2022年11月2日水曜日

利上げをすると

¥安が急ピッチで進んでいることから、日銀の金融政策に注目が集まってる
¥安の最大要因は日米の金利差であり、日銀がゼロ金利を続けている影響が大きい
市場からは「利上げを行うべき」との声もあるが、日銀が金融政策を転換すると日本経済にはどのような影響が?

日本円は今年の春以降、対$で3割も下落
下落のスピードが急ピッチだったことや日本政府が必死で為替介入を行っていることもあり、$1=¥150の節目を達成した後は¥売りが若干、弱まったようにもみえる
だが基本的な市場環境は変わっておらず、多くの専門家が依然として¥安傾向を予想
¥安継続との予想が成り立つ最大の理由は今回の¥安が日本とアメリカの金融政策の違いに起因しており、今のところ変化の兆しが見られないから

アメリカはインフレ抑制が最優先課題、金利を上げてお金を借りにくくすることで景気を抑え、物価を抑え込もうとしている
一方、日本は景気低迷が続いており、日銀はゼロ金利政策を継続する方針を明確に
アメリカは景気を意図的に悪くして$を回収するフェーズに入っているが
日本は¥を大量供給し銀行からお金を借りやすくすることで景気浮揚を試みており、¥の量がますます増加
流通する貨幣の量が減る$の価値が上がり、貨幣の量が増える¥の価値が下がるのは単純な経済原理
両国の金利差が¥安の最大要因となっている現実を考えると、アメリカもしくは日本の金融政策が転換しない限り、そう簡単には¥安傾向は止まらない

こうした状況から、一部の論者は日銀に対して金融政策を転換すべきであると
もし日銀が金融政策を転換し金利の引き上げを行った場合
¥安は抑制される可能性が高いが実体経済には様々な影響が

日銀が金利を引き上げた場合、銀行の貸し出し金利も上昇
日本の産業界は、量的緩和策の恩恵にどっぷり
多くの企業が事実上のゼロ金利で資金を借りることができた
しかし日本の景気は一向に良くなっておらず、金利がゼロ水準にとどまっていることで、何とか経営を維持している企業も少なくない
こうした状況で金利が引き上げられると、経営が苦しい企業の利払い負担が増加
業績が悪化したり、場合によっては倒産する
多額の借金をしているという点では日本政府も同じ
政府は約¥1000兆の負債を抱えており、ここで金利が米国並みの4%に上昇すれば、年間の利払いは最終的には¥40兆に
消費税の税収が¥20兆しかないことを考えれば、金利が上がってしまうと日本政府は予算を組めなくなる
金利の急な引き上げには弊害が多く、アメリカ並みに金利を上げていくという選択肢は無い
仮に強引に金利を引き上げれば、ただでさえ不景気だった日本経済はさらに悪化
景気対策を実施しようにも、予算制約から対策は限る
住宅ローンの金利上昇で家計にも大打撃となり消費はさらに落ち込む

では、金融政策を転換する余地がゼロなのか?
現実問題として金利は引き上げないまでも
将来的な金利上昇を容認するという形で政策を転換することは可能
この方針転換ができれば市場や経済への影響を最小限にしつつ、¥安を抑制することが可能?
日銀が着手すべきなのは、頑な現在の政策スタンスを、もう少し柔軟にすること
通常、中央銀行というのは短期金利を操作することで、市中に出回るマネーの量をコントロールする
ところが日銀は短期金利だけでなく長期金利も操作
これが過度な¥安を招いている
長期金利までコントロールしているのは、日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)と呼ばれる政策を行っているから
一般的に金利は、長期になればなるほど利回りが高くなる
横軸に時間(厳密には国債の残存期間)、縦軸に利回りを描いたグラフは通常、右肩上がりになる
ところが景気が著しく悪い時や、不景気に陥るタイミングなど、市場や経済が混乱している時
日銀が量的緩和策を実施すると短期金利はもちろん長期金利まで大幅に下がってしまい、カーブがフラットに
この傾きをできるだけ自然な形に維持できるよう金利を操作するのがYCC
イールドカーブが健全な形になっていることは重要
だが、あくまでそれは金融市場が適切に運営された結果によるもの
長短期金利を操作したからといって市場が安定するとは・・・
最近では10年物国債の金利を0.25%で維持するため、日銀が無制限に国債を買い支える指し値オペを実施
・・・国債が買われなければ利率が上がる
すると高い利子になるならと買いが入る
しかし日銀が利率0.25%で買ってしまう

10年物の金利は過剰に低く抑えられている
この措置がなければ金利はもっと高いはず
実態と取引価格が合わないた、国債の売買が成立しないという異常事態が何度も発生
¥安の原因となっている日米の金利差については、主に10年物国債の金利のことを指している
日銀が指し値オペの基準を緩くし、イールドカーブをもう少し柔軟に捉えてもよいというメッセージを出せば、少なくとも¥安に対してはそれなりの効果を発揮する可能性が?

国内金融市場に対して大きな作用を及ぼすのは、長期ではなくむしろ短期金利
短期金利は引き続き低く誘導することで、現在の緩和的な政策を維持
最終的には、短期金利も長期金利も徐々に上がっていくことになるが
少なくとも長期金利に対する柔軟性を示せば
現在の状況を大きく変えることなく金融政策の転換を印象付けられる?
長期金利がじわじわと上昇すれば、当然、日本政府の利払いも増加
だが、その影響はゆっくりとしたものであり、すぐに対処が必要となるものではない?
この手法で¥安をある程度抑制しつつ
その間に日本の景気を浮揚させる政策をすることで、最終的には短期金利も上げる道筋を付けるのが理想的
日本経済は現在、八方塞がりと
事態を魔法のように改善させる手法は無い
なんで上記が最も影響が少ないシナリオ
これを行ったからといって状況がすぐに好転するわけではない

最終的に経済成長を実現するのは金融政策でも経済政策でもなく
企業の競争力強化とそれに伴う賃金上昇
そのためにはむしろ産業政策の方が重要な意味を持つ
腰を据えた産業政策を実施できるよう環境を整えるのが金融政策の役割

・・・それができない、お国
しがらみ?etc+発想も無い
ソレができてたら・・・

今日は~
ツマグロヒョウモンの幼虫

夏~秋
玄関の水槽・衣装ケースetc?で養殖
水槽とかは玄関の半分を・・・
今はほとんどサナギか羽化して成虫状態
成虫は暖かい日に放蝶
下駄箱上のワタスのカワイコちゃんに水やりをする時
少しでも水がタレると
カミナリが・・・
食草のスミレは庭から
なんでスミレは引っこ抜けない・・・

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