2023年11月10日金曜日

商売上手?な中国

2023/11/6アメリカ南部バージニア州にある名門公立大学、ウィリアム・アンド・メアリー校のエイドデータ研究所
中国による途上国への融資の実態を分析した最新の報告書を公表

チームを率いるブラッド・パークス所長
グローバル経済における中国融資の存在感が桁外れに大きいと
「中国は毎年、低・中所得国に$750億~$1000億の融資をしており、融資総額はアメリカをも上回る世界最大の公的債権者なのだ」
調査対象は、中国が22年間にわたって165の低中所得国に融資などを行ってきた2万を超えるプロジェクト
途上国が中国と結んだ融資の契約書や途上国の政府高官など数千人への聞き取りをもとに、およそ400Pにわたってその実態を克明に記録
明らかになったのは、中国による融資の規模とスピード
世界銀行や西側諸国は、これまで多くの途上国が債務危機に陥り、救済策として借金の棒引きを行った経験を踏まえ、途上国融資に慎重になっていたと
一方の中国は、その穴を埋めるように、外貨準備として抱える巨額の$資金をもとに、大規模な融資を素早く行ってた
融資の審査で、お役所仕事や面倒な手間をできるだけ省いて迅速なプロジェクトの実行を支援
このため中国が資金を提供したインフラ事業は、平均わずか2.7年で完了した
世界銀行などが融資した同様のプロジェクトは完了までに通常、5年~10年掛かっている
短期間でインフラを整備でき、経済成長や国民からの支持拡大につながるインフラ事業の実現は、途上国の政権にとってはアリガタイ
エイドデータ研究所が行った聞き取り調査では途上国の政府高官などが
インフラ事業への中国の協力を強く希望している

中国はこうして世界最大の債権国にのぼり詰め、途上国への融資の残高は、元本だけで少なくとも$1兆1000億
しかし待っていたのは、途上国の返済が滞るという現実
全体の融資のうち55%が2023年には返済期限を迎え
その割合は2030年には75%にのぼるとも推計される
期限を迎えても返済が滞る額は急増
スピード融資の代償として貸した金が返ってこないという深刻な事態に

今回のエイドデータ研究所が明らかにしたのは
巨額の融資を行いながら返済が滞った“失敗”を教訓に
中国が危機管理能力を高め融資のあり方を根本から変貌させた

① 秘密の専用口座を設定
その手段の1つとして2国間の融資で、中国が途上国と秘密裏に結ぶ独自の契約が判明
融資の返済が滞った場合、中国だけが途上国の専用口座から担保の現金を強制的に引き出せる契約
すべての債権者の中で中国が優先して返済を受けるため
この専用口座には、融資額全体の5%から10%が預金されている
中国が一度引き出してしまえば預金が底をついてしまう
そこで中国はバックアップ口座を用意
預金がなくなった場合には途上国のインフラ事業から生み出される収益が入るバックアップ口座から、自動的に専用口座へ現金が補填される仕組み

② 罰則金利 3倍近くに引き上げ
返済が遅れた国への罰則を強化していて
2017年までの4年間は上限が3%だったのに対して、2021年までの4年間は8.7%と3倍近くに引きあげていた

中国の途上国の融資をめぐっては、多額の債務を返済できない場合、港湾施設など重要なインフラの権益の譲渡を迫る債務のわながよく指摘されるが
こうしたインフラ施設はすぐに現金化するのが難しい流動性が低い資産
今回、明らかになった専用口座の存在と、バックアップで現金が補填される仕組みは
中国が融資の回収を確実にできるという点において債務のわなより、はるかに巧妙

パークス所長
「途上国が一度債務の返済を滞らせれば、今後も同じことが繰り返されることは容易に想像がつく。そこで、中国は、期日通りの返済を確保しているのだ。巧妙で洗練されたさまざまな防御網をはりめぐらしている」

こうした契約の実態をエイドデータ研究所は主に途上国の財務省の債務情報から突き止めたとしています
契約には厳密な守秘義務があるため他の債権国には分からないようになっている

中国側からすれば“正論”
中国側からすれば、経済成長を支援するため、資金が欲しい国に迅速に出すこと
そして拠出が早い分、金利を高めに設定したり、遅れた場合には罰則金利を取ったりしていることの何が問題なの?
自国優先で債務の返済をさせているとすれば透明性の観点からは問題
しかし確実に資金を回収できるよう契約に基づき、専用口座を設けているのは金を貸す側の論理でいえば”正論”

中国政府のアドバイザーを務めるシンクタンク全球化智庫の王輝耀理事長
「一帯一路プロジェクトは、共同協議と共同建設であり、中国とプロジェクトを進める国の双方が協議し、合意して署名したもので、誰かが強制したというものではない。中には、個別のプロジェクトで、計画が野心的すぎた可能性があるものもあるかもしれないが、これは非常にまれな現象であり、一帯一路は、大多数の途上国から歓迎されている。中国に対する国際社会の理解は不十分で、少し誇張され、誤った判断があると感じる。一帯一路は、中国のイニシアチブであると同時に、世界が共有すべき公共財だ」

多くの債権者が関わる途上国の債務問題の解決にあたっては
交渉の過程を透明にし全ての関係者が同じ条件で債務負担の軽減に取り組むことが不可欠?
2020/11中国も加盟するG20は、すべての債権国が同等の条件で債務の再編に応じ
公平に負担を分担することで原則合意
しかし今回の報告書で浮かび上がったのは中国が単独で進める戦略

パークス所長
「西側各国は、協調して債務危機をできるだけ早く解決しようと中国に呼びかけているが、馬の耳に念仏だ。中国政府は、『我が道をいく』ことでこの危機を乗り越えようとしている」

債務を再編する交渉への参加にあたっては債権者が平等な立場であるとの保証がない限り債権者は消極的に

一方、世界最大の債権国、中国を抜きに途上国を救済することはできないのが現実
中国流“金融道”の姿を冷静に見極めつつ、国際機関や日本を含む先進国が粘り強く中国を巻き込み、途上国の借金を減らしていくという難題が・・・

・・・イロイロ言ってもムリ
やるなら、中国を完全ボッチにして
中国のスリ寄りたいトコは無視
様々な結果になるだうけど最終的にはキビしい状態に
そうでないトコに銭・技術etcなどの資源を集中
・・・
ただ、銭の匂いにツられて裏をかくトコが必ずでてくる
もう目に見えるよう・・・

今日は~
アラゲクジャク/ Adiantum hispidulum

画は11月はじめ
新葉
ちょっと前までは、うっすらピンクだった
まあ亜熱帯出身なんで
今、でてきてもオカシクナイんだけど・・・

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