2023年4月21日金曜日

金と暗号資産、同時上昇

最近の市場は、不安に満ちている
アメリカ中堅銀行3行の破綻がクレディ・スイスに飛び火した後
懸念はさらに広い市場に波及
特に取りざたされているの、商業用不動産
アメリカでは、平均空室率が16%(2023年第1四半期)まで上昇
また銀行の劣後債やCoCo債(偶発転換債)などのハイブリッド債や、企業の発行する劣後債等もスプレッドが拡大
・・・こんなん作るから
メンドウになり打撃がデカく・・・

ソフトバンク・グループが4/14に条件を決定した期間35年の劣後債(5年後に早期償還が可能)は利回りが4.75%と、前回21年6月に発行したときから2%ポイント高い

で、市場は近年の常識とは異なる動きを見せている。金と暗号資産の同時高
暗号資産は、この数年、リスクオンの時にナスダックなど高リスクの株式市場とともに上昇する傾向だった
このため自然と金とは逆相関になっていた
ところが3月の金融混乱以降、現在4/17までの金とビットコインの日次の価格の相関係数は0.92と極めて高くなっている
昨年の同時期はマイナス0.6程度と逆相関だった

金の価格は、昨年後半から約6割上昇
現在$2000/オンスという水準から、さらに$3000/オンスを目指すという強気の見方も
これは主にインフレの進行や、今後のアメリカ債務上限問題(⇒デフォルト?)の懸念など政治的な要因から、中央銀行の購入額が増加していることが背景に
金は、それ自体で収益は生まない
有限な資源であるため、その価値が信じられている限り、価格はコンスタントに上昇
反面、保管コストがかかるためインカムゲインは基本的にはマイナス
それでも価格が大きく変動することがあるのは他の資産の下落リスク等がこうした保管コストを上回る場合等
しかしインフレもやや沈静化しつつある今、そうした要因だけでは今年3月以降の金価格の急騰と、それと並行して進む暗号資産の価格上昇は?
ビットコインは今年の年初来の上昇率が約80%で、3月の金融混乱以降だけでも約3割上昇
主要金融商品の中でも年初来の上昇率は圧倒的に高く、昨年6月の暗号資産レンディング会社セルシウスの破綻前の水準まで戻っている
暗号資産市場固有の良いニュースがあるのかというと、それは無い

規制に関しては、昨年のFTXの破綻以降、暗号資産の規制強化の必要性が様々な国で議論されている
アメリカ当局は、暗号資産会社の創業者を相次いで告訴
セキュリティ面では、韓国の中小暗号資産取引所GⅮACが、今月10日に不正流出事件で預かり資産総額の23%を失った
では、金と暗号資産が同時に上昇するのは?
景気に不安がある場合の資金の行き先は金よりもまず、金利収益が稼げる国債
特に世界最大市場を誇るアメリカ国債については年内にも利下げに向かう可能性があると市場はみている
ならば金融混乱によるリスクオフの行動はアメリカ国債買いでよさそうなものだ
しかし現在アメリカは、債務上限問題で揺れている
同じことの繰り返しと高をくくる声が多い一方で
格下げリスクを懸念する声も
€圏はインフレ抑制に手間取っており依然として利上げの最終到達点が見えない
日本も日銀のYCC修正の有無が市場の焦点となっており先行きが読みにくい
このように先進諸国の国債市場は、足元ではリスク回避の受け皿にはなりにくい

今後については何らかの金融ショックが発生する可能性も
過去30年間を見てみるとアメリカの大幅な利上げの後は
多くの場合、金融ショックに見舞われている
一時期はノーランディングなどとして、利上げを行っても米国の景気は冷めないという強気の見方もあった
だが3月の金融混乱以降、風景は一変
こうしたショック・シナリオでは、コロナ対応で膨らんだ債務を抱えるソブリン(国債)も影響を受けうる
そこで国債の代わりに選ばれているのが、法定通貨に対するアンチテーゼでもある金と暗号資産なのかも

金も暗号資産も、過去のショックに極めて強かった実績がある
リーマンショックの前後、2007年~2009年にかけて、金価格は約2倍に
暗号資産については、ビットコインの運用開始が2009年なので、グローバルなショックへの耐性は?
しかし、やや小ぶりながらキプロスのソブリン危機の2013年の春には、危機勃発から3か月でビットコインの価格が3.7倍に

金も暗号資産も株式市場等に比べて市場規模は小さい
従って、ショック・シナリオを前提とした動きがあるとしても、今のところ世界の金融市場全体からすればごく一部の話
このような動きが広がるのかどうか・・・

・・・決定的な違い
暗号資産は電気が無ければ・・・
金は現物なら電気は関係ない
あと確実に消費され、無いと困る
最近、仕事でモロ、貴金属の高騰?枯渇?の影響を受けた
カンベンしてほしい・・・

今日も~
ヒカゲツツジ/ Rhododendron keiskei

4月はじめ
室から夏の定位置へ移送途中

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