2020年6月17日水曜日

ファーウェイ制裁の行方

ぼや川より
今場所も・また女房に・負け越した
・・・勝負になんない・・・

2020/5/15
アメリカ商務省産業安全保障局(BIS)
中国の通信機器大手華為技術(以下、ファーウェイ)と関連企業114社への輸出管理を強化すると発表

アジア連合大学院機構の魏向虹主任研究員
アメリカはファーウェイを制裁すると同時に、日本の部品メーカと台湾の半導体ファウンドリ(TSMC)を制限する
今回のファーウェイ制裁はアメリカ商務省が輸出管理規則を変更
その内容は
”一般禁止事項3(外国で製造された直接製品規則)とエンティティリストの修正”と題した5/19付の官報で公表
規則の変更自体は5/15から有効
今度のルール変更のポイント
①外国企業を規制することが鮮明
②米国国家安全保障規制品目の拡大
③米国国家安全保障規制品目(技術・ソフトウエア)に基づく生産した製品をファーウェイに出荷できない
つまり外国企業はアメリカの技術、ソフトウエアを使って作られたものを外国製の直接製品(foreign-produced direct product)と呼び
それをファーウェイに販売することにはアメリカ商務省の許可が必要

去年のファーウェイ制裁はアメリカ企業の製品・技術のファーウェイ向け販売を禁止
この1年間ファーウェイは制裁に対してスマホのコア技術を自社開発
アメリカ製を置き換えしのいできた
自社設計のチップセット麒麟、5Gベースバンドチップ、画像処理、ICP解読チップ、NB-IoTチップ等、次から次へとリリース
他の部品もアメリカ製のものを中国、日本製のものに置き換えた
スマートフォンのOSについては自社開発の鴻蒙(Harmony OS)も発表
Googleのアンドロイドをやめた上でヨーロッパの企業と組んで独自のエコシステムを作りはじめた
2018年度ファーウェイはアメリカから輸入した部品が$110億、世界でトップだった
しかし日本経済新聞中文版の記事(※1)によると、2019/12時点で、5G対応のスマホMate 30 Proを分解し、内部の部品構成を調べたところ
金額ベースで米国製部品は1.5%しか残っていなかった
その代わりに日本製部品は全体の40%に近く4G対応のスマホより倍増した
トランプ政権は去年の制裁がファーウェイを抑えきれなかったことに気付いた
そしてアメリカ企業を制限した結果、ファーウェイは日本、欧州等の企業とアライアンスを組んで脱アメリカのサプライチェーンを構築
従って今回、アメリカ商務省は輸出管理規則を変更
外国企業をターゲットに制限する方向に転換

ファーウェイのスマートフォンを分解して調査した結果で分かるように日本製の部品を大量に使っている
ファーウェイが2019年度、日本企業からの調達額が過去最高の¥1兆1000億に上る見通しだと梁華会長は2019/11/21に都内で日本メディアとの会見で明かした
今回のファーウェイへの追加制裁はファーウェイへの半導体供給を断ち切ると同時に
日本の半導体ベンダーを抑え再び昔日の半導体産業を蘇よみがえらせることのないよう同時に二つの目的の達成に照準を合わせている
もう一つの狙いはファーウェイのチップ開発を止めること
前述した何種類のチップはファーウェイの子会社、海思半導体技術(ハイシリコン)が設計した
その設計能力はいまや世界一
すでにインテルやクアルコムなどの米国勢を凌駕していると日本の半導体業界の有識者が評価している
ただしハイシリコンが設計したチップを台湾の半導体製造メーカーTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co)に委託している
アメリカは今回ピンポイントでTSMCにファーウェイへの出荷を制限した
ファーウェイからの受注ができなくなったTSMCに対してトランプ政府はTSMCにアメリカに工場を造らせる一手を用意
半導体工場をアメリカ国内に置き自国のファブレス(工場を持たない製造会社)半導体ベンダーに製造工程を確保する目的
工場を建設する初期投資にはアメリカ政府から補助金が出る

