2020年末までには、労働力人口に占める女性の割合は1987年以来の低水準となっていた
2年後の今、女性の労働参加率はパンデミック前の水準へと着実に戻りつつある
問題は解決したのだろうか?
多くの上級職の女性が疲労困憊
仕事上の野心と私生活の間で引き裂かれている
彼女たちの不満が今、噴出しつつある
より負担の軽い役職や業界へと移る女性もいるが、高い給料を捨てて仕事を辞めてしまう女性も
企業幹部の多様化という数十年にわたる国家的取り組みにとっては・・・
最近の幾つかの研究は、政府のデータが完全には捉えていない不安なトレンドを示した
ガールズ・フー・コードなど女性の社会進出を支援するグループを創設しているレシュマ・サウジャニ氏
働く女性はもはや、彼女たちの母親としての役割を助けてくれない会社で我慢して働く気はない
リーダーの地位にある女性たちの集団離脱は「アメリカ企業の目を覚まさせるだろう」
マッキンゼーが22年に、女性支援団体リーンイン・ドット・オーグの依頼で実施した調査
データ収集を開始した2017年以来の高い割合で女性幹部が会社を辞めていた
リーンインを設立したシェリル・サンドバーグ氏は同年にメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の最高執行責任者(COO)を辞任
リーンインのレーチェル・トマス最高経営責任者(CEO)
「幹部職に占める女性の割合はまだ十分でないのに、これは極めて大きな問題だ」
「企業は今、数少ない貴重な女性リーダーを失いつつある」
女性企業幹部のプライベートなネットワークであるチーフとIBMインスティチュート・フォー・ビジネス・バリューによる3/1の調査
次代のリーダーとなるべき予備軍であるバイスプレジデント、シニアバイスプレジデントの地位でも女性の割合がパンデミック前に比べて減少していた
サンドバーグ氏のほか、グーグル傘下の動画投稿サイト、ユーチューブのCFOだったスーザン・ウォジスキ氏も地位を退いた
ビクトリアズ・シークレットと系列会社ピンクのブランドCEOを務めるエイミー・ホーク氏も在任1年未満で退任する予定
政界では女性指導者として世界で最も強い指導力を発揮してきたうちの2人、ニュージーランドのアーダン前首相とスコットランド行政府のスタージョン首相が辞任または辞意を表明
いずれも極度の疲労を理由に挙げていた
問題があまりにも深刻になってきたため、アマゾン・ドット・コムやゴールドマン・サックス・グループなどの企業はリターンシップという、女性を含めいったん退社した人々のために職場の魅力を高めるプログラムを開始・拡大
こうした人々を中級または上級の役割で再度迎え入れるなどを行っている
労働市場の専門家は、パンデミック期にX世代(1965-80年生まれ)の女性が担った追加的な負担が、遅れて影響を表しつつあると分析
アメリカ労働省のデータによれば、パンデミック期にはこの世代の女性が退社する割合は意外にも相対的に低かった
パンデミックが始まった時、ジェニー・ブルメンタール氏はコンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)で250人のチームを率いるパートナーだった
大打撃を受けた接客・娯楽業界の企業が転換の道を模索するのを手伝っていた
仕事は厳しかったがやりがいもあり、出張やホテル滞在のため子供たちと離れる必要がなくなったという利点もあった
しかし、新型コロナ危機の初期の衝撃が過ぎると、ブルメンタール氏の仕事は営業が中心に
仕事から切り離されたように感じたと
家にいる時間は、キャリアについてじっくり考える機会にもなった
同氏は20年10月に退社し、女性企業幹部の研修を行う会社を設立
自身と同様の問題に直面している幹部300人にインタビューしてまとめた著書「Corporate Rehab」も出版
それぞれのストーリーを紹介するとともに、キャリア見直しの指針を提供
「ひどい燃え尽き症候群に陥るところまで追いつめられていた」
「燃え尽きの理由は実は二つだった。長時間労働に使う時間と体力的な負担と、目標との断絶だ。これにパンデミック期の半ばになってやっと気付いた」
企業のトップ経営陣に女性を増やすという取り組みは官民が数十年にわたって続けてきたが、多くの女性の退社は次世代の幹部候補の枯渇につながる?
