2020年6月8日月曜日

光るシリコン

ぼや川より
女房の・ちょっとアナタで・青くなる
・・・あわあわ・・・

トランジスターはコンピューターの“脳細胞”として機能
その大きさは原子数個分の長さしかない
トランジスターを詰め込みすぎると電子の渋滞、過熱、奇妙な量子効果など多くの問題を引き起こす可能性がある
その解決策としてチップ内部のデータ伝送を電子ではなく光子に置き換えるために電子回路の一部を光学的結合に・・・
ただし半導体チップの主材料であるシリコンは発光できない

オランダのアイントホーフェン工科大学の物理学者エリック・バッカーズが率いる研究チーム
発光できるシリコン合金ナノワイヤーを成長させた詳細について記した論文を4月にNatureに発表
このテーマは物理学者たちが何十年もかけて取り組んできた
バッカーズの研究室では半導体チップに組み込める極小のシリコンレーザーを開発した
従来の電子チップに光子回路を組み込むことで半導体チップを過熱させることなくデータの高速伝送と消費電力の低減が可能になる
機械学習などのデータ集約型の用途に、とりわけ有用だ・・・
マックス・プランク光科学研究所のマイクロ波フォトニクスグループを率いるパスカル・デルヘイさん
「シリコン合金でつくられたナノワイヤーから光の放射を実証できたことは、大きなブレイクスルーです。何と言ってもシリコンは半導体チップの製造プロセスで使ってきた材料ですから」
「この先、光回路と電子回路の双方を組み合わせたマイクロチップの製造が可能になるかもしれません」

バッカーズさん
シリコンから光子を放出させるにはその構造が重要
一般的な半導体チップは、ウェハーと呼ばれる薄いシリコン基板上につくられる
シリコンは条件によって電気を通したり通さなかったりする半導体
半導体という特性によってトランジスターは可動部品をもたずにデジタルスイッチとして機能できる
可動部品の代わりにトランジスターに一定の電圧が加えられた場合にのみ閉じたり開いたりする
シリコン原子はウェハー内で立方結晶の格子状に配置され特定の電圧条件で格子内を電子が移動できる
だが光子はこのようには動かない
このため光はシリコン内で簡単に移動できない

バッカーズさん達が立てた仮説は
シリコンの格子状形状を立方体ではなく六角形の繰り返しにすれば光子がシリコン層を伝播できるのではないか?
・・・?
ところがシリコンは立方体という結晶化構造が最も安定
六方晶構造を実際につくることは難しい
バッカーズさん
「40年ものあいだ、多くの人が六方晶構造のシリコンをつくろうとしてきたのですが、成功しませんでした」
バッカーズさん達は約10年間、六方晶構造のシリコンを作成しようと取り組んできた
解決策のひとつはガリウムヒ素のナノワイヤーを組立構造として使用
目的の六角形構造をもつシリコン・ゲルマニウム合金製のナノワイヤーに成長させること
シリコンにゲルマニウムを加えることはシリコンの光の波長などの光学特性を調整するために重要
「予想以上に時間がかかりました」
「5年前にはここまでできると思っていましたが、全体のプロセスには微調整が何度も必要だったのです」
シリコン合金ナノワイヤーが発光するかテストするため赤外線レーザーを照射して反対側に通過した赤外光線量を測定
ナノワイヤーから赤外線として出てくるエネルギーを検出したところ
その量はレーザーが照射したエネルギー量に近かった
シリコンナノワイヤーが光子の伝送に非常に効率的?
バッカーズによると次のステップは開発した技術を使ってシリコン合金で極小レーザーをつくること
研究室はすでに取り組みを始めており年末までには実用的なシリコンレーザーが出来上がっている可能性が・・・
次の課題はどのようにしてシリコンレーザーを従来の半導体チップに、どう組み込むか
「これが非常に重要なことですが、また難しいことでもあります」
「これを成し遂げる方法についてブレーンストーミングをしているところです」

バッカーズさん
将来の半導体チップが完全に光学式になるとは予想していない
マイクロプロセッサーのようなコンポーネントの内部ではトランジスター間の短い距離を電子が伝送することは、まだ理にかなっている
しかしコンピューターのCPUとメモリー間、トランジスターの小クラスタ間などの“長い”距離では、電子ではなく光子を使用することでエネルギー消費量もシステムの発熱量も非常に少なくしながら計算速度を向上させることができる
電子は1個ずつ順次(ひとつの電子、次の電子と)データを伝送しなければならない
これに対し光信号は物理的に可能な限りの速さ(光速)で一度に多くのチャンネルにデータを伝送できる
半導体チップ上の光学回路は大量のデータを素早く伝送できるので
データ集約型用に広く使われることが予想される
例えば車載センサーから来る膨大なデータをリアルタイムで処理する自律走行車の車載コンピューターに重宝される?
一般的な用途にも応用できる可能性が
電子チップほど熱を発生させないの、データセンターでは大規模な冷却インフラが必要なくなる
このため膨大なエネルギー消費量を削減できる
研究者や企業は、すでに単純な電子回路にレーザーを組み込むことには成功
だがプロセスが複雑すぎて大規模に実装するにはコストが高くなる
なのでニッチな用途にしか使われていない。

2015マサチューセッツ工科大学(MIT)とカリフォルニア大学バークレー校、コロラド大学の研究者グループ
単一のマイクロプロセッサーに光子回路と電子回路を組み込むことに成功
「ここで実証できたことは、チップスケールの電子・光子システム時代の幕開けを示すものであり、コンピューティングシステムのアーキテクチャを変革し、ネットワークインフラからデータセンター、スーパーコンピューターまで、より強力なコンピューターを実現する可能性を示唆するものです」

バッカーズさん達、従来の半導体チップの主要素であるシリコンに応用できることを実証し光ベースコンピューティングの実用化に向けた一歩を踏み出した
電子半導体チップは半世紀にわたってわたしたちのコンピューティングのニーズに忠実に応えてきた
しかし膨大なデータを必要とする今日の世界ではプロセッサーの処理能力を光速にスピードアップする時期に来ている

・・・ヒトの欲で
・・・別にシリコンでなくても半導体にはなるんだけど

今日は~
きのこ
毎年梅雨時にでるコ
律儀

0 件のコメント:

コメントを投稿