2022年11月16日水曜日

幸せな老後・・・

取り合えず年金問題は忘れて

心理学や統計学をもとに幸福学を研究している前野教授は

人生100年時代、私たちは常に体のケアを意識せざるを得ない
しかし、どんなに運動し食事に気を付けたところで、心臓発作のリスクを増やし、認知機能の衰えを速めてしまう、ある悪」が存在する

病院の受付でごねたり、お店のレジで頑として自分の意見を押し通そうとする高齢者によるトラブルが
不機嫌な老人が増えている

法務省の犯罪白書からとった、刑法犯の検挙者における65歳以上の高齢者が占める割合
1989年―2.1%
2020年―22.8%
高齢者の数そのものが増えていることもあるが、そでも多い
加齢に伴い脳の前頭葉の機能が低下し、判断ミスが起きたり、感情をコントロールできなくなるといった要因も
一方これほど増えている現状を脳の問題だけでは説明しにくく、社会的な背景にも起因していると
それは現代を覆っている孤独
単身者、とりわけ単身高齢者が増え、孤独による寂寞感が注視されてる
こうした感情は人をネガティブな方向に走らせてしまいがち
ただ必ずしも単身=孤独とは言い切れない
ひとりであっても寂しくも、悲しくもなく、楽しく生きている人はいる
したがって現代日本の問題は、正確には孤独という状態ではなく
孤独感という感情といえる
高齢化、単身化が進むなか、私たちはどのようにしたら孤独感を解消できる?

死をももたらす孤独は年齢を問わず人をむしばんでいく
2025年、団塊の世代が全て75歳以上となり後期高齢者の仲間入り
その数、約2200万人
日本の4人に1人は後期高齢者
生涯未婚率も1980年に男性2.6%、女性4.45%
2030年には男性29.5%、女性22.5%になると予測
総世帯数に占める単身世帯の割合も、1980年19.8%⇒2035年37.2%に
これらの数字を総合すると、必然的に単身高齢者が急増
孤独がより社会的にのしかかる

日本人は孤独に陥りやすい
脳内物質セロトニンが分泌されると心が穏やかになり、また前向きになれることから、セロトニンは幸せホルモンと呼ばれてる
このセロトニンの分泌能力は遺伝子によって異なり、その遺伝子は、セロトニンを多く分泌できる順にLL型>SL型>SS型の三つに分類され
日本人はSS型が最も多く、全体の7割
日本人は遺伝子的に不安に陥りやすい
そんな日本人にとって、互助を旨とするムラ社会はピッタリ合っていた
戦後社会では、家族以外にも企業や町内会などの地域コミュニティーがム」の役割を果たし不安性を抱えた日本人が孤独感に陥ることを防いでき
ところが特にリーマンショック以降、個人主義、実力主義の風潮が広まっていく
終身雇用制度が崩れ、企業の在り方もメンバーシップ型からジョブ型へと移行
同時に核家族化と、将来への不安から晩婚化・未婚化が
コミュニティーは壊れてった
こうして日本は、先進国の中でもまれに見る孤独社会に
つまり遺伝子的、社会的に現代日本人は孤独に陥りやすい

国立青少年教育振興機構が日米中韓の4カ国の高校生の調査で
親の世話をどうしたらいいか分からないと答えた割合
中国2.9%、韓国7.7%、米国17.2%に対し、日本は31.5%
親孝行ランキングで日本は最下位
このように日本人は孤独と“縁が深い”

で孤独の意味
一般に孤独という言葉が使われる時、学術的にはふたつの意味が混在
英語のロンリネスとソリチュード
前者はひとりでいることを寂しく思う孤独感
後者は孤立、孤高を意味
孤高や孤立という、芸術家のような求道者をイメージされるかもしれないので
私はソリチュードを孤独だけれど寂しくない幸せな孤独と
そして、ロンリネス(孤独感)は幸福度を低くするのに対し
ソリチュード(幸せな孤独)は幸福度を損わず、むしろプラスの効果をもたらす
つまり孤独問題の解消にあたっては、物理的に孤立しているか否かよりも
心理的にロンリネスであることの解決が優先される
また、孤独は健康長寿を阻害する
例えば、孤独は冠動脈性の心疾患リスクを29%、心臓発作のリスクを32%増大させるとの研究報告が
これは孤独感が血圧を上昇させ、炎症を起こすことによる結果
イギリスの研究では、孤独感が強いと2型糖尿病(遺伝的要素に加え、生活習慣によって発症する糖尿病)の発症が41%増えた
加えて、孤独な人はそうでない人と比べ、認知機能が衰える速度が20%速く、認知症になる率も高い

