2022年10月23日日曜日

習さんの、これから

1981中国共産党は歴史決議で
毛沢東時代の反省を踏まえ
徳と才を兼ね備えた指導者らによる集団指導体制を必ず樹立し、いかなる個人崇拝も禁止する
指導者・幹部の事実上の終身制を撤廃する

2022/10/11に採択された41年ぶりの歴史決議に
個人崇拝禁止や集団指導の文言は無かった
そして、今回の党大会で、習近平総書記の異例の3期目が決まる見通し
このまま終身となる可能性も

2018/3の憲法改正で国家主席の任期制限が撤廃
この時点で習近平総書記が3期目になるのは、ほぼ確実とみられた
3期目どころか、4期目、つまり少なくとも2032年までは習近平トップでいくだろうというムードが

ロシアがプーチン大統領とメドヴェージェフ首相(当時)を入れ替えたように
習近平総書記と李克強首相が入れ替わるという方法で体裁を取り繕うかな?
長期政権そのものは既定路線
メディアでは、反対勢力の巻き返しがあるはず。水面下では激しい争いが……的な読み解き方がされる一方
専門家の間では、中国共産党が一致団結して強いリーダーを作ろうとした結果の今、という見方も有力と

国がさまざまな問題を抱えている時に、現状を変えるために強いリーダーが欲しいという空気が生まれるのは中国だけではない
日本の第2次安倍晋三政権もそうしたムードに後押しされて、官邸への権力集中という政治体制の組み替えへとつながった
習近平総書記がここまでの権力を手にしたのは彼個人の力ではなく
中国共産党内部からの強い支持があったため?
その中でももっとも決定的な支持者となったのは胡錦濤前総書記
胡錦濤は2002年に総書記となりますが、江沢民元総書記の介入により権力の掌握が進まず苦労
2012年の党大会のあと、胡錦濤は全ての役職を習近平に譲り、沈黙を守った
表だってはもちろんのこと、リークや噂話のレベルでも体制批判の動きを一切見せていない
習近平にとってはなによりもありがたいアシストだった

胡錦濤は引退時に裸退とやゆされた
江沢民は総書記からは退いたものの、中央政治局常務委員に子飼いを複数送り込み、いわば院政を敷いていた
今度は胡錦濤が院政を敷く番だと思ったらすべてのポストから退き裸で辞めていった
なんたる甲斐性なしか、と嘲笑された?
ただ、今振り返れば、習近平をアシストするためだったと言われれば納得できる部分はある
そもそも総書記が10年で交代するというルールをきっちり守ったのは胡錦濤だけ
江沢民は天安門事件後で失脚した趙紫陽の後を引き継いだ期間があるので13年間、総書記だった
その意味では2期10年のルールは絶対的なものではなく
状況によって変えうるものであった

英語圏のメディアでは
習近平のパーソナリティーによって中国はがらりと変わり、独裁が強化された、との論調が主流
ややミスリーディング?
江沢民、胡錦濤、習近平という三代の総書記の方針、政策には、大きな共通項がある
その共通項とは中国共産党への新しい社会階層の取り込み
市場経済導入後に新たに生まれた企業家、中産層、自営業者などを中国共産党に取り込んでいくことが必要だった
江沢民は企業家の取り込みを進め
胡錦濤は農民の税金免除や社会保障など再分配強化で、発展から取り残された人々の取り込みを図った
習近平も市場の効率を高める改革を進めており、そこは前政権からの継続性がある
異なるのは、富裕層を叩く共同富裕で庶民の不満を和らげようという姿勢が目立つところ
それぞれアプローチの違いはあれど、目指す目的は共通してる
だから胡錦濤も習近平の邪魔をしなかったのでは?

