2020年12月21日月曜日

EVの行方

2020/12/17 日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)
政府が2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を打ち出したことに対し
「自動車業界のビジネスモデルが崩壊してしまう」
「日本は火力発電の割合が大きいため、自動車の電動化だけでは二酸化炭素(CO2)の排出削減につながらない」・・・

日本も2030年代半ばには販売される自動車をすべて電動車とする方針
電動車にはハイブリッド車(HV)も含まれるため、純粋な電気自動車(EV)がどの程度の比率になるかは?
一方、イギリスは2035年にはHVも禁止し、すべてをゼロエミッション車とする方針
アメリカ カリフォルニア州も同様に2035年にすべてをゼロエミッション車にすると表明
急速にEVシフトが起き、EVが自動車の主流になる、という論調が最近目立っている

EVを普及させる目的はCO2排出量削減
EVは走行時に一切CO2を排出しない
しかしリチウムイオンバッテリーの生産には多くの電力が必要
その電力が火力由来の場合、生産時に大量のCO2を排出
バッテリーの搭載量が大きければ大きいほどCO2の排出量は多くなる
ノルウェーのようにほぼすべての発電が水力の国や、フランスのように原子力発電が多くを占める国を除けば、まだ火力発電の比率はかなり高い
またリチウムイオンバッテリーはリサイクルの際に加熱処理が必要で多くのCO2を排出する
生産から使用、廃棄にいたるライフサイクル全体で見た場合の試算がいろいろ出ている
概してみると現状の発電構成でもEVのほうが一般的内燃機関車よりCO2排出量が少ないという結論が多い

EVSmartBlogというサイトが行った試算
新世代ガソリンエンジンであるマツダSKYACTIV-X搭載車とテスラ・モデル3の比較で走行9万~11万kmでEVのCO2排出量が少なくなる

ボルボのEVブランドPolestarの試算
現在の世界の発電状況ではEVがガソリン車を下回るのは11.2万km

ちなみに100%クリーン発電になっても、5万kmまではEVのCO2排出量のほうが多い
どちらもEVに積極的な立場での分析の結果

思いのほか差が少なくEV化によるCO2削減効果はそれほどでもない?
さらにバッテリー寿命は使い方によって大きく異なるため(急速充電が多いと寿命が短くなる)20万kmもつ?
・・・日々バッテリーと付き合ってる身としては
保管のやり方次第では新品でも死ぬ
寒いと使い物にならない
暑いと火を噴く
火を噴くのは仕方ない・・・なんで充電とか昼間に目に届くトコでやる
みょう~なバッテリーだと機械が???になるコトも
ヘタってくると容量がどんどん下がる
充電回路に異常があると、ほんとに充電できてる?過充電?
・・・今の充電器は昔のコンバーターに毛が生えたようなモノとは別もの
・・・昔のNiCdの方が蛮用に耐えた

もし10万kmで交換ということになれば、CO2削減効果はチャラ?
日本では13年以上の古い車は重課税がかかるので10万km走る前に廃車に?

テスラのような大型バッテリーを搭載した車はバッテリー保護のため空調機能が
これは駐車中にも動作、車を一使っていなくても一定の電気を消費
テスラの場合どーも1日あたり1~4%の電力を消費
乗らなくても25~100日放置すればバッテリーは空
・・・このカラがコワい

ライフサイクルの比較ではガソリン車の燃費を15.3km/Lと仮定
それより2倍燃費が良いHVとの比較ならEVは20万km程度でようやくガソリン車を越える
HVなら通常のガソリン車とまったく同じ使い勝手で使え、バッテリーは小さくて済むので価格の上昇もそれほどでもなく、バッテリー廃棄の問題も少ない
SKYACTIV-Xのようにまだまだ内燃機関が進歩する可能性も、HVシステムがより効率化する可能性も残っている
・・・効率のいいトコで定常運転させて発電機ってのも・・・

一般家庭の電気消費量は夏場でも1日15kWh程度
EVの電費を6.5km/kWhと仮定し、月1000km走るとして、1日あたりの電気消費量は約5kWh
EVが3台増えると1世帯分の消費電力が増える
EV化が一気に進むと電力供給はアップアップ
・・・スマートグリッド化も兼ねて一気に送電網を作りなおし?
ただ、あまりハイテク化するとトラブルがコワい・・・
原子力発電所の増設は見込めずグリーン発電も設置場所が限定され簡単には増やせない?
発電量は天候に左右されるため安定供給は・・・
だとするとEVが急速に増えてしまうと火力発電を増やすしかない?

EVは普及期に入ればコストダウンしてガソリン車と変わらない価格になる?
EVの価格が高いのはリチウムイオンバッテリーが高いから
パソコンやスマホと比べてEVが必要とするバッテリーの量は圧倒的に多い
パソコンのバッテリーは40Whくらい、EVは大型バッテリーだと100kWh、少ないものでも40kWhくらい
パソコンの1000~2500倍くらいのリチウムイオンバッテリーが必要
もしEVが本格的に普及すると、必要となるリチウムイオンバッテリーは膨大な量
・・・全個体とか新しい鉛とかもあるけど
リチウムイオンバッテリーの生産にはリチウムのほか、さまざまな希少資源が必要
需要が一気に高まった場合、原材料価格は下がるのではなく上がる?
大量生産で生産コストは下がるかもしれないが、原材料価格が上がるならばバッテリー価格の大幅低下は?
容量や充電時間の問題だけでなくローコストの資源で生産できるバッテリーの開発がEV普及のためには必要不可欠

最近は航続距離の長いEVも発売され、実際の使用でも400km程度走れる車種もある
が、問題は充電にかかる時間とそれで充電できる電気の量
一般的に普及している急速充電スタンドは1回の充電時間が最大30分に制限されている
自動車専門誌のテストでは大型EVの場合30分充電してもそれで走れる距離は100kmにも満たないケースが多い
アメリか、ヨーロッパのメーカーから発売されている大型で高性能なEVは、航続距離こそ長いが、いざバッテリーが空になったあとはきわめて不便
またEVはスピードを出せば出すほど電費が急速に悪化
高性能EVの性能を楽しんでしまうと電気を一気に消費
日本よりはるかに車の流れが速く走行距離も長い欧州ではこの問題は深刻
自宅に充電設備を設置できて夜間充電できるユーザーはいいが、そうでなければ一般充電スタンドに・・・

EVは自宅に充電設備がある人の短距離シティコミューターには向いているが都市居住者やグランドツーリングには向かない?
価格も安く、容量も大きく、充電に時間もかからずリサイクルも容易なバッテリーが開発されれば話はまったく変わってくる
現在のリチウムイオンバッテリーを使うとするとEVの普及は限定的?
都市内のコミューター的な用途、地方の高齢者の限られた範囲の足としては向いているが、一般的な自動車の使い方と社会全体のエネルギー構成を考えた時、現状のCO2対策の最適解はHVの普及と性能進化なのでは?
プラグインハイブリッド(PHEV)という選択肢もあるが、中途半端に重く高価なバッテリーを積むので価格が高くなるうえに、ユーザーが頻繁に充電しないとガソリン主体の運用となり通常のHVより燃費が悪くなる
中国は今までのEV集中戦略からHVも重視する方向に転換
これにはトヨタがハイブリッド関連特許を無償で提供することを決めたことも大きい
・・・ヨーロッパも

今日は~
ユーフォルビア キリンドリフォリア トゥビフェラ Euphorbia cylindrifolia ver.Tubifera

夏にハッパが全然なかった
が、晩秋?から出てきた

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