2022年11月7日月曜日

自動運転車の視界から“人だけ”を消す

偽情報をLiDARに注入?
・・・ってより妨害

アメリカ ミシガン大学、フロリダ大学、電気通信大学による研究チームが発表した論文You Can’t See Me: Physical Removal Attacks on LiDAR-based Autonomous Vehicles Driving Frameworks
は、自動運転車の周囲を検知するセンサーにレーザー光を物理的に照射して、選択的に障害物を見えなくする攻撃をヤってみた
偽の情報を注入するスプーフィング攻撃で自動運転車の物体検出モデルに影響を与え安全を脅かす
自動運転車の知覚システムは、LiDARやカメラ、レーダーなどのセンサーを活用して、障害物回避やナビゲーション制御を行う
特にLiDARは、車両周囲の深度計測を3D点群として高精度に取得し、障害物を検出するために使用される
これまでにもLiDARの脆弱性を実証した研究は報告されているが
実在の場面に対し偽の物体を付け加えることしかできなかった
それに対し、LiDARの点群情報を部分的に除去して運転に影響を与えられるかの検証は未解決であった
この研究では、回転式LiDARが取得する点群情報を選択的に除去する攻撃Physical Removal Attacks」(PRAを提案
攻撃方法は、LiDARセンサーの近傍に特定のタイミングで不可視のレーザーパルスを物理的に遠隔照射
移動中の車に対してはLiDARをカメラで捉え物体検出モデルで追跡して照準を合わせる
そもそもLiDARとは、見えない光を発射して周囲の障害物に当たって跳ね返った反射光の時間を計測することで障害物までの距離を計測
コウモリやイルカなどが持つ能力エコーロケーションに類似
今回の攻撃は、偽の反射光を作り出しLiDARが場面をスキャンする回転に合わせて特定のタイミングで照射することで3D計測を欺く
この偽の反射光は、実在する対象物からの反射光を受光させなくし
その後の信号処理で除去される
この攻撃により、LiDARを中心とした指定した円すいエリア上の点群だけを削除
このエリア上に歩行者がいれば歩行者がいないものと認識する

評価実験では、自動運転の研究で一般的に利用される3つの障害物検知システム(Apollo、Autoware、PointPillars)と、3つのセンサーフュージョンモデル(Frustum-ConvNet、AVOD、Integrated-Semantic Level Fusion)に対して攻撃が通用するかを検証
結果、全てに対して効果の有効だった
円すいエリアの方位角45度まで削除できることが分かった
さらに時速5kmで走行する車両に対して攻撃を行った実験では
点群のうち90%を除去、92.7%の成功率で物体検出を阻害

Source and Image Credits: Cao, Yulong, et al. “You Can’t See Me: Physical Removal Attacks on LiDAR-based Autonomous Vehicles Driving Frameworks.” arXiv preprint arXiv:2210.09482 (2022)

・・・人だろうが車だろうが無いものとできる
やっぱマニュアル
コネクテッドで車そのものが乗っ取られることもあるし
だいたい、車に任せる要素が増えるにしたがって
ヒトの注意は散漫に
あくまでもヒトの補助
とか云ってるけど
メーカーの責任逃れ

今日も~
アガベ コロラータ/Agave colorata

最近の
あまり出番がないんで

0 件のコメント:

コメントを投稿