そこが難しいところ
当初は強いリーダーが必要だ、で習近平の権威強化に合意があったとしても
その合意が今も続いているかはわ?
いったん強力なリーダーが誕生してしまえば、その後に後悔しても枷はつけられない
2018年の憲法改正の時点で、こんなはずじゃなかったと後悔した共産党関係者もいた?
素人にはさっぱりわからないのが、中国の強いリーダーってどう決まるのか
選挙があるわけでもなければ、クーデターがあったわけでもない
どういう理屈で、いまは反論できる・いまは言えない。と決まるか? 
中国共産党は成立以来、革命政党らしく秘密主義
なので、その意志決定のメカニズムは根本的にはわからない
と言わざるを得ません。ただ回顧録や流出した記録などから一部は推察できる
中国共産党は大の会議好き、大量の会議を開催
会議での合意が正式決定
会議前にひたすら根回し
そこで落としどころが決まり、あるいは反対はできないという雰囲気が醸成されてく
よく聞く根回しの場として北戴河会議が
会議と名前がついているが、実際には避暑地である河北省北戴河に、中国共産党の高官や引退幹部が休暇のために集まる
ここで一緒に散歩したり、個別に面会したりしながら、意見交換を重ねる
このような非公式な会合がその後の政治決定を大きく左右しうる
胡耀邦元総書記を辞めさせた会議とか本当にそんな感じだったようで
もう辞めさせる同意はできていて会議を開いたら出席者みんなでガンガン詰めて追い込んでいったという
総書記解任は会議で決まったが、その前の根回しですでにルートは設定されていた
・・・なんか暴力団の
跡目争い?

また、よく報じられているのが派閥
高級官僚の子供たちで作る太子党
上海で勤務経験のある上海閥
共産主義青年団出身者の団派などがよく聞かれる
最終的に会議で決定するのであれば、いくら根回ししても所属メンバー数が多い派閥の意見が通るのでは? 
日本人がぱっとイメージする派閥、たとえば自民党の派閥と中国共産党の派閥とはまったく別物
自民党の派閥は誰がどのグループに属しているかは明確
ところが中国の派閥は誰がメンバーなのかはわからない
「あの人は上海でのキャリアがあるからきっと上海閥なのだろう」
と、周囲が推測しているだけ
下手をすると、本人はその派閥のメンバーと全く交流がないということも
周囲からは「××派」と思われていても、本人はハテナという状況がある
複数の派閥とつながりがあるため、誰と親密なのかが見えにくい
複数の派閥とつながりを持つことも
韓正副首相、中央政治局常務委員
江沢民の地盤とされる上海でキャリアを積んでいるという意味では、江沢民と縁が
同時に、共産主義青年団の出身で、共青団の上海市委員会のトップまで務めています
そして習近平が上海市トップだった時にナンバー2として支えました
上海閥、団派、習近平派と3つもレッテルを貼る要素がある
実際に誰と親しいのかは外からだとよくわからない
最終的にどの派閥なのだとは言い切れない
政治的な力関係が変われば、かつての縁を頼って古なじみとの関係強化といった裏切りもありえる
表に見えない、関係構築や合意作りの関係強化や意思疎通が大事?

習近平が豪腕を発揮し反対勢力を一掃
皇帝のような独裁体制を確立へ、という、ありがちな見立ては間違っていて
やっぱリーダーは強くないと……みんなの支持で作られた人造皇帝・習近平が爆誕
と理解するべき
それでは、その作られた最強リーダーはこの10年でどんな成果を残せたのか?

胡錦濤政権末期はいわゆるネット世論の突き上げがすさまじく、労働者や農民もネットを利用することで、大々的なデモや集会を展開できるように
こうしたネット世論を鎮圧したというのは成果かも
ただし、今のアメリカ・中国関係の悪化やコロナ禍に対応しきれずの経済減速など、課題も
最強リーダーを作った甲斐はあったの?
今の時点で評価することは難しいのですが
中国共産党内部からは国力を高め、国際社会での存在感を高めた
新疆ウイグル自治区と香港を安定させた
経済を発展させたというあたりはポジティブに評価されている?
一方でネガティブ要素は今後の経済

