2022年11月27日日曜日

潜水に適した体への進化

インドネシアの島々に暮らす先住民バジャウ(Bajau)族
彼らは”海の遊牧民(Sea Nomads)”と称されるように、素潜りを得意としており、潜水によって食料や天然資源を採集しながら生活
一般人なら水中で息を止めていられるのは長くても2〜3分
バジャウ族は水深70mまで軽々と潜り、15分以上も呼吸を止められる
2018年デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)のメリッサ・イラード(Melissa Ilardo)氏
バジャウ族の人体と遺伝子サンプルを調査
その結果、民族全体が遺伝的に潜水に適した体へと進化していた
ヒトが水中生活に遺伝適応したことを示す世界初の事例

ヒトは誰でも、冷たい水中に体を浸すと自動的に潜水反応が起こる
これは心拍数が低下し、血管や脾臓(ひぞう)が収縮する反応
この脾臓が収縮することで酸素を含んだ赤血球が血中に放出され、体内の酸素量が最大9%も増加、水中環境で長く息を止められるようになる
つまり、脾臓が大きいほど、水中に長く潜水できると考えられる
動物研究でも、ほとんどの時間を水中で過ごす南極のウェッデルアザラシは、他の臓器に比べて、脾臓が不釣り合いに大きいことがわかっている

メリッサ・イラード(Melissa Ilardo)氏は潜水を得意とするバジャウ族にも脾臓に何らかの変化が起きているのではないかと考え、現地に赴いて調査をすることに
イラード氏は、インドネシア中部スラウェシ州に属するジャヤ・バクティ(Jaya Bakti)を訪問
バジャウの人々と数カ月生活をともにして信頼を築き仲を深めた後、本格的な調査を開始
ポータブル超音波画像診断装置でバジャウ族の脾臓を撮影
唾液検査キットでDNAサンプルを採取し分析
またイラード氏はバジャウ族と遺伝的に近いが、陸上生活者である近隣のサルアン(Saluan)族の人々からも同様のデータを集めた

結果、バジャウ族の人々の脾臓は、サルアン族に比べ平均して50%も大きいことが判明
そしてバジャウ族の脾臓の肥大化は、日常的な潜水者だけでなく潜水をしない人々でも確認された
つまり脾臓のサイズ変化は、潜水習慣による(個々の)可塑的反応ではなく
民族に共通の遺伝的な適応であると言える

さらにバジャウ族には、甲状腺ホルモンを制御する遺伝子PDE10Aにおいて多くの変異が発見された
この甲状腺ホルモンはマウス研究で脾臓のサイズと関連することが分かっており
甲状腺ホルモンを少なくしたマウスでは脾臓が小さなる
よってバジャウ族では、PDE10Aが甲状腺ホルモンのレベルを高めることで脾臓が大きく変化したと思われる
PDE10Aの遺伝子変異はサルアン族では見られない

イラード氏
「バジャウ族は1000年以上も日常的に潜水を続けてきたことで、水中生活に特化した遺伝子が蓄積し、受け継がれるようになったのでしょう」
しかし現在、バジャウ族の伝統的な生活スタイルは存亡の危機に
居住域での乱獲や大規模漁業の増加によって、持続的な漁が困難になっている
地上の社会から取り残されて、一般人と同じような権利を享受できずにいる
その結果バジャウ族の多くが海から離れたり若者が都会に移住するようになり
文化が衰退し始めている

・・・日本人は
統治しやすい民族へ進化した?

今日は~
冬支度

庭編
来週後半はから冷え込む予報
で・今日はお日柄もよろしく
冬支度
庭の植栽があるとこには
枯葉⇒枯草⇒剪定枝の順で保護

室の枯葉を取り除いて
保護するコたちを半ば砂で埋め
ヨシズでフタを・・・

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