2021年4月3日土曜日

半導体はウハウハだけど・・・で

は、半導体業界の多くの関係者に驚きを・・・
インテルが発表した新しいビジネスモデルIDM 2.0
同社の従来のビジネスモデルIDM(Integrated Device Manufacturer、垂直統合型半導体製造)を進化させる
インテルがファウンダリーサービスと呼ばれる他社の半導体を受託製造するサービスを始める

半導体メーカーは大きく言って、自社で設計・製造・販売まですべてを垂直的に統合して行なうIDM
製造は他社の工場に委託して設計と販売に注力するファブレス(ファブ=工場、レス=持たないの意味で、工場を持たないメーカーの意味
そしてファブレスの半導体メーカーから委託を受けて製造工程を担当するファウンダリー
という3つのビジネスモデルがある

インテルはその誕生のときから自社工場を持ち、設計・製造・流通を垂直統合的に行うIDMモデルを続けてきており、それがインテルの強みになっていた
IDMモデルは、半導体工場という天文学的な初期投資(後述するが工場2つで約2兆円の投資になった例がある)を伴うリスクはある
実際に製造が始まってしまえば、作れば作るほど利益を生むのが強み
これによりインテルは長い間、グロスマージン(粗利)が60%以上という、製造業としては驚異的な利益率を誇ってきた
ころが、近年それが揺らいでいる。

インテルが2021/1に発表した2020年の通期決算によると、グロスマージンは56%と、2019年の58.1%から2.1ポイント下落
グロスマージンが56%という数字は製造業としては依然として高いが、長期的にこの傾向が続けばインテルは危機を迎える
こうした状況に陥った最大の要因は、インテルにとって2010年代が技術的に失われた10年になってしまったから
インテルが他の半導体メーカーに対して大きな優位性を維持できた最大の理由は
インテルの製造施設や技術が、他社を1~2年は常にリードしてきたからだった
しかし、2010年代半ばから徐々に他社に追いつかれ、自社工場で半導体を製造するよりも、外部(ファウンダリー)工場で製造したほうが高性能な半導体を製造できる状況に
そうした状況を受け、インテルも最先端の製品の製造をファウンダリーに委託して製造する可能性を昨年来探ってきた
ただし、その選択は自社の工場を捨てることになる
インテルはそのジレンマに悩み、最終的な決断を下せずにいた

だが、2021/1にパット・ゲルシンガー氏が翌月からCEOに就任することが発表されると、潮目は完全に変わった
ゲルシンガー氏は18歳でインテルに入社。同社勤務のかたわら大学に通い、サンタクララ大学で学士号、スタンフォード大学で修士号を取得し、1980年代には同社の躍進の理由の1つになったプロセッサIntel 386の開発者の一人となった
その後インテルの副社長に昇進し、2000年代後半には次期CEO候補の一人と見なされた
しかし当時のCEOレースからは脱落
2008年にEMC(現Dell EMC)に移籍すると、12年には傘下のソフトウェアベンダー・VMwareのCEOとなり、同社が大躍進するきっかけを作った
インテル時代にはテクノロジーに詳しい経営者として有名だったが、EMC・VMware時代の経験を通じて長期的な戦略や会計まで理解できるバランスのとれた経営者に成長を遂げ、2019年のGlassdoor調査ではbest CEOs in Americaの一人に選ばれている

ゲルシンガー氏はインテルに復帰するやいなや、すぐにデータの洗い出しを行い、特任チームを招集して新戦略の策定に入った
その結果が、今回発表されたプラン
誰もが前任者であるボブ・スワン氏の時代に決まっていた
自社工場と外部ファウンダリーをミックスして利用する
という”消極策”を継承するだろうと考えていた
しかし、フタを開けてみると出てきたのは、インテルが他社に対して受託製造サービスを提供するという、180度反対となる積極策だった
2月に就任したばかりゲルシンガーCEO
「半導体をめぐる環境は大きく変わりつつある。現在ファウンダリーの最先端の製造施設の大部分はアジアにある。このため業界では地政学的にもっとバランスを取ってほしいという声が増えている」
「そうした中で、インテルの製造施設はアメリカ・ヨーロッパに集中しており、ユニークなポジションにある。新しいニーズ、具体的には『信頼される半導体のサプライチェーンの構築』というニーズに応えることができる」
この指摘の背景には、ファブレスの半導体メーカーやその顧客(例えば、今回の半導体ひっ迫で一番の被害者とされる自動車メーカー)、さらにはアメリカ・ヨーロッパ各国の政府がより地政学的にバランスの取れたファウンダリーの配置が必要だと考えている

