2020年6月28日日曜日

今時 集団免疫の周辺

ぼや川より
おまたせと・女房がオレの・そばに来た
・・・待ってない・・・

2020/6/25インスブルック医科大学(Medical University of Innsbruck)の研究チーム発表
4/21〜27にイシュグルの人口の79%に当たる約480世帯の大人1259人と子ども214人を対象に検査を
その結果イシュグルの全人口の42.4%が新型ウイルスの抗体を持っていることが分かった
研究を率いたドロティ・フォンラール(Dorothee von Laer)氏
「イシュグルでは、これまで研究で明らかになった中で最も高い血清陽性率が確認された」
「イシュグルの住民が集団免疫を獲得したと結論付けるまではできなくとも、人口の大部分は(新型ウイルスに対する)防御力を持っているはずだ」
抗体保有者のうち新型コロナ陽性の診断を受けていたのはわずか15%
「85%は自分が感染したと気づいていなかった」
そのうち約半数は非常に軽症だったため風邪を引いただけと考えていた

・・・で、獲得したはずの抗体の陽性が陰性になったって話も
一般的に感染症に罹患し回復した人は一定の期間は感染しなくなることが多く、例えば麻しん(はしか)には一度罹ると生涯感染しないことが多いとされてる
一方、性感染症である梅毒は一度感染しても何度でも感染する感染症

・・・コワいですね~

新型コロナについては感染者に免疫ができるのか?
できるとしたらどれくらい持続するのか?
先日、中国から抗体は長期間持続しない可能性があるという報告が

スウェーデンは集団免疫を獲得することで流行を封じ込める方針
これは政府によるロックダウンなどの強力な介入は行わず、新型コロナに対する免疫を持つ人を増やすことで集団免疫を早期に確立させる
集団免疫とは集団の中に占める免疫を持つ人の割合を増やすことで
その集団の中で流行を起こさなくする

ある集団における感染症Aの流行を防ぐための免疫獲得者の割合(集団免疫率)は
基本再生産数(R0; 一人の感染者から平均何人にうつすか)から算出
集団免疫率(%)= (1-1/R0)×100
と計算されます
例え、麻しんではR0=12~18なので、91.7~94.5%の人が免疫を持つとその集団では流行しなくなる
つまり日本全体で94%の人が麻しんワクチン接種により免疫を持つようになれば日本国内では麻しんは流行しなくなる

新型コロナの基本再生産数R0はこちらの研究では2.24~3.58
計算式に当てはめれば55.4~72.1%の人が感染すればその集団では感染は広がらないということに
しかし、これはあくまでも新型コロナに感染すれば免疫ができる(=一度罹れば二度と感染しない」という前提に立った場合の話

新型コロナに罹った人が次に罹りにくくなるかどうかはまだ人では確認されてない
しかし、新型コロナウイルスに感染させたアカゲザルは次には新型コロナウイルスに感染しないという動物実験があり
ヒトでも少なくとも特定の期間は免疫ができるのではないか?と推測されてる
ではどのくらいの期間免疫が持続するのか?
中国から急性期(呼吸器検体からウイルスが検出される時期)と回復期(退院から8週後)の抗体に関する報告がnature medicine誌に

抗体とは生体の免疫反応によって体内で作られるものであり
微生物などの異物に攻撃する武器の一つ
抗体の量が高ければ高い方がその病原体に対する抵抗力があることになるので
免疫の一つの指標に
今回報告された研究は無症候性感染者37名と有症状者37名の急性期・回復期それぞれの抗体価(抗体の量)を比較したもの
これによると無症候性感染者も有症状者も新型コロナ患者では回復期にはすでに抗体が低下し始めている
つまり感染によって作られた抗体が発症から数カ月後には低下する
これは抗体の量だけではなく中和活性という実際の抗ウイルス効果も同時に減衰することが確かめられています
・・・量も減り、質も劣化
数ヶ月で抗体が減衰するというのは他の感染症と比較してもかなり早いタイミング
例えばA型肝炎やEBウイルス感染症など一度感染するとIgG抗体は生涯陽性になるものもあります
しかし新型コロナでは回復期(退院から8週後)には無症候性感染者の40%
有症状者の12.9%でIgG抗体が陰性になる
もう一点重要な点として
新型コロナから感染して回復した人がどれくらいいるのか
これまでは抗体測定によって評価できると考えられてた
が、抗体が早期に低下する人が一定の割合でいるとなると、どうやって既感染者を評価すればよいのか???
報道であるような 東京で0.1%が抗体陽性 というような評価方法は、一度抗体が陽性になった人は長期間陽性が続くことを前提としていた
実は 現時点で抗体がある人 だけを拾っているだけで感染後時間経過とともに抗体が低下した人は拾えなくなる可能性
今後は既感染者を検出するためのより良い指標が必要
これらの抗体が陰性になった症例は再び新型コロナに感染する?
これに関してはまだ何とも
抗体というのはヒトの免疫のうち”液性免疫”という免疫を見るための指標
ただ、ヒトの免疫には”液性免疫”だけでなく”細胞性免疫”というものもあり
”液性免疫””の指標である抗体は免疫の一部分を見ているに過ぎない
また一度感染すると次にウイルスに暴露した際に”メモリー細胞”から急速かつ大量の抗体が産生されることで発症を防ぐ”既往抗体反応(anamnestic immune response)”が起こることも前述のアカゲザルの実験で確認されてる

・・・え~っと
なんGくらい?

新型コロナにおいても一定の期間内の再感染であれば、抗体が陰性になっていたとしてもこの既往抗体反応が働き発症を防ぐことができるかも・・・

今回の研究結果によって抗体が早期に低下し、中には陰性になる事例があるからといって⇒集団免疫むりぽ とは言えない

もし今後、実際に再感染した事例が報告されれば、抗体価の低下と再感染のリスクが相関すると言えるかも
そうなると集団免疫の実現は・・・

なお、ヒトに感染するコロナウイルスとして以前から知られていたヒトコロナウイルスは
一度感染しても再感染することが知られており
これは抗体が早期に減少するためと考えられてる
しかし再感染時にはウイルス排出期間が短くなったり、症状が軽減されるみたい
ヒトが何度も新型コロナウイルスに感染するということになれば
感染するたびに徐々に病原性は軽減され
将来的には風邪の病原体の一つとしてヒトや動物の間を循環するようになるかも

・・・この循環の間に強力なのが・・・

今の”コロナと共存する生活”が私たちにとって暫定的なものなのか
恒常的なものとして受け入れなければいけないのかは?
いずれにしても今の段階で私たちにできることは
三密を避ける
こまめに手洗いをする
など個人にできる感染対策を地道に続けるしかない

新型コロナワクチン開発が争いの具になってる
これアリ?

今日も~
スズラン/Convallaria majalis var keiskei
5月はじめ
奥ゆかしい控え目なコ
横のコゴミは胃の中に

0 件のコメント:

コメントを投稿