取り組みは最近CEOレベルでは実を結びつつあった
ブルームバーグがまとめたデータによれば、S&P500種株価指数構成企業の女性CEOの割合は過去1年に32%増えた
もっとも、これは女性CEOが1年前の31人から41人に増えたに過ぎない。
政府のデータは民間と異なり、さまざまな上級職にある女性の地位を追跡調査していないが、アメリカの統計は進歩の停滞を示し始めている
労働省のデータによると、22年の女性CEOの割合は29.2%にとどまり
20年の29.3%から増えていない
管理職全体での女性の割合は40.5%と、21年の40.9%から若干低下
リーンインの昨年10月のリポートによると、上級管理職レベルに昇格する女性1人に対して、2人が退社している
アメリカとカナダの333の団体、4万人の個人を対象に調査してまとめられたリポートは
17年以降の5年間に最高責任者の役職で女性の割合は26%へと6ポイントしか増えなかった
また、このうち非白人女性の比率は20人に1人
女性たちはストレスと疲労が退職の一番の理由だと
調査によると、上級管理職レベル以上の女性勤労者の半分以上が、家事と子育ての大部分または全てを担っている
これに対し同レベルの男性では13%
さらに女性たちは職場で、従業員の健康や安心を支え多様性と包括性を育む活動に男性の同僚よりも時間と精力を割いている
これは従業員のつなぎ留めと満足感の向上をもたらしているが、人事評価でこの功績は考慮されないことが多い
女性リーダーの43%が燃え尽きを訴えるのも無理はない
男性でこの割合は31%
仕事に復帰したいが、より柔軟な環境を必要としている母親を支援するマム・プロジェクトの創設者でCEOのアリソン・ロビンソン氏
女性管理職というグループ全体が疲労していると
長年にわたって女性が受け取るアドバイスは、良き指導者を探すなど、自分たちが行動を起こすことについてが中心だった
しかし今、女性が職場でも家庭でも輝き続けられるよう企業による構造的な変化が必要だという認識が広がりつつある
女性の経済的自立を支援する非営利団体マムズ・ファーストの創立者兼CEOでもあるサウジャニ氏
「私たちに必要だったのは、自分たちのスケジュールを管理する力だ。男女で差のない有給休暇、子育て支援、男性と平等な賃金が必要だった」
「私たちの焦点は間違っていた」
人出不足に悩む企業は、リターンシッププログラムで実験をしている
復職を考える可能性のある女性にその予備段階として一時的なポジションを用意する企業もある
そのようなプログラムの開始を手伝うパス・フォワードのエグゼクティブディレクター、タミ・フォーマン氏
16年以降にアマゾンやディズニー、オールステートを含む数十社に協力したと
こうした企業のリターンシッププログラムに参加した人の平均で80%が正社員に復帰した
アラシ・シャンクリ氏はアマゾンのリターンシッププログラムのおかげでソフトウエアエンジニアとしてのキャリアを再開することができた
2年の間家族の世話に集中し、3年間コミュニティーカレッジでプログラミングを教えた後、21年に復帰した
シャンクリ氏がテクノロジー業界でのソフトウエア関連の職に戻りたいと考えた時
企業は同氏の教師としての経験を評価せず、職探しへの反応は芳しくなかった
しかしアマゾンでの16週間のプログラムは、同氏が17年間に培った専門知識を生かす機会を与えてくれた
アマゾンは同氏を正社員で採用し、今ではチームの管理や大規模プロジェクトの統括などより幅広い仕事を任せている
「中断したからといって一歩下がったところから始める必要はない。やめたのと同じ地点から継続することはできる」
で、日本
「無視」「辞めろ圧力」「苦しむための出勤」
公民館の非正規職員だった女性は職場で受けたいじめの状況をメモに残していた
職場での無視が始まったのは2021年5月の連休明け
非常勤職員として公民館に勤め始めて1カ月が経ったころ
女性(47)は東日本の海辺の市で、公募していた会計年度任用の公民館主事の試験を受け、21年度に採用された
以前から、地域に関わる仕事を希望していた。同僚は女性館長と1年先輩の非常勤の女性主事、定年後再雇用の男性の3人だけだった
仕事を始めて間もなく、公民館の講座案内などの文章を書いた
主事は細かなチェックを入れ、何度も書き直させた
仕事が進まなくなった。主事はパソコンをたたきながら
「このパソコンがバカなのか?
