2021年4月13日火曜日

キューバで開発中の新型コロナワクチンが治験の最終段階

5月の接種開始を目指している
西欧の制裁下にある国や低所得国が熱い視線を
キューバの最高指導者だった故フィデル・カストロ
カリブ海にバイオテクノロジー大国を築くという誓いを立て、1980年代初頭にハバナの小さな研究所で6人の研究者と構想を温めた
それから40年が経ち共産主義を掲げるこの島国は、比類のないブレイクスルーを目前にしている可能性が
新型コロナウイルスのワクチンを1つのみならず複数開発してる
現在は5つのワクチン候補が開発段階にあり、うち2つは5月までの接種開始を目標に後期の治験に入っている
さらには、アメリカのトランプ前政権によってテロ支援国家に再指定され孤立した国にとって、イメージも向上
開発中のワクチンは安いし保管も容易
室温で数週間はもち、長期保管の条件も8℃でいいため、世界のワクチン争奪戦で裕福な先進国に押しのけられている低所得の熱帯諸国にとって福音
イランとベネズエラはすでにキューバ政府とワクチン契約を結んでいる

ベネズエラのホルヘ・アレアサ外相
「キューバの医学・バイオテクノロジーに多大な信頼を寄せている」
「これはベネズエラだけでなく南北アメリカの基礎となり、わが国の人々にとって真の解決策になるでしょう」

第3相治験の結果が良好であれば、首都ハバナのほぼ全住民(170万人)に接種する大規模な介入試験へ5月までに移行する
8月までに国民の60%、残りは年末までの接種を目指す
平均的な科学研究者の月収が$250程度のキューバだが、こうした野心的な目標を達成できれば世界でいち早く集団免疫を獲得した国の一つに
ワクチン目的の観光客を誘致したり、当局が年内に1億回分は生産できるとするワクチンの余剰分を輸出したりするかも・・・

キューバのワクチン開発を監督する国有複合企業ビオクーバファルマのエドゥアルド・マルティネス・ディアス社長
「一番の貢献はキューバの全人口に免疫を与え、ウイルスの感染を抑制することです」
「この国は日常に戻ることができ、訪れたいと思う人々にとって安全な場所になるでしょう」

このワクチン開発における朗報は、キューバにとって危機的な時期と重なった
同国では昨年は比較的少なかった感染者数がここ数週間で急増
被害の大きい中南米で新たなホットスポットの一つとなっている
そのため、タイミングの良さをいぶかる声も
政府は失った観光収入を取り戻そうと必死になり、実験段階のワクチンを市民に押しつけようとしているのではないか?

キューバ事情に関するウェブサイト ユカバイトの共同創設者ノルゲス・ロドリゲスさん
「実証済みのワクチンではありません」
「政府はワクチンを国民で試してみてから、観光客を迎え入れて接種を受けてもらおうとしています。これほど大きな規模ですぐにやりたいというのは怪しすぎます」

共産党一党独裁体制のキューバでは、言論の自由や経済的自由が守られているとは言えず、政治的活動にも厳しい制限が敷かれている
一方で、教育や医療への投資が今日では極めて高度化したバイオテクノロジー研究の種をまき
小さな途上国が少なくとも31の研究機関と62の工場、2万人超の関連労働者を擁する

現在、キューバは国内で接種を義務付ける11種類のワクチンのうち8種類を国産
30余りの国に輸出
2017年には、キューバで開発された肺がんワクチン Cimavax(シマバックス)の治験がニューヨークのロズウェルパーク総合がんセンターで始まった

キューバの元研究者で、現在はブラジルのサンパウロ州立大学でフェローを務めるアミルカル・ペレス・リベロールさん
「欧米の基準で見ても、キューバには本当に素晴らしい研究所がいくつかあります。ただ問題は、いつも別のところにあります。インターネット接続の不安定さや、部品や設備の不備などです」

キューバで最も開発が進んでいる新型コロナワクチン候補ソベラナ2とアブダラは、2~3回の接種を必要とする
マルティネスさん
「両ワクチンが作り出す免疫のレベルは高いです」

世界保健機関(WHO)のアメリカ大陸事務局である汎米保健機構(PAHO)のジャーバス・バルボサ副事務局長
WHOがキューバのワクチン候補を承認するには最長で6ヵ月かかる可能性があると示唆した。もちろん有効性が証明された場合の話だ
「あらゆるワクチン開発を歓迎しますが、世界中のすべてのワクチンは品質や安全性、有効性を確保するために同じ基準を満たす必要があります」

とはいえ、キューバのワクチン開発が成功すれば、アメリカの制裁下にある他の国々、特にベネズエラやイランにとって文字通りの“カンフル剤”に

イランの最高指導者ハメネイ師は1月
「まったく信用できない」として米英製ワクチンの輸入を禁止した(それでもイランは英製薬大手アストラゼネカのワクチンを発注しているが)
その数日後、キューバとイランは両国での接種拡大に向けた協定の一環として
イラン人の志願者5万5000人を対象に、キューバが開発中の最有力ワクチンの治験を実施すると共同で発表した
イラン保健省報道官
この協定について、イランへの技術移転とワクチンの共同生産を可能にするものだと言明
イラン保健当局は最大で4000万回分の生産につながる可能性を示唆

カリブ海の島国アンティグア・バーブーダのロナルド・サンダース駐アメリカ大使
西欧のワクチンは小国には手の届かない価格設定であるうえ
ワクチンの公平な供給を目的とした国際的枠組みCOVAX(コバックス)は対応が遅いと指摘
「わが国はキューバとの二国間協定を望みます。欧州とアメリカ、カナダがすでにワクチンをすべて買い占めました。そのため、キューバが治験を成功させたワクチンをWHOが承認したあかつきにはもちろん、喜んで行列に並びますよ」

・・・山椒は小粒でも・・・

今日は~
セロジネ インターメディア/Coelogyne intermedea

3月末に満開・・・
でも花茎3本
・・・なんで?

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