孤独感は、主に状態ではなく主観の問題
たくさんの人とつながっていればいいというわけではないものの
孤立という状態が主観をむしばんでいくことがあるのも事実
ひとりだから孤独とは言い切れない一方、ひとりだと孤独感を覚えやすい
やはり、人とのつながりがゼロでは、ソリチュードは難しい
とりわけロンリネスに陥りやすいタイミングは定年
職場という居場所を失うと、それまで毎日8時間、仕事に埋められていたのにそれがポッカリと失われてしまい、同僚もいなくなる
その時に備えて、本当は定年前に趣味ややりがいを見つけて職場とは違う居場所、家庭と職場以外のサードプレイスを見つけておくべきですが
すでに定年を過ぎ、ロンリネスな人はどうすればいいのか
人とのつながりを持つためには、良くも悪くもいや応なく人と接することになる地域活動やボランティア活動に参加するのが一番の近道
しかしここで、特に男性は往々にしてつまずく
暴走老人、わがままじいさん、になりがち
プライドが邪魔をする
その傾向は課長より部長、部長より社長と、出世した人ほど顕著
事実、行動学の研究で知られるカリフォルニア大学バークレー校のダッチャー・ケルトナー教授
「権力を持った人はそうでない人よりも無礼で、身勝手、そして非論理的な行動をとりやすい」
その結果、定年後に参加した地域活動やボランティア活動で、評価されない、褒めてもらえない、自分ほどの人間が“その他大勢”扱いされているetc
などとすねたり、ひがんだりして暴走老人化して疎んじられる
周囲に受け入れられずロンリネスに陥る
定年後の孤独感を解消するために新たなコミュニティーに参加するのであれば定年前のプライドがいかに邪魔であるかを自覚する必要が

男性は1日平均7千語話すのに比べ、女性は2万語だといわれてる
・・・うるさい訳だわ

男性は目的があって話すのに対し、女性は話すこと、雑談すること自体が目的
高齢夫婦の場合、孤独に陥りやすいのは圧倒的に夫
実際、ボランティア活動でも、趣味の集まりでも、すぐに打ち解けてお喋りに花を咲かすことができているのは女性
さて、プライドを捨てろと言われても長年にわたって培われたものを簡単に捨てることなどできない、人にへりくだるのがどうしても苦手という人もいる
会社で地位が高かった人ほど脱プライドは難しい
そうした人には、形から入ることがお勧め
まずは笑う、つまり口角を上げる
無理にでも笑顔を作る
この口角上げにはふたつの効果が
まずは、物理的に笑顔を作ることでプライドに紐づいた上から目線という印象を消し
集団の中に溶け込んでいくことができるメリット
次に、無理にでも笑うと本当に楽しい気分になる
人は楽しいから笑うのか、笑うから楽しくなるのか
鶏が先か卵が先かと似たような話で、どちらも正しい
こんな実験が
鉛筆くらいのサイズの棒を横向きにくわえて笑顔を作った場合と
棒を縦にくわえて、口をとんがらせた表情を作った場合とを比較
すると、前者の方が楽しい気分になったという人が多かった
これは科学的には笑顔を作ることで脳が「今は楽しい状態なんだ」と錯覚する結果だと思われます
いずれにしても無理に笑う、口角を上げることは、実はロンリネスを解消する第一歩

また、利他も重要
利己的な振る舞いは交友関係をギクシャクさせます
利他的な行動は、なにも他を利するだけでなく自らを利するから
利他的に振る舞うと、脳内で幸せホルモンであるセロトニンや愛情ホルモンであるオキシトシンが活発に働き、穏やかな気持ちになる
例えば、公園で遊ぶ子どもを見て
頑張って大きくなれよと思うとセロトニンやオキシトシンが働く
一方このガキ、うるせえなと思うとアドレナリンなどが分泌され、イライラしたり荒(すさ)んだ気持ちに
まさに暴走老人へまっしぐら

スマホ断」もお勧め
SNSは、他者とつながりやすくなった一方
いいね!の数などで孤独の見える化が
寂しさの原因のひとつがSNSにあるとすれば、一定期間離れて気分転換を図るデジタルデトックスは有効

テレビのつけっぱなしにも要注意
テレビをずっとつけて生活していると人の声が聞こえて安心するという人も多く、2世帯住宅で暮らしている私の母もテレビやラジオをつけたがります
しかし、その人の声から会話は生まれず、引きこもりを招いて孤独感を誘発しかねない
結果、認知機能の低下にも
テレビをつけっぱなしにして安心感を得る
これは危険な孤独解消法
・・・だからTVの会話に返事をしたり話かけるのがイイみたい

慶應大学の百寿者研究等で、老年的超越という言葉が注目を集めています
一般に、加齢とともに足腰が弱り、活動量が減って、認知機能も衰えることは望ましくないものと捉えられがち
そうした状態になるのをできるだけ避けるために多くの人が健康に気を使う
しかし90~100歳になると、心身が衰え、一般に望ましくないと思われた状態でも、些事は気にせずに幸福感を得られることが分かってる
悟りにも似たこの状態を老年的超越と言う
老化であると同時に幸せ化、と捉えたい
近い将来のさらなる衰えを気にし、不安に苛まれ、孤独感を募らせている高齢者にとって、老年的超越を知っておくことは何がしかの助けになるので?

・・・終わり方を
覚悟しとくとイイかも

今日は~
小菊

秋~初冬と花期が長く
蝶に蜜を供給
で、ダイジにされてる
ただ、勢力が強いんで
適にイジめてる



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