2022年8月2日火曜日

今、学校では

 学校の先生がとても忙しいことは、ずいぶん知られるようになった
小中学校の教員が世界で一番長時間労働であることは、OECDの調査でもでてる
最近出された文科省のある文書の一部

文科省「公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針(改正案)」
学校を取り巻く状況については、いじめ・不登校などの生徒指導上の課題への対応や貧困・虐待などの課題を抱えた家庭の児童生徒等への対応、インクルーシブ教育システムの理念を踏まえた発達障害のある児童生徒等を含む特別な支援を必要とする児童生徒等への対応、外国人児童生徒等への対応、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実と主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、道徳教育の充実、小学校における外国語教育、一人一台端末環境を前提としたICT・教育データの利活用、STEAM 教育等の教科等横断的な学習の推進、進路指導及びキャリア教育への対応、学校安全への対応、幼児教育と小学校教育の接続、小中一貫教育及び中高一貫教育等の学校段階間接続等への対応、保護者や地域との連携・協働体制の構築などが今日的に求められている。変化し続ける社会や学校現場からの要請に的確に応えられるよう、これらの変化に対応した教員等の資質の向上が求められている。

・・・はあ?
お役人さま
自分でヤってみたら

杉並区立中学校で民間人校長をしていた藤原和博さん
いまでも、一人の教員が教科を上手に教え、生活指導とすべての児童生徒に関わる事務手続きをし、防犯や防災に気をつけながら、一人一人のアレルギーをチェックし、AED(心肺蘇生用の医療機器)を使えるようにし、環境教育や情報教育に慣れ、福祉ボランティア教育と国際理解教育を教え、さらに食育にも消費者教育にも気を配り、尖閣諸島や北方領土への意識を盛りたてて日本人として誇りを持たせ、おまけにスポーツ指導や部活を担当しながら、要望が強くなりがちな保護者の声に応える・・・・・・・
なんて、一人の人間のやることとして明らかに無理があります

藤原さんが中学校長をしていたのは20年近く前(2003年~08年)
この間、学校、教員への過重期待は、さして変わらないばかりか、むしろエスカレートしている

文科省と各地の教育委員会は、学校ならびに教員(+教員以外のスタッフ)に求められるものをどんどん増やし、ハードルを上げ続けている
だが、足もとで現実に増えているのは
「そんな高いハードル飛べません」、「無理っ!」
と棄権する若者たち(教員採用試験を受けようとしない)と中途退職する教員たち
脱落する人やエントリーしたくない人が多数出てくる
ノルマが厳しい会社には人が集まりにくいし、離職者も多くなりがちなのと同じ

理想、目標が高すぎるので、現状には問題がたくさんあるように見えやすい
そうすると、「さらに教育改革が必要だ!」と声高に述べる人が出てくる(政治家やマスコミなど)
その教育改革と呼ばれるもので、学校のやるべきことは増えて(特にやった感を出すための書類が増えたりする
さらに現場は疲弊する

本来は、人間だれしも得意、不得意があるものだ
何かしらデコボコしている
だから、強みを発揮しやすい環境、弱みは補い合えるチームをつくっていくことが大切なはず
なのに、上記のような政策では、チームで対処していくことや組織力を高めることについての考慮が、抜け落ちてしまう
文科省も2015年頃から、チーム医療にならってチーム学校、と唱えてはいるが
多少、カウンセラーやSSW(スクール・ソーシャル・ワーカー)らの予算を付けたくらいで
多くは非常勤の不安定な職
学校の組織力やチームを高める政策は概して弱く、実際に進められていることの多くは、「教員個々人のレベルアップをどんどん図れ」というかけ声や指針づくり

問題は、教育行政(文科省等)だけではない
政治家、国の審議会の有識者、マスコミ(テレビ番組のコメンテーターらを含む)のなかには「
教師はこうあるべきだ」
「こんな教育課題にしっかり対応しなければならない」
と熱心に言う人は、今も昔も多い

保護者のみなさんにも、見つめなおしてほしいことがある(私も中高生の父親のひとりだ)
たとえば、今後中学校の部活動を地域に移行していこうという動きがある
これに対して、保護者やメディアの一部は、家庭の負担が増えるのは困る、できれば先生に続けてもらいたい、と言う
学校部活動では習い事などと違って、レッスン料はかからないし、教員が顧問だと、かなり安心して預けられるから(一部不祥事などの問題は起きているとはいえ)
保護者にとって都合がよい
だが、教員の献身性、事実上無償労働に甘えていていいのか
休日も試合などで潰れてしまって、疲れが取れないまま月曜を迎える教員は数多くいる
同時に、一部の教員は部活大好きだが、その時間があるなら、授業の質をもっと上げてほしい人もいる
こうしたコストやトレードオフ(何かを得ると、別のものを失うこと)にも、目を向ける必要がある

事態はさらに悪化している
新型コロナの影響で、学校、教員の仕事が一層増えている
およそ6割近くの学校は、事実上、保健所業務の代行をしている
教頭などは休日もお構いなしで、24時間、関係機関と報告、調整を行っていて、疲れ果てていると
保健所も多忙すぎるので、学校が協力するべきこともあるのはワかるが・・・
 
また、GIGAスクール構想のもと、児童生徒ひとりひとりにコンピュータが行きわたりつつあり授業等での活用も増えている
それはよいことも多いのだが、セットアップや更新、管理業務が、教員の仕事として純増している
タブレットの液晶が壊れたといった事故、事件は学校では日常茶飯事だが、故障対応(業者との連絡調整など)を教員がやっている学校も少なくない
教育委員会も忙しいとはいえ、あまりにも教員の仕事を増やし続けていて
「ICT活用力が大事だ」などと発破をかけるばかり
・・・先生みんながPCの扱いに慣れてるわけじゃない
苦手な先生はいるし、それはアタリマエ

家庭に持ち帰った端末でのトラブル(子どもがこんなサイトを見ていた、友達と揉めている、動画ばかりで困るなど)も、学校に持ち込まれ
教員が介入、支援している例も多い
学校の管理外のことなのだから、学校、教員の責任の範囲外のはず
家庭で話し合うなどしていくべきことだが、保護者の要望で学校が関わらざるを得なくなっている例も多い

・・・こうした状況を作った
お役人さま?代議士の先生方?
おバカ?
昨今は非常勤の講師が増えてるとか
例によって薄給に耐えてるとか
これ
誰が進めた?
国民の皆様も
少し頭を使わないと・・・
いわゆる企業人はワかってるハズ
そんな経営をしてたら
企業はツブれる
将来の会社の人材を考えたら・・・
少しは口を出して
ただ
目先の利に走る社長が多い昨今
ムリか・・・

今日も~
エンセファラルトス アエムランス/Encephalartos aemulans

7月半ば
ハッパが開いたけど・・・
病気?
じゃなくて
炎天下で水やり
たぶん、新芽でまだハッパがヤワかった
で、煮あがった?
熱い日は
日陰で水やりに変更

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