世界の上位半導体工場は韓台中に集中している
最先端の製造技術で製造するファウンダリーは80%がアジアに集中
半導体製造大手のTSMCとサムスンという最先端の工場を構える2社に加え
台湾のUMC、中国のSMICという最新世代から1~2世代は遅れているファウンダリーも入れると、ほとんどの工場は、台湾・韓国・中国の3カ国に集中
自動車産業が懸念する半導体需要ひっ迫の要求に台湾や韓国のファウンダリーが応えられていない
半導体の生産は足の長いビジネスで、ファウンダリーと契約し、実際に製造を開始するまで半年~1年ほどの時間がかかる
そのため需要が急激にひっ迫したときにはどうしようもない
ファウンダリーの構成を見直してみると、台湾TSMCと韓国サムスンが1位と2位で、今後はそこに中国のSMICが追いつくと考えられていた
しかし、中国のSMICが米商務省のエンティティ・リストに掲載されたことでアメリカ・ヨーロッパ・日本の企業は利用しにくくなった
また、TSMCやサムスンの台湾や韓国も、それぞれ中国や北朝鮮と地政学的なリスクを抱えている。
そうした中で
アメリカ・ヨーロッパ・とイスラエルにだけ工場があるインテルは
東アジアの地政学的リスクのリスクヘッジになり得る
インテルが受託製造サービスを開始する最大の理由はそこにある
半導体ひっ迫が地政学的なリスクであることに気づいてしまったアメリカ・ヨーロッパ諸国の政府は、ファウンダリーに対してアメリカ・ヨーロッパ域内で製造を求めていくことになるだろう
補助金などを出すことも厭わないはずだ
でTSMCはアメリカに工場をつくりだした

ゲルシンガー氏は新しい受託製造サービスを開始するにあたり、今後$200億でアリゾナ州に新しい工場を2つ建設すると明らかにした
発表にはアリゾナ州のダグ・デューシー知事と米商務省のジーナ・レイモンド長官の名前も登場し、両者からの援助もあることが明らかになった

また、ゲルシンガー氏の会見では、前任者時代には見通せなかった7nmプロセス開発も一挙に進み実用化のめどが立ったことも発表した
こうした進化には、ゲルシンガー氏がインテルに復帰してから多くのベテラン開発者たちがインテルに復帰したことが影響していると思われてる
インテルの失われた10年は、たった2カ月で、新たなリーダーと方針を得て、トンネルの出口を完全に見つけ、新しい行き先を完全に見つけたように見える

で・半導体ファウンドリである台湾TSMC
半導体製造能力強化のために向こう3年で$1000億を投資する計画
TSMCは、米国のApple、Qualcomm、NVIDIA、AMDなどの大手ファブレス企業からプロセッサ製造を委託されている
半導体は、コロナ禍によるリモートワーク用PCの需要増や自動化の進む自動車向け需要増などにより、昨年秋ごろから不足が続いている
昨年11月には、TSMCの生産能力が著しく不足しているため、AppleがM1チップ製造を韓国Samsung Electronicsにも発注する可能性があると報じられた
TSMCの顧客向け書簡でシーシー・ウェイ(魏哲家)CEO
同社のファブが「過去12カ月、100%以上の使用率で稼働している」
、需要は依然として供給を上回っている
同氏は、数千人を追加雇用し、複数の新工場を建設中であると説明
TSMCは2022年初旬から1年間、ウェハーを値下げしない予定

・・・スエズ運河の渋滞で見えたリスク
突然の物流ストップにも・・・
ネット通販とか物流に依存する商売は・・・
ところでTSMC
3/31本国台湾で火事
その前には3/19日本のルネサスで火事
あと
アメリカ軍関連で事故・火災が頻発
・・・コレってアメリカが、かの国にキビしくなってから・・・

今日は~
キクザキイチゲ/Anemone pseudoaltaica

3月末
開花
勢力を増す濃色大輪種
の中で可憐な普通種が咲いてる
普通種が駆逐される?
どしよ・・・

今日は水やり日
ほぼオール
トイレにいた中国南西部?のシダも外へ

2021/4/4
加筆・修正

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