハードに転用してみた

 アメリカの天才経営者、イーロン・マスク率いる電気自動車メーカー テスラと、宇宙開発企業 スペースXは、驚くほどの短期間で、なぜ世界的な大成功を遂げることができたのか
その鍵は、ベスト・エフォート型にあった

ベスト・エフォート型とギャランティ型
テレビや自動車といったハードウエア製品の世界では、ギャランティ型という手法で品質や性能の保証をしてきた
あらゆる状況を最大限想定し、性能テストを繰り返し、時間とコストをかけることで不良品が出ないように万全を期してる
ただし、ギャランティ型を採用すると、不良品だけでなく失敗も“悪”だと拒絶する企業風土になってしまう
その結果、失敗した社員は給料が減り出世が遠のいた

ソフトウエア製品の世界では、プログラムのバグはあって当たり前
不具合が起きることも織り込んで、結果を保証しないベストエフォート型という手法で成長してきた
PCがフリーズしたら、電源を切ってもう一度立ち上げればいい
インターネット回線は絶対につながることを保証していない
ソフトウエアの動作が途中でおかしくなれば、アンインストールしてインストールし直せばいい
とりあえずやってみる。問題が起きれば修正する

ギャランティ型は時間もコストもかかるが、万が一の問題が起きる確率は大きく下げられる社長がマスコミの批判にさらされる回数も減る
一方、革新的なテクノロジーが誕生する可能性は低くなる

ベスト・エフォート型は、導入が格段にスピーディで、コストも大幅に低減できる
“失敗”を容認するので、革命的なテクノロジーが生まれやすくなる
だが、万が一の問題が起きる確率は極めて高くなり、その結果、社長が批判にさらされる回数はひときわ多くなる
さらに、会社業績は乱高下しやすく事業継続性は低くなる

イーロン・マスクは、最も保守的といえる自動車業界にベスト・エフォート型で戦いを挑んでいた
例えば、テスラの高級セダンモデルSの開発におけるアルファ版(開発初期の試作品)はたった15台だった
これで、インテリアデザインから寒冷地走行テストも衝突試験もやってしまう
しかしトヨタなど大手自動車メーカーならギャランティ型で“万全を期す”ため、200台以上が必要

膨大なテスラ車の実走行データを収集して創り上げる自動運転オートパイロットは現時点では完璧ではなく、レベル2だ(完全自動運転はレベル5)
しかし、運転する人が正しく使えば、オートパイロットは画期的に便利なツール
万が一の場合に備えて、運転手はハンドルに手を置いておくだけでオートパイロットが目的地へクルマを運んでくれる
万が一の時は運転手がハンドルを操作すればいい
・・・コレが穴

スペースXもベスト・エフォート型
NASAでさえ不可能と諦めていたロケット再利用にスペースXは挑み、海への軟着水、海上ドローン船への着陸など、何度も失敗を繰り返しながら技術を革新的に進化させ、7回の失敗の末に成功
その間の世間からの辛辣(しんらつ)な批判はイーロンが一手に引き受けた

