2023年3月29日水曜日

AIはインドのギガワーカー(一人親方)で成り立ってる?

インドにはインドやアメリカ、イギリスその他の国で毎日何百万人もの相手に電話詐欺を繰り返しているコールセンターは、何千カ所もある
従業員は、税務署員や銀行・保険会社の社員、技術サポートスタッフを装って電話をかけ続けている
インド警察はここ数年、アーメダバード、デリー、グルグラム、ムンバイ、コルカタで、こうした悪徳コールセンター数百カ所を摘発
詐欺容疑で数千人を訴追
これが$2200億の規模を誇るインド情報テクノロジーサービス産業の暗部
英語を話せる大卒労働者を安い人件費で雇えるため
グローバル企業が顧客サポート業務をアウトソーシングするようになり、インドの同セクターは活況を呈した
それと同じ要素が、悪徳コールセンターという裏の産業の発達を促した
メディアが報じたFBIのデータ
昨年、アメリカ市民だけでも、インドのフィッシング詐欺グループや悪徳コールセンターに$100億以上を詐取された

アーメダバード警察のアジット・ラジアーン副署長
「デスクトップかノートパソコン、電話、インターネット回線だけあればいい。あとはデータだが、これは闇市場で簡単に入手できる」
「悪徳コールセンターは、個人宅でもオフィスでも、ほぼ場所を問わずに運営できる」
詐欺に関与して逮捕された者はほぼ全員が18歳~25歳の男性
高卒または大卒の学歴を有していた

国際連合の推計によれば、インドの総人口は4月には14億3000万人を超え、中国を抜いて世界で最も人口の多い国に
またインドは世界で最も人口構成が若い国の一つ
総人口の40%以上が25歳以下
だが現在の経済成長ペースでは、毎年労働人口に加わる約1200万人を吸収しきれない
かつては将来の期待を背負った高学歴の若者が、今では食料品配送のギグワークや悪徳コールセンター、オンラインでの補助的業務など
低賃金の仕事を探さざるをえなくなっている

アジム・プレムジ大学持続可能雇用センターのアミット・バソール氏
高学歴若年層の失業率の高さや女性の労働参加率の低さ、生産的雇用の不足に由来する
やむをえない自営業が増えている
「私たちは危機的な瞬間を迎えている」
「新たに創出される雇用は、ギグワークも含め、不安定であることが多い」

モハメド・アフメドさん(21)
アフメドさんはここ2年以上、インドの食品配達サイト最大手であるゾマトやスウィッギーでパートタイムの仕事をこなしてきた
大学に通いつつ、1日約6時間働き、月約1万ルピーを稼ぐ
「学士号だけでは仕事は見つからない。修士も取っておかないと」
「それでも好待遇の仕事に就けるという確信はない。だから、食べていくためには配達の仕事が必要だ」

いわゆるギグエコノミーにおいて、インドは世界でも最大かつ最も成長ペースの速い市場
政府系シンクタンク ニティ・アアヨグによれば、2020~2021年のこの分野での就業者数は800万人近く
2029~2030年には2400万人にまで拡大すると予想されている

だが、労働者の賃金は低く、保護も薄い
全インドギグワーク労働者組合でコーディネーターを務めるリクタ・クリシュナスワミー氏
「政府や業界、企業はギグワークが未来の働き方と位置づけ、何か望ましいものであるかのように賞賛する」
「だが実際には、ようやく勝ち取った労働基本権が骨抜きにされている状況がある。デジタル化の進展に伴い、ギグワークは拡大し、劣化している。特に、AI(人工知能)の学習向けのデータのアノテーションとラベリングでそれが顕著だ」

AIはデータアノテーションに依存している
アノテーションとは、文章や写真、音声、動画といったコンテンツにタグ(目印)を付け
機械学習モデルが認識できるようにする作業

IT産業の業界団体NASSCOMは、インドでは2030年までに、正規・非正規でデータのアノテーション及びラベリングに従事する労働者が最大100万人に達すると推測

国際労働機関(ILO)によれば、アメリカやイギリスなどのクライアント企業のためにリモートワークするオンライン労働者のうち、約1/3がインドの労働者
月約15000~25000ルピーを稼ぐフルタイム労働者を使い、マネージドサービスを提供する会社もでてきている
ベンガルールの企業ティカデータの創業者ムザンミル・フサイン氏
「現在のアウトソーシング業務の代表格がデータのアノテーションだ。だが、非熟練労働なのでクライアント企業はたいした報酬を払わない」
同社ではこれまでに2000万点以上の画像と100万語の単語へのラベリングを行ってきた
「こうした作業に対する報酬は概ね低くなる。労働集約性が高いとはいえ、簡単な作業だから」

NASSCOMによれば
ゴーストワーカーとして働くフリーランス労働者は約5万人
アマゾン・メカニカル・タークなどの企業のためのクラウドソーシングウェブサイトなどでデータへのラベリング作業を行っているが、1件あたりの報酬は数セント
3年以上アマンゾン・メカニカル・タークでオンデマンド請負業務に従事しているナガ・ラジさん
「契約を取るのは大変で、インドの労働者が得られる仕事は限られている」
「10~12件やっても、OKが出るのは2~3件だけ。報酬もその分しかもらえない。でも、他に選択の余地がない」

デジタル・フューチャーズ・ラボの所長としてプラットフォーム経済を研究するウルバシ・アネジャ氏
ラジさんのような労働者はAIバリューチェーンの底辺
賃金アップやスキル向上の展望がない
「インドはグローバルなAI生産のバックエンドになれるという政策志向が強い。だが、こうした業務の多くは非常に不安定で、労働者の福祉や持続性という視点から総合的に考えられていない。いまアウトソーシングされている、クリックするだけの断片的な仕事も、やがて自動化されてしまうだろう」

・・・なんとも・・・

今日も~
きのこ

先日、水やりで見つけた
フウランの流木着にでてた
春に出るのはあった
だけど3月
なんかな~

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