5/15のファーウェイへの制裁は奇妙なところが
外国の企業はファーウェイへの製品供給を制限される一方、アメリカの半導体ベンダー、インテルやクアルコムはファーウェイへの出荷は許可されている
台湾のMediaTeK、韓国のサムスン電子によるファーウェイへの製品供給も制限されていない
一応、輸出管理のルールが作られるものの運用はトランプ政府の意向次第
制限対象を自由に変えることができる
これは1990年代に日本のスパコン輸出を・・・
日本のベンダーが1年間以上の時間と労力を費やしてやっと商談を取れそうなところまで持っていたが
ココム(Coordinating Committee for Multilateral Export Controls; COCOM)の規制によって当時の通産省が中国への輸出に待ったをかけた
しかしアメリカのスパコンメーカー、クレイ社(Cray Computer Corporation)のスパコンはすでに中国の商談相手のマシンルームに納入されていた
今回は日本政府がスパコンの二の舞を踏まないように、うまく回避する方法を見つけられるだろうか?

今回の制裁で打撃をうけたのはファーウェイのスマホビジネス
今年の新機種で5㎚のチップを使用する計画だったが現在TSMCしか製造できない
ファーウェイのスマホビジネスがかなり低迷することは免れない
しかしファーウェイの主要製品は5Gをはじめとする通信機器
通信機器に対しても米国が手を緩めずに引き続き打撃を加えようとしているが成功しない?
過去20年間、通信業界での最大の話題はファーウェイの予期せぬ追い上げだった
ファーウェイは通信機器のコストパフォーマンスを画期的に向上させることによって通信業界の伝統的なパターンを完全にくつがえした
その中でSingleRAM(Single Radio Access Network)技術はアーキテクチャのイノベーションとして業界から認められている
日本ではあまり報道されていないがSingleRAM技術ができるまでに2G、3G、4G、それぞれの基地局を立てなければならなかった
初期投資はもちろん後のメンテナンスも結構なお金がかかる
SingleRAM技術を使うと2G、3G、4G、5Gを1つのボックスに統合できる
そして従来の基地局より逆にサイズが小さくなり電波の発射塔もいらなくなりビルの上、地下鉄の駅等に据え付けることができる
通信キャリアのコストを大幅にさげることができた
2018年にファーウェイはSingleRAM 5G基地局をリリースした
一つのネットワークには5Gおよび5G以下の世代の通信をサポートするだけではなく人工知能を活用した動的最適化の機能も加えた
5Gについてはファーウェイが世界をリードする技術力を持つことは多く報道されており、そのこと自体が5Gについてのファーウエイの技術力の高さを証明している

技術以外にファーウェイの強さは次の三つが挙げられる
①ファーウェイは社員持ち株制の会社であるため、従業員が受け身のサラリーマンではなく、皆が企業家のつもりで仕事に取組んでいる
②ファーウェイの創始者任正非氏の哲学は極限生存
つまり極限状況がいつかかならず来ることを前提にサバイバルできるように備えてきた
③ファーウェイの企業戦略は他の企業と共栄すること
一国での市場シェアを他社の生存を脅かすほど絶対高く取らない
業界であまり敵を作らない
以上の3点は定量化できるものではないが計り知れないパワーになっている

アメリカの半導体製造は少しずつ陰りが見えてきた
長年にわたってチップセットの設計と製造の両方に君臨しているインテルは2019年、半導体製造(ファンドリー・ビジネス)事業が完全に有名無実なものになった
10㎚チップは歩留まり率と性能の両面で問題を
14㎚チップは自社の需要すら満たせない
鳴り物入りで立ち上げた22FFL(Intel 22 nm 超省エネ)も自社で若干利用される程度
顧客が全くつかない状況の1年だった
一方、台湾のTSMCは既に5㎚ナノメートルのチップを量産することができ完全にアメリカの半導体製造を抜いてしまった
TSMCをアメリカ内で工場を造らせることからもアメリカの焦りが見える
5月に発表された失業率は1948年以来の最悪水準である14.7%
4月の消費者物価指数は季節的な要因を除いて0.8%低下
1957年にCPIを導入して以来の月間最大の下落
トランプ政権唯一の成果とされた経済も・・・
秋の大統領選が迫っており国民の不満の矛先を中国に向かわせた