ベスト・エフォート型は口で言うのは簡単だが、実行するのは容易ではない
自動車やロケット開発でベスト・エフォート型が機能するには2つの絶対的条件が欠かせない

一つ目は、基本設計が正しいこと
基本設計が正しければ後付け改善で問題点を解決し、完成度を高めていくことができる
例えば、モデルSの基本設計のひとつは、約7000個のバッテリーを車体下部に敷き詰める点
この設計なら低重心で走行性は安定するが、路肩などに乗り上げた際はバッテリーが損傷する危険性があった
そこでバッテリーパックの底は防御プロテクターでカバーした
ところが2013年、ワシントン州の高速道路を走行中のモデルSが落下物を車体の下に引っかけ、発火事故となったことがあった
しかし、この時もテスラは後付け改善で対応し安全性を確保した
具体的には、高速走行中はソフトウエアで自動的に車高を上げ
・・・走行性には不利
ハードウエア的には、車底に3重構造の強力なプロテクトシールドを追加した
それ以降、問題は起きていない
車体下部にバッテリーを敷き詰める基本設計はそのまま継続され、さらに45万台以上売れた$3万5000のEVモデル3でもバッテリーは同様のレイアウトを踏襲
だが車高を上げても、強力なプロテクトシールドを破壊し火災事故が続出したなら、大量のバッテリーを車底に敷き詰めるという基本設計が正しくなかったことになり、一から見直す必要が出てくる
基本設計を一からやり直すとなると、その影響はすべての部品に及び、生産設備の変更も避けられない
発注していた部品のキャンセルや、生産ラインの組み替えも必要となってくる
自動車でもロケットでも、基本設計が間違ったとなるとソフトウエア製品とはケタ違いに莫大な費用が発生し経営を揺るがしかねない事態となる
基本設計に絶対の自信がないと、自動車やロケットのような大規模ハードウエア製品の開発でベスト・エフォート型でやると、ひどい目に遭う

自動車やロケット開発でベストエフォート型が機能するための絶対的条件の二つ目は、トップが失敗する覚悟を持つこと
イーロン・マスク
「たかが失敗だ。失敗なくしてイノベーションは起こせない」
この男ほど失敗を積極的に受け入れる経営者は世界にいない
失敗は貴重な学習材料であり、何を学び、どれだけ早く改善策を見つけ出せるかが重要だと捉えている
多くの企業、とりわけ大企業になるほど失敗を避けたいがために会議を重ねる
ところが、テスラもスペースXも、会議に無駄な時間を割くぐらいなら、さっさと実験してデータを取って、次に進めばいいと考えている
失敗してもデータは次に生かされる
トップに失敗を恐れない覚悟があるからこそ、5%、10%といった小さな改良ではなく、5倍、10倍といったケタ違いのスケールアップを目指すことが可能になる
リチウム電池の巨大工場ギガファクトリーがネバダ州で着工した時
その総工費はテスラの年間売上の2倍以上だった
だからこそ専門家たちは「非常識だ。需要が見込めてからそんな巨大工場は造るものだ」と批判していた。
ところが、彼らの批判を蹴散らすように、テスラは中国上海をはじめ、ドイツのベルリン、テキサス州にもギガファクトリーを次々と世界展開している
テスラとスペースXのスピード感の早さと、スケール感の壮大さは、ベスト・エフォート型だから成し得たもの
それは、これまでの企業経営の常識にはない異端の手法
もし、イーロン・マスクが旧来のギャランティ型で事業経営していたら、テスラもスペースXも凡庸なメーカーで終わったに違いない

で2021/8/13アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)
2014年~2021年に販売されたTeslaのModel Y、X、S、3の約76万5000台が対象
公開された発表文には、2018/1からの11件の事故について調査するとある
これらの事故のほとんどは暗い中で起きており、自動運転ソフトは緊急車両のヘッドライト、警告灯、設置された蛍光矢印板やコーンを無視したという
すべての事故で、衝突の際、自動運転または交通認識クルーズコントロールのいずれかのモードになっていた
この調査では
自動運転中の運転タスクへのドライバーの関与を監視、支援、実施するために使われる技術と方法を評価する

Tesla車を含む現在の自動運転機能搭載車両は、自動運転モードでもドライバーはいつでも手動に切替えられるよう注意していることが義務付けられている

・・・そもそも人の安全がカカワることに
バグがあっていいのか?
でも、金融取引・インフラにかかわるコトとか
そうなってきちゃった
そもそも仮想通貨?もあるし

ヒトは車に限らず、他人・機械etcがヤってくれるとなると
ヤってもらってるコトに意識を保つのがムズかしい

今日は~
カノコユリ/Lilium speciosum赤と白

8月半ば
これまで花時は水不足?で枯れぎみな状態だったけど
今年は雨が多くハッパも黄色になってない
花も多い
豪華でありながら品がある
この手のユリの中では一番のお気に入り
オリエンタルハイブリッドよりいい
今年は種が採れる?

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