2023年11月12日日曜日

今のアメリカECコマース

2022/9にボストンで創業した中国発の激安マーケットプレース、ティームーがアメリカで大きな話題
ティームーの親会社は中国のEコマース企業PDDホールディングス(前Pinduoduo)
億万長者のコリン・ホワン氏が株式の28%を保有
ファッションからホーム用品、家電まで何でも取り扱い、年商$190億、月間アクティブユーザー数は7億4,000万人と見られている
アメリカではアプリダウンロード数第一位が7か月継続し、6月時点で総ダウンロード数は7,000万

中国系激安サイトと言えば、ファストファッションサイトとしてアメリカを瞬く間に制覇し現在アメリカのファストファッション市場シェア、ナンバー1と推定されるシーインが先行しているが、同社でもダウンロード数5,000万に達するのには3年かかったと言われている
しかしブルームバーグは、ティームーの5月のアメリカ内売上はシーインより20%高かったと報道
ティームーは5年以内にアメリカで年商$300億ドルの年商を目指している?

シーインは衣料品やファッションアイテムは同様の値段だが他のカテゴリーは取り扱い幅が狭く、家電類も若干扱うがビューティやアロマ等ファッション系に限られている
方ティームーは、ファッション、ホーム用品、玩具、ゲーム、家電、クラフトアート、自動車部品と取り扱い領域が幅広い
価格はレディスのジャケットが$8.67、サングラスが$2.57、30個セットの指輪が$4.19、ポータブルワイヤレススピーカー$3.98、自動ロボット掃除機が$13.89、といったようにアメリカ内のどのリテーラーで買うよりも安い
代わりに配送には時間がかかり、スタンダード配送は8~25営業日だが無料
エクスプレスは送料$12.90($129以上は無料)で日数は購入時点でわかる仕組み

ティームーは短期間に市場開拓を果たすため、大盤振る舞いなアフィリエートプログラムとインフルエンサープログラムを持ち
前者ではティームーの商品をSNSでシェア、推奨してそれが売れるとコミッション20%を得られ、新たなユーザー開拓の場合は自分の購入商品は50%オフになり、最大月額$15万の現金を獲得できる
後者ではインフルエンサーになれば最大$300、隔月最大$1,000相当の商品を獲得できる

・・・へ!

この採算度外視のマーケティング投資による急成長戦略は当然ながら当局の目に留まり
6/22米中経済競争を監視する上院委員会は以前から目をつけていたシーインとティームーによる輸入法違反の可能性を示す報告書を発表
1件は輸入関税に関わるもので
アメリカでは個人に直接配送する場合1配送品当り$800以下の場合は免税となるが、両社はこれを利用して昨年一日当り60万件以上を輸入
違反総額は推定でティームーが$1,000億、シーインは$640億

・・・桁が違う

もう1つはウイグル強制労働問題
シーインはウイグル地区にある工場で製品を製造しており
ティームーはウイグル強制労働防止法へのコンプライアンスを行っていない、と報告されている
ティームーはサプライヤーに対し、強制労働による製品をアメリカに輸出しないよう申し渡しているが
これを監視する具体的な措置を取っていない点が問題視されている

メディア、CNBCの取材に対し、両社ともアメリカの法律に準じた輸入を行っていると答えているが、現在も両社に対する調査は続いている

メディア、ワイヤードが社内の人間に確認したところ
ティームーのサプライチェーンコストを推計すると、アメリカ市場に切り込むために1オーダー当り平均3$0の損失を生んでいると
前述のマーケティングコストも入れるとチャイナマーチャンツセキュリティーズ社の試算では今年$5~$9億の損失を生むのではないかと

・・・すっげえ~

両社とも収益面でサステナブルなのかどうか、足元の赤字をそう短期間に逆転できるのか?
両社を分析する識者たちはまだ時期尚早でわからないと締めくくっているが
アメリカの若い消費者が反応していることは確か

・・・そりゃ、そうだ

両社はティックトックともよく比較されるが、ティックトックは前政権がアメリカ市場からの締め出しを試みたものの
現時点では消費者にとっても企業にとっても当たり前のように利用され、企業においてはマーケティング上重要なメディアとなっている
コロナに次ぐインフレ、年々極端になる異常気象現象の中、若い世代は将来に不安を持ち
健康には投資するがファッションや家具は率先して中古品の再販市場で調達している
そのような中で豊富な品揃えでここまで安く買えるという体験に人気が集まるのは、やはりそこに消費者の飢えが存在するからだろう
両社のビジネスモデルの是非はさておき、超インフレを言い訳に値上げが続いたアメリカ企業側からも新たなイノベーションが出ることを願いたい