思わず
「そんなわけないじゃないですか。私にバカだと言っているんですか?」
と聞き返した。それが口答えと受け取られた
以後、主事は女性と口をきかなくなり、存在を無視するようになった
公民館勤務が初めてで主事を頼りにしていた館長も同調
業務連絡が来なくなり、主な行事の連絡網からも外された
企画立案などの仕事から遠ざけられ、重い会議机を裏返して備品の管理番号を調べたり、消費期限切れの非常食を分別して廃棄したりなどのきつい仕事を一人でするように命じられた
一方で、2人は電話や窓口での応対を監視し、常に緊張を強いられた
館長からは
「仕事について聞けるのは、着任してから1カ月までだから」と何度も言われていた。無視が始まって以降は、わからないことがあっても聞けなくなった。
市役所からの来客があると、館長は女性に聞こえるように「私はパワハラ保険に入っているから、非常勤から訴えられても大丈夫だ」
そんな保険はないはずだと思ったが、誰にも助けてもらえないのだと絶望感が募った
秋ごろには不眠や不安などの症状が出て、通院するようになった
同僚と話す必要があっても、怖くて目をそらしがちになった
すると館長から
「話す時、人の目を見ないね」
職場での様子をメモに残し、労組や労働局に相談したが、動いてはくれなかった
1年がまんしたら異動になる、と念じながら耐えた
でも、翌年2月、公民館を担当する市役所の課長は、女性に告げた
「任期を更新しません。館長からの評価で決めました」
課長には何度も職場の状況について相談していたが、女性にヒアリングすることはなかった
女性は今、国の出先機関で非常勤職員として働く
最初の半年は、またいじめられるのではないか?と不安だったが、業務も人付き合いも問題なくできている
でも、今でもふとした弾みに公民館時代を思い出し、苦しくて涙が出る
市は新たな非常勤職員を公募した
女性は「非正規公務員には、命綱的なものが何もない。評価者の一存で簡単に首を切られるなんて……」
3年前、非常勤職員を対象に会計年度任用の制度が導入された
労働契約が単年度更新となり、多くの自治体が3年を上限とする有期雇用とした
15年以上前から東北の市の教育委員会や公民館で非常勤で働く50代の女性もその一人
この春、市は非常勤職員を一斉解雇し、新たに公募した。女性も公募試験を受けた
東日本大震災後、人の出入りが多い地区で、公民館を拠点にした新たなコミュニティーづくりに奮闘してきた
だが、待遇は低く据え置かれた
週29時間のパート扱い
昇給はほとんどなく、年収は¥230万
手取りだと¥150万程度にしかならず、民間団体とのダブルワークが欠かせない
数年前、公民館職員には専門職の知識が必要だと感じ、社会教育主事の資格を取りたいと上司に申請した
正職員からは応募がなかったにもかかわらず
「非常勤に資格取得のための予算は使えない」
休日に独学で社会教育に必要なスキルを学んだ
教育委員会に在籍中は公民館職員の研修企画を担当し、発達障害などをテーマに新聞記事を読み、深掘りする講座を企画した
職員らは真剣に学び合い、地域の見えづらい課題を見いだす力をつけていった
だが、上司から
「税金は一人でも多くの人のために使うもの。マイノリティーのことを取り上げるのはやめて」
と言われ、この講座はなくなった
公民館の仕事は面白い
やればやるほど地域が変わっていく
専門職として誇りを持って働いている
でも、雇用は不安定
突然解雇されても抗弁できない
「地域の課題が見えてくるのに3年かかる。そのタイミングで公募のふるいにかけられる。モチベーションが下がってしまう」
正職員の4分の1の給料で、専門知識を持たない正職員を非正規職員が育てている状況は、率直におかしいし
「やりがい搾取だ」とも感じている
1990年代半ば以降、公務員定数の削減が進んだ
自治労の調査では、94年に過去最多の328万人だった定数内公務員は2016年には274万人まで減った
減員を補うように、定数外の職員は23万人から64万人へと約3倍に増えた
事務職員や教員、保育士、図書館職員が非正規に置き換わった
保育士や看護師、図書館職員、給食調理員などはもともと女性が多い
女性や子どもに関する相談業務も、資格が必要な専門職にもかかわらず、夫の扶養の範囲内で非正規の女性が担うケースが多かった
こうした背景が重なり、2020年の総務省の調査では非正規公務員の4分の3を女性が占めた
公務員の男女の賃金格差は男性を100とした場合に女性は89と、民間より小さいが
正規と非正規の格差は2倍強と大きい
女性が大半を占める非正規公務員の官製ワーキングプアとは、すなわち女性の労働問題ともいえる
国は待遇改善に向け17年に法改正し
臨時職員、特別非常勤、一般非常勤とまちまちだった非正規公務員を、年度ごとに労働契約を結ぶ会計年度任用職員に統一
賞与が出せるようにした
20年に運用が開始されたが、時給を下げたり、パート扱いにしたりした自治体も多く、収入増にはつながっていない
また、契約更新は2回まで、3回目は公募などの条件が付けられ、かえって雇用の先行きが不安定になったとの指摘も
非正規公務員として働いた経験が長い埼玉大ダイバーシティ推進センターの瀬山紀子准教授
「女性は経済的自立が必要ないと思われ、低賃金で非正規公務員の職を担わされてきた。これは構造的な問題だ」
瀬山准教授がかかわった公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の22年のアンケート
有効回答705件のうち、女性が92%を占め、年齢も50代が38%、40代が25%を占めた
21年の就労収入は¥250万未満が79%に上り、¥100万未満も23%いた
本来はジェンダー格差を解消する旗振り役である自治体が、格差を作り出している
立教大の上林陽治・特任教授
非正規を正規化し、女性公務員を増やすことを提唱
「公から真っ当な雇用をつくっていかないと、最終的に困るのは住民。男女平等社会の実現のためにも、今こそ政策転換をするべきです」
イギリスの経済誌エコノミストは毎年国際女性デーに合わせてOECD=経済協力開発機構の加盟国のうち主要な29か国の、女性の働きやすさについて、男女の賃金格差や労働参加率の差など10の指標に基づいて評価
・・・ウチでは・・・
なぜなんだ?
今日は~
フイロデンドロン セローム/Pilodendron selooum
1月から
寒いせいか長く保つ
さすがに疲れた?感じだけど
まだこのまま