2023年4月16日日曜日

アメリカ・中国 麻薬戦争?

麻薬中毒が深刻な社会問題に浮上したアメリカで、最近フェンタニルを超える新しい麻薬が
極少量でも死亡するおそれもあり死の麻薬と呼ばれるフェンタニルに動物鎮静剤キシラジンを混合した変種麻薬でFAAXと呼ばれている

ホワイトハウスは最近、アヘン系鎮痛剤(オピオイド)フェンタニルとキシラジンを混合して使用するものを新種の脅威に指定
トランク(Tranq)と呼ばれるキシラジンは牛や馬などを手術する時に使用される鎮静剤
食品医薬品局(FDA)の承認を受けている
キシラジンを過多服用する場合、呼吸と心拍数の鈍化、錯乱、低体温症などの症状が表れる
人に使用する場合、身体に潰瘍や膿瘍が生じて、切断が必要な深刻な損傷が表れることも

フェンタニルは強力な鎮痛剤であるだけに耐性と依存性も速い
キシラジンの場合、フェンタニルの効果を2倍ほど長く持続させる
最近は麻薬中毒者の間で広まっている

キシラジン混合物が特に問題になるのは、現在フェンタニル解毒剤として使用されているナルカン(成分名ナロキソン)の効果がないと伝えられたから
フェンタニルのようなオピオイド系薬物を過多服用すれば呼吸が遅くなり呼吸停止にいたることもあるが
この時にナロキソンでオピオイド効果を逆転させて正常呼吸に回復させる
しかしキシラジンの場合、ナロキソンの効果がなく回復を難しくすることも
またキシラジン禁断症状などに対する適切な治療法もなく、誤・乱用問題をさらに悪化させる
国家薬物管理政策局(ONDCP)のグプタ局長
「今回の宣言を通じて不法なキシラジンとフェンタニルの生産者、密売者に我々が迅速に対応するという明確なメッセージを送ったと考える」
「こうした麻薬供給の進化という挑戦に対応し、何よりも生命を守るために総力をあげる」

で、そのフェンタニルの生産者、密売者
ちょっと古い記事

違法薬物の発送には国際郵便が便利
2019/7郵政公社検査局のゲーリー・バークスデール局長
「郵送による違法薬物の流入を止めること。それが最優先の課題だ」

フェンタニルやその同類の違法薬物のアメリカへの主たる供給源は中国だと・・・
2018/10アメリカ国土安全保障調査部(HSI)国内捜査部門のマシュー・アレン氏
フェンタニル1kgの仕入れ価格は中国国内ではおよそ$3000~$5000だが
それをアメリカで売りさばけば$150万以上

20219/7アメリカ麻薬取締局(DEA)の北アメリカ大陸担当者マシュー・ドナヒュー氏
中国のフェンタニル製造業者がアメリカ政府の監視をかいくぐるため
いったんメキシコやカナダ、カリブ海諸国に送り、そこから郵便でアメリカに発送していると
中国から直送するより怪しまれないから

HSIのアレン
中国政府に規制の徹底を求めても無駄だと
今の中国には合法・非合法を合わせて16万以上の薬物製造業者が
中国は2019/4国内でフェンタニル類を危険薬物に指定し、規制対象にすると発表
今後はDEAと中国側が協力して取り締まりに当たれる?
違法薬物の製造や密輸にはたいてい犯罪組織が絡んでおり
中国政府は、組織犯罪や地方レベルの汚職に対する集中捜査で1000以上の組織と3000人以上のメンバーを摘発したと
中国の犯罪組織は古くからアメリカに根を下ろしている
1960年代以降は政府による組織犯罪対策が強化され、いわゆる組織犯罪取締法(RICO)によって、1985~94年だけで15の中国系マフィアが摘発された
しかし2019/8アメリカ財務省の外国資産管理局(OFAC)と金融犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)は違法薬物密売絡みの犯罪組織の首謀者として、いくつかの中国企業と個人名を公表
その中に、2017年にミシシッピ州で起訴された顔暁兵(イェン・シアオピン)がいる
彼はメキシコ湾に面した同州ガルフポートに工場を所有し、フェンタニルをはじめとする違法薬物を製造していたと
少なくとも6年にわたって複数の偽名や会社名を用い、インターネットなどを通じてアメリカ国民に直接売りさばき、中国国内でも2つの違法な薬品工場を操業していたと
2019当時の彼は中国にいて、中国側が彼を逮捕する気配はない
ちなみにアメリカと中国は容疑者の身柄引渡協定を結んでいない

アメリカのDEAに相当する中国国家禁毒委員会の于海斌(ユイ・ハイピン)副主任
「アメリカが中国人民を一方的に起訴したので、こちらの調査は難しくなった」
彼の起訴後に、于はアメリカメディアの取材に答え
「中国の法律に違反したことを示す決定的な証拠がない」
「アメリカ側も証拠を示していない。これでは(顔も、もう1人の首謀者とされる張建〔チアン・チエン〕も)起訴したり逮捕したりできない」

それでもアメリカ司法省は、中国側も捜査に協力しているとの認識
元DEA幹部のマイケル・ビジル氏
「向こうも頑張っている」
「ただし(違法薬物を)止めるだけの資金も人材もない。こっちも同じだがね」
ビジルは犯罪捜査への協力で上海市当局から表彰されており、自身も中国側の対応を高く評価している
しかしフェンタニル、そして覚醒剤の1つであるメタンフェタミン(どちらもアジア諸国に密輸されている)の製造を中国側が撲滅できるとは思っていない
アジアの最大市場はタイ
国連の調べでは、アジアで押収されるメタンフェタミンの半分以上はタイ国内で見つかっている
日本の違法薬物市場はアメリカの足元にも及ばない
しかし戦後にアメリカ軍の備蓄品が民間に横流しされて以来
メタンフェタミンは日本社会に確実に根を下ろしている