新疆、香港は中国外から見るとマイナス要素に思えるが
中国共産党の評価では加点項目?
中国国民や中国共産党の幹部たちがどう考えているのかが大事
彼らの評価もおおむねポジティブなように見える
海外から見ると、言論の自由が大きく後退したのがマイナスに見えますが
当の中国国民はこの点を問題視している人は多くない?
客観的に見ても、ナショナリズムのコントロールは大きく評価できるポイント
習近平政権下で愛国主義が高まったと言われますが、その一方では歴史問題で日本と衝突することはなくなった
暴力的な反日デモも起きてない
政権にとっても厄介なナショナリズムの暴発について歯止めが利くようになったのは一つのポイント
ただ、現時点でその大きさを推し量るのは難しい
経済の構造上、過去の成功をも吹き飛ばしかねないリスクが忍び寄っているのも事実
トマ・ピケティの新刊『イデオロギーと資本』では中国の格差拡大を指摘
興味深いのは資産の上位10%と下位10%の比較ではアメリカ並の超格差社会になっているのに、上位下位1%の比較ではそこまで格差は開いていない
・・・?

超富裕層が資産を独占しているというよりも
上位10%(14億人の10%は1億4000万人)という、かなりボリュームのある層の資産が増えて格差の原因になっている
この上位10%とは大都市でマンションを持っている人々
中国の不動産は2003年頃から上昇が始まり、その後も経済成長率をやや上回る程度の安定したペースで値上がりが続いた
大都市のマンションを手に入れられれば、中国の経済成長の恩恵を受けることができ築いた資産によって老後も安泰
一方でマンションを持たなければ取り残されるという二極化が起きた
この格差の解消も難しいが直近では不動産価格の先行きが不透明化
もし不動産価格が下落するようなこともあれば、上位10%の人々のライフプランがめちゃくちゃ

次の5年はリスクに直面
マンションは投機対象ではなく住むためにある、をスローガンに大都市の不動産価格抑制を目指してきた
それで本当に価格が下がりそうになったらピンチっていうのは?
また、大都市ではなく郊外や田舎の都市化を進めたのも売れないマンション在庫につながっている
・・・地方政府の打ち出の小槌だった
将来、戻ってくる土地でボロ儲け・・・
作れば儲かる
と勘違いしたトコも多く
売れずにゴーストタウンが・・・
中には不便な廃墟に住む方も
大都市への人口集中の抑止、地方の新型都市化という政策は失敗
50万人から100万人規模の都市に人口を集めようとはしたものの
サービス業がなかなか発展せずに、都市のメリットを発揮できていない
・・・モールなんかも廃墟になるトコが

中国が世界の新秩序を作ろうとしているといった受け止められ方をしている一帯一路
根本は経済的要因によるもの
中国国内の過剰な資本、生産能力を大都市に集中させていてはダメ
別の出口として、地方や郊外の都市化とともに、海外のインフラ建設に
肝いりの一帯一路もフェードアウトしつつある
一帯一路が提唱された初期は人民元が$に対して高くなっていた時期
世界から中国にマネーが流れ込む資本過剰の状況だった
今のトレンドは元安に変わり、むしろ資本流出が
長期的に考えても、人口減少に伴う貯蓄率の低下によって資本はむしろ縮小
さらに途上国を苦しめる債務の罠、国際社会の秩序を変えようとしている
という批判が
中国政府にとっては思いも寄らぬ逆風だった?
実は習近平総書記も最近では一帯一路という言葉をあまり使わない
徐々にフェードアウトを目指している?
・・・地政学的・軍事的には役だった?
海外に貿易拠点や軍事拠点を確保
・・・プロジェクトによっては
銭が回収できないトコも

統治・経済・外交の3要素で評価すると
統治は○、経済は先行き不安の△、外交は国際的地位を高めたものの中国脅威論の台頭を招いたという意味で△
・・・国際的地はグズグズだと
経済よりも命
アタリマエ

・・・共産主義・社会主義は政治体制でなく
経済の仕組み
かつての日本は、その成功例と云われた
で・過剰生産が普通だった中国で
計画経済はど~なった?

習さんが終身総書記?
そらコワいわ
プーさんは老いて・・・ウクライナ侵攻
習さんも老いて・・・
ここんとこの、中国を見てると
なんかヤバそう
プーさんよりもタチが悪そう

今日は~
マスデバリア イグネア/Masdevallia ignea

花芽
7月には出てた
しかし、ここんとこの寒さで
イっちゃってる?
やっぱ、玄関にとりこんでおけば・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