2020年7月25日土曜日

ディープフェイクで

 ぼや川より
孫の目は・こずかいくれる・人見分け
・・・するどい・・・

オリバー・テーラーはイギリス バーミンガム大学の学生
目は茶色、無精ひげをうっすらと生やし、少しぎこちない笑いを浮かべる二十歳そこそこの若者
コーヒー好きで政治オタク、伝統的なユダヤ人家庭で育った
フリーランスとしてエルサレム・ポストやタイムズ・オブ・イスラエルといった新聞に寄稿したいくつかの署名入り論説記事
ブログの投稿からは反ユダヤ主義問題に強い関心を持っていることがうかがえる・・・

大学に問い合わせると、そうした在学生はいないと
Q&Aサイトのクオーラにアカウントがあって今年3月に2日間ほど活発に書き込みをしていた以外オンラインにこれといった履歴はない
彼の記事を載せた2つの新聞社は身元を調べたが確認できなかった
そし、偽画像の専門家が最先端の法医学分析プログラムを用いて分析した結果
テーラーのプロフィール写真は本物そっくりの偽造・・・
彼が編集者らに示したイギリスの電話番号にかけてみてもエラーメッセージが自動再生されるだけ
編集者との連絡用に使っていたGメールのアドレスにメッセージを残したが返信なし

ロンドンの学者、メーゼン・マスリ氏
マスリ氏は2018年末、イスラエルのサイバーセキュリティー会社・NSOによる電話ハッキング被害を訴えるメキシコ人らの代理人としてイスラエルで同社を提訴して国際的に注目を集めた人物
アメリカのユダヤ人向け新聞アルゲマイナーに載った記事で
テーラーはマスリ氏と、パレスチナ人で人権活動家の妻を
よく知られたテロリスト共感者だと攻撃
夫妻は指摘に驚き、その事実を否定
しかし一大学生が自分たちを名指ししたことに当惑
マスリ氏はテーラーのプロフィール写真を引き出してみたが心当たりはない
だが、この若者の顔は何かずれている?と

カリフォルニア大バークリー校で教えるヘイニー・ファリド氏
「背景のゆがみと非連続性は、合成画像の紛れもない特徴だ。首と、えり回りにもいくつか異常な点がある」

作品にディープフェイクを多用する芸術家のマリオ・クリンゲマン氏
写真はディープフェイクの特徴をすべて備えており100パーセント(ディープフェイクだと)確信できる

ワシントンでもシリコンバレーでも、こうした脅威への懸念は強まっている
アメリカ下院のアダム・シフ情報特別委員長
は昨年、コンピューターが生み出す動画によって世界的指導者が腹話術人形に変わる恐れを指摘

フェイスブックはディープフェイクの自動特定に携わる研究者を支援するため
ディープフェイク特定チャレンジというコンペを開催
その結果を6月に発表

アメリカニュースサイト ザ・デーリー・ビーストは先週
ディープフェイクを用いた偽ジャーナリストのネットワークを暴いた

ディープフェイク画像検出専門の会社をイスラエルで立ち上げたダン・ブラミー氏
テーラーのような事例が危険なのは、身元をさかのぼるのが全く不可能な人物像を作り上げる点だと
こうした写真の源を捜査しても
「干し草の山で針を探す羽目になる。針が存在するならまだしも」

テーラーは昨年12月末ごろに記事を書き始めるまで、インターネット上に軌跡がなかった
エルサレム・ポストとアルゲマイナーの編集者らはテーラーから電子メールで記事を持ち込まれ掲載したと説明
報酬は求められなかった
編集者らはテーラーの身元チェックのための積極的な措置は取らなかった

アルゲマイナーのドビッド・エフュネ編集主幹
「わが社のビジネスは防諜活動ではないので」と釈明
ただテーラーの一件以来、新たな安全保護措置を導入したとしている

アルゲマイナーとタイムズ・オブ・イスラエルはテーラーの記事を削除
エルサレム・ポストはロイターがこのニュースを配信した後、テーラーの記事を削除

テーラーはタイムズ・オブ・イスラエルとアルゲマイナーに対し
削除に抗議する電子メールを送ってきたがタイムズの編集者は
テーラーが身元確認に協力しなかったため抗議をはねつけたと説明
アルゲマイナーのエフュネ氏はテーラーに返信しなかった

タイムズ・オブ・イスラエルのオピニオン欄編集者、ミリアム・ハーシュラグ氏
このような事例は社会の議論をゆがめるだけでなく、編集者が無名の書き手にチャンスを与えるのに及び腰になるという弊害もあると指摘
「偽物をふるいにかけ、防御を固める必要があるのは間違いない。しかし、新人の声を届けることに障壁を設けたくはない」

・・・ナニがナンだか・・・

今日は~
ディスコレア エレファンティペス/Dioscorea elephantipes
6月半ば
正しく梅雨に紅葉
眠りに入る

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