2015年 スウェーデン安全保障・開発政策研究所のバート・エドストローム氏の論文
忘れられた成功物語――日本とメタンフェタミン問題
では日本では過去に覚醒剤の大流行が3度起きている

2017年の関西医科大学の研究チームによる報告書
日本における薬物依存症の新タイプの増加危機
インターネット経由で匿名性の高い売買が可能になったことで、違法薬物の使用は増加傾向にあると
今や日本と韓国は中国製メタンフェタミンの主要密輸先だと、国連も指摘

元DEA幹部のマイケル・ビジル氏
「取り締まれるわけがない」
「中国全土に40万もの製造元と販売元が存在するのに、当局の捜査員はわずか2000人だ」

DEAの捜査官だったジェフリー・ヒギンズ氏
「中国国内でのフェンタニル製造については、完全に政府に責任がある」
「中国が薬物を問題視するのは乱用が自国の経済に打撃を与えるか、体制を揺るがしかねない場合のみ。今はそのどちらでもない」
違法薬物は中国政府にとってうまみがある
アメリカが摘発に力を入れれば、それだけアメリカ経済が疲弊
一方で中国の麻薬産業は推定$340億規模の国際市場で過半数のシェアを維持
「ヨーロッパ・アメリカ諸国を助けるのは戦略的にばかげている......ドル箱の産業をつぶすわけがない」

この中国政府黒幕説は1971年段階でも、中国政府が麻薬の密輸に関与している疑いはあった
しかし当時、国際麻薬統制のための大統領内閣委員会に提出された資料を読めば
アメリカ政府は中国が麻薬の製造・密輸に関わっていることを示す明確な証拠をつかんでおらず
ベトナム戦争に従軍したアメリカ兵に中国がヘロインを供給したとする報告を陰謀説として切り捨てていた
また世界に流通するヘロインの75%が中国政府の指揮下で製造されているとするイギリス政府の指摘も退けた

それでも今の中国政府は摘発に前向?
2018/12、20カ国・地域(G20)首脳会議でドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席が会談した数日後に発表された議会調査局の報告書
中国はアメリカの要請に応え、フェンタニルなどを含む170種類の向精神薬に規制をかけ、フェンタニルの製造に使われる化学物質NPPとANPPも規制対象に加えたと
2019/1国営新華社通信
メタンフェタミンのゴッドファーザーとも呼ばれる蔡東家(ツァイ・トンチア)の死刑が執行されたと
蔡は広東省陸豊市博社村の共産党支部書記だったが、その村では中国国内で製造されるメタンフェタミンの実に3分の1が造られていたと

2016/7に発表されたアメリカ中国経済・安保検討委員会の報告書
アメリカで消費されるメタンフェタミンのうち90%は、今もメキシコの麻薬カルテルが製造
しかし、原料となる化学物質の80%は中国製

2019/11/7河北省でフェンタニルを製造、密輸した罪で9人が有罪判決を受け、そのうち1人は死刑を宣告された
この摘発はアメリカ・中国当局の共同捜査の成果だった

2019年 DEAは北京と上海に加えて広州にも支部を設置
しかし、フェンタニルとの戦いの最前線は双方の郵便サービス
国営中国郵政は協定により、アメリカ宛ての荷物に関する電子データを全てアメリカ郵政公社に開示することになっている
米郵政公社の捜査官はハーグのヨーロッパ警察機関ユーロポールとも連携
事前警告付きで中国から発送される荷物は2017/10の32%から、2019/5には85%まで増加
ただし差出人の追跡は難しい
差出人の情報は故意に割愛されたり、あるいは不正確だったりする

元DEA捜査官ヒギンスは中国側の対応を信用していない
中国の公式統計は信頼できないと指摘
「中国がヨ-ロッパ。アメリカのために一肌脱ぐと期待するのは見当違いだ」
「何年も前から、アメリカはオピオイドの蔓延に手を焼き、中国に協力を要請してきた。しかし中国政府には、初めから協力する気がないのだ」

元DEA幹部のマイケル・ビジル氏
中国当局が本気で製造工場の摘発に乗り出しても、それで密輸を根絶できるとは考え難い
フェンタニルにせよメタンフェタミンにせよ製造業者は違法薬物の前駆物質を第三国に送り出している証拠が見つかっている
その第三国とは今まではメキシコだったが、今後はアジア諸国に近いインドになる可能性が高い
「フェンタニルはいずれ日本に上陸する。日本は経済大国で、日本人は金を持っている。中国人に限らず、密輸業者なら誰だって狙っているはずだ」

・・・厚生労働省さん
ガンバって

今日は~
キロスキスタ パリシー/Chiloschista parishii

先日、来たコ
保水優先で
ヘゴ丸太に着けた
上下にコケも
根で光合成をするんで
根は保護せず丸出しでシュロ縄で縛る
今は朝晩、水やり
できたら1/日の水やりにしたい・・・
3本あった花茎は2本カットして1本に

よくワかんないのは
売ってるコが木の板や、穴の開いたプラ板に着けている
これ、絶対渇きやすい
???
おそらく
輸出元が高湿度で育ててる?
ソレをそのまま売っている

2023/4/22
修正

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