ロイター通信は7/6ティームーが日本に出荷を始めたと・・・

・・・どしよ

6/21に連邦取引委員会(FTC)はアマゾンのプライム会員登録について
ダークパターンとして知られている操作的、強制的、欺瞞的インターフェースデザインを使っている
アマゾンは同意なしにトリックや罠を使って人々を会員制度に登録させている
としてシアトルの連邦裁判所に苦情を申し立てた
他にもアレクサが不適切に子供の声を収録していた件、防犯デバイスのリング・ビデオドアベルでの収録画像を従業員が見ることを許可していた件でFTCは提訴
アマゾンは今年5月に$3,080万を支払って和解したばか
この件についてアマゾン
「当社はアレクサとリングに関するFTCのクレームや違法であるという指摘について反論するが、この和解によって本件を終了とする」
「和解の一部として、親や後見人が選択しない限り18か月以上活動の無い子供のプロフィールは削除する」
ちなみに子供のプライバシー保護のため、アマゾンは親やユーザーが録音音声や位置情報を削除できる機能を提供しているが
アレクサのアルゴリズムを改善するためにそれらの情報を数年間保管していたことが問題となった
リングのケースも同様に、プライバシー保護の対応が皆無だったわけではないが
FTCがより厳しい条件を求め、それにアマゾンが屈した形
これらは2021/3にFTCが開始したアマゾンへの調査の一環
6/29にはブルームバーグがFTCは反トラスト法(独占禁止法)違反でアマゾンを近いうちに提訴する見通しだと報道
2021/6にFTC委員長に就任したリサ・カーン氏
学生時代の2017年にアマゾンを反トラスト法違反で規制すべきだという論文を発表しており、徹底的にアマゾンを追及する構え

Eマーケターの今年6月の調査
全米18歳以上のプライム会員制度のユーザーは2022年に1億6830万人、全米人口の64.0%
今年は65.9%に上昇すると予測している
アメリカ生活の中で一度プライム会員になってしまうと、何か必要な時、欲しい時には必ずアマゾンを検索し、多くの場合そのまま購入してしまう

しかしアマゾンが独走していた時代はもう終わった、という実感も
アマゾンは良くも悪くもエブリシングストア(なんでもある店)なので
例えば洗剤でもプロ仕様のバスタブ洗剤ならホームデポが圧倒的に安い
トイレットペーパーや一般的な日用消耗品はやはりウォルマート
高品質な肉ならコストコ
衣料品はそれぞれのブランドで旬のデザインを、といったように商品にこだわっていくなら他社のオンラインストアの方が欲しいものが手に入る
ウォルマート会員制度を始め、大手チェーンストアは無料配送特典付きの会員制度をもっと安い価格か無料で提供している

コアサイトリサーチ社の今年4月の調査
プライム会員の60%は過去12か月間に1度以上ウォルマートのネットスーパーを利用
55%はアマゾンのサイトまたはアマゾンフレッシュで食品を購入
14%弱がホールフーズで購入している
今年3月プライム会員の無料送料特典については改正があり、食品購入については1回あたり$150以上買わないと送料が発生するようになった
長引くインフレが追い風となり、プライム会員が他社でも買い物に流れつつある
これが固定化したり食品以外にも広がったら、さすがのプライム会員制度にも離脱者が増える可能性が

アマゾンがネットスーパー無料配送最低価格を値上げせざるを得なかったのはラストマイル配送のコストの高さ
ウォルマート他チェーンストアには店舗網という強みがあるので顧客に無料店舗ピックアップを提供したり、ラストマイル配送のコストも最小限にできる
アマゾンはスピード配送力では勝っても、顧客に近い拠点で数千単位のフルフィルメント拠点を持っていないためコスト管理面で苦慮し始めているということだろう
それゆえ同社は現在小型FCの拡大に力を入れ、向こう数年間で少なくとも150か所開設するだろうと倉庫調査及びコンサルティング企業MWPVL社は分析している

トップラインの数字だけを見ているとアマゾンマーケットプレースは成長率が一桁台に落ちてきたとは言え、まだ伸びていきそうに見える
しかしウォルマートに限らず、チェーンストア勢がオムニチャネル戦略で力をつけてきた今後
今までのような一人相撲とはならないであろうことが、消費者の目には明らかだし、データにも少しずつ現れてきている
この状況下でFTCからプライム会員制度の在り方をつつかれたのは、アマゾン・エコシステムにとってはそれなりの痛手になる可能性も

・・・アマゾン一強も・・・

ついで

ラスベガスに6月に開業したジ・アフターマーケッ(370㎡)はミニスーパーマーケットとフードバンクが一体化したハイブリッドなスーパーマーケット
面積の80%が通常の小売販売、20%がフードバンク
フードバンクの商品は写真付き身分証明書を提示すれば誰でも無料でもらえる
小売スペース側では食品しか販売していないが生鮮食品も購入できる

店舗があるのはラスベガスのネリス空軍基地の近くで、最寄りのスーパーマーケットまで6マイルも離れた食品砂漠の地区
同店舗を開発し運営するのはドゥエイン・マッコイ氏が牧師を務めるファンデーション・クリスチャン・センター
マッコイ氏は大手スーパーマーケット、ビグリーウィグリーおよびフードバンクでの職歴を生かして、地域の人々の役に立つ店舗として同店を開業
同地区局長のマリリン・カークパトリック氏の協力により開業資金の一部にグラントを受けている
フードバンク部門の食品は製品の寄付以外に寄付金を募って経営
少なくとも近隣1,000世帯が利用すると見られている
マッコイ氏は、フードバンクは列に並ばなければならない点を指摘し
「アフターマーケットでは、列に並ぶ恥ずかしさを排除し、人々の尊厳が回復できる場所だ」

・・・スーパーとフードバンクが合体するとは・・・

今日は~
ディスコレア エレファンティペス/Dioscorea elephantipes

11月はじめ
新芽が伸び
ハッパも
さて、どこまで伸びる?
玉は荒く、ゴツくラシくなってる

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