トリムタブス・アセット・マネジメントのボブ・シア最高経営責任者
「大統領選に向けて中国がサンドバッグとして利用されているようだ」
「ホワイトハウスはすでに効力が薄まりつつある第1段階の通商合意を利用するより、中国をたたく方がより効果的だと決意している」

ファーウェイはこの中国たたきの攻勢で絶好な相手
しかしトランプ政権のファーウェイ潰しは自由競争の原則に反し自分に都合が良ければ既存のルールをいかにも簡単に変えてしまう
時々同盟国でさえも道連れにする

・・・これまでも・・・

ICCイギリス事務総長、クリス・サウスワース
「国外の法域の企業に国内ルールを適用することで、他国を犠牲にして自国の経済を保護することだ」
「それは、町の市長がパンを焼くオーブンのドアハンドルを作り、外国の土地でパン職人が作ったパンを誰が買うことができるかを制御すると同じだ」

イギリスの国際関係アナリスト、トム・フォーディ
「今週のワシントンのHuaweiに対する新しい規制は、驚くべきことではなく、トランプ政権によって長い間議論されてきたが、内部の不一致により、その実施は数カ月遅れた」
「自由市場の美徳を説教しているにも関わらず、ワシントンは、好まない成功した企業を破壊するために、非常に積極的で不誠実な国家主導のキャンペーンを進めてきた」

国際協力体制をささえる土台は信用
トランプ政権はファーウェイを封じ込めるため最低限必要な節度および基本的なモラルを失ってしまった
信用を犠牲にするようなMake America great againのやり方は最終的にアメリカ自身にとって不利益になるだろう

そんな中
アメリカの企業シノプシスなどの半導体EDA(回路自動設計)ソフト大手の中国事業が堅調
政府による制裁で大口顧客の華為技術(ファーウェイ)との取引は制限を受けているはず
浮かび上がるのは中国で別の顧客層が育ち補っている?

シノプシスの経営陣
「我々は(制裁と)どう共存するかを学び、中国では成長が続いている」

同業のケイデンス・デザイン・システムズも同様
20年1~3月期の中国向け売上高は$8380万と全社の13%
制裁を機にファーウェイとの取引を停止したはずが中国向けは開示を始めた18年1~3月期に比べ8割以上↑
EDAソフトは半導体の設計に欠かせないが世界市場はメンター・グラフィックスを含む米国3社による寡占状態
技術があまりに高度で新規参入が難しく中国でも代替メーカーが育っていない

ファーウェイは5G規格対応の通信機器の頭脳に当たる半導体チップを子会社の海思半導体(ハイシリコン)に開発させてきた
5/15の制裁強化を受けて台湾積体電路製造(TSMC)がチップ製造の新規受注を中止
そもそもハイシリコンの開発自体がEDAソフトの調達難で早晩行き詰まるとの見方もあった
ところがEDA3社は中国売上高が増えハイシリコンの開発が滞ったとも聞こえてこない
機械振興協会経済研究所の井上弘基首席研究員
「中国の地方政府がEDAソフトを大量購入していることに注目すべきだ」
中国では地方政府系の投資会社が半導体のファブレス(工場無し)メーカーの育成を進めている
その数は全土で500社弱
地方政府が高価なEDAソフトを購入し、これらの小さなファブレス会社に使わせる例が急増
ハイシリコン向けの販売減を補う存在に
「ハイシリコンが技術者を送れば、小さな会社でもハイシリコン並みの開発環境を再現できる」

・・・ただ、なんでもアリアリのかの国
ルールもクソもない相手では・・・

今日は~
コノフィツム レイポルディー/Conophytum leipoldtii
5月の連休に・・・だめだめと・・・
お安かったんで・・・
ほぼ赤玉単用だったんで植替え
礫多め・プラ鉢仕様に








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