2021年4月20日火曜日

かの国近況

 中国の温家宝(ウェンチアパオ)前首相(78)がマカオ紙に
習近平(シーチンピン)国家主席を暗に批判した?とも取れる文章を寄稿
表向きは亡き母への追悼文
ただ、その中で公正、正義、人道、自由を求めるとともに
中国共産党が忘れたがっている文化大革命期を振り返っており
多くの読者が習氏への遠回しの批判と解釈
温氏の文章に中国のSNSは騒然
寄稿文は数十万回にわたって共有され、検閲当局が介入して拡散を阻止
寄稿文を掲載したのはマカオの知名度の低い新聞
恐らく中国本土では掲載に意欲を示すメディアがなかったことを示している?
今回の寄稿に関して温氏にコメントを求めることはできていない
寄稿は昨年12月の母親の死を痛切に悼む内容
その中で10年間に及んだ文革期の政治的・社会的混乱の中で教師だった父親が迫害されたことに言及
当時、父親は自宅軟禁下にあり、厳しい尋問や叱責(しっせき)、殴打を受けた
寄稿の末尾で、温氏は中国の理想像を提示
「私の考えでは、中国は公正さと正義に満ちた国であるべきだ」
「民意や人道、人の本質が常に尊重され、若々しさと自由、努力する姿勢が常にあるべきだ」

温氏は2003年~2013年にかけて首相を務めた
中国指導部の中では比較的リベラルな改革派との見方が多かった
1989/6の天安門事件で暴力的な弾圧に反対したことで失脚した共産党総書記
趙紫陽(チャオツーヤン)氏の側近トップを務めたこともある

で・かの国
中国で今年3月に開催された全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で
メトク(Medog)ダムの建設計画が発表された
メトクダムは、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)のヤルツァンポ川(雅魯蔵布江、Yarlung Zangbo River)に建設予定
世界最大の発電所三峡ダム(Three Gorges Dam)の3倍の電力を供給する見込み
ヤルツァンポ川のインド名はブラマプトラ川(Brahmaputra River)

ヒマラヤでは
氷河崩壊が大洪水を起こしたばかり
下流のインド、バングラデシュでは大騒ぎ?

南沙諸島の7つの環礁(スービ礁、ガベン礁、ヒューズ礁、ミスチーフ礁、ファイアリークロス礁、ジョンソンサウス礁、クアテロン礁)が中国によって人工島化されてからすでに5年近く
今やそれらの人工島群は中国軍の前進海洋基地群といえるほどに要塞化が進んでいる
とりわけ3000m級滑走路を有する航空施設が設置されているスービ礁、ミスチーフ礁、ファイアリークロス礁は
紅旗-9B型(HQ-9B)地対空ミサイルシステム(最大射程距離200km、マッハ6)や鷹撃12-B型(YJ-12B)超音速地対艦ミサイルシステム(最大射程距離300km、マッハ2)などで防衛態勢が固められている
そして7つの人工島では、巨大な灯台とともに、その付属施設として各種高性能長距離センサー(対空レーダーや海上レーダーなど)も稼働している?
さらに南沙諸島人工島基地群周辺空域には、しばしば戦闘攻撃機による長距離警戒飛行が実施されている
おそらく近日中には人工島航空基地に戦闘機部隊が常駐?
このように南沙諸島人工島の要塞化が進んでいるのに加えて、最近、南沙諸島海域で中国海軍のType-022ステルス高速ミサイル艇(中国名は22型导弹快艇、NATO名は紅稗型ミサイル艇)の活動が確認された
以前より、海警局巡視船や海軍のフリゲートや駆逐艦などが同海域をパトロールしているのは常態化していた
Type-022は、ステルス性の高い双胴船構造の小型(220トン)高速艇(フル武装状態で最速38ノット)
現在中国海軍は80隻以上保有
小型ながらも8基のYJ-83型対艦ミサイルを連射することができ
高性能近接防空システムともいえるAK-630ガトリング機関砲(口径30mm)を装備している
AK-630を装備しているとはいっても、Type-022は基本的には中国沿岸の防空システムによって保護されている海域でのパトロールと
中国沿海域に侵入してきた敵艦を沿岸海域から攻撃するためのミサイル艇と考えられていた
しかしながら先週、フィリピンが実効支配中のセカンド・トーマス礁(下の地図)周辺海域を取材していたフィリピンメディアの船に対して
2隻のType-022が急接近してきた
Type-022はフィリピンメディアの船を追い回して同海域から追い払ってしまった

1999年にフィリピン海軍は、暗礁であるセカンド・トーマス礁に輸送揚陸艦を突入させて座礁させた
それ以降、座礁した揚陸艦にはフィリピン海兵隊員が陣取って、フィリピンにより実効支配を続けている状況をアピールしている
フィリピンによるセカンド・トーマス礁の実効支配態勢は、すでに全体が錆付いてしまった座礁揚陸艦だけ
その暗礁周辺に中国海軍Type-022が出現し出したのだから・・・

これまでType-022は中国本土沿岸海域でのパトロール用と認識されていたが
南沙諸島人工島基地群周辺での警戒監視任務にも投入され始めた?
同海域の中国軍による防空態勢がかなり進展
同海域に空母艦隊を送り込むアメリカ海軍も、非常に危険な存在として神経をとがらせ始めている

今日は~
ウチの吊り場

3月末
寒さに強い国産の吊りものを出した
この後、何回か貯めた水に氷がはってる

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