2019年12月18日水曜日

中国版2ちゃんねらー

ぼや川より
煩悩が・消えちゃあ男は・おしめえよ
・・・です・・・

中国版2ちゃんねらー
1999年に開設された2ちゃんねる(以下、2ch)はかつて世界最大規模のネット掲示板
2010年代初頭からユーザーの高齢化や運営者の内紛などで
ごく一部の板(コミュニティ)を除いて勢いを失った
2017年には”5ちゃんねる””に改名され分派として開設された類似サイトもパッとしない

2chは不謹慎ネタを好み便所の落書きと揶揄される劣悪なデマや誹謗中傷が渦巻いていた
いっぽうタテマエやきれいごとを嫌うカルチャーゆえに大手メディアが報じない際どい情報や庶民の本音が大量に書き込まれていた
加えて当時は2chが情報の最先端だったことで、一部のインテリ層と思われる人々も活発に書き込みに参加した
度の過ぎた悪ふざけや暴露行為と、たまに見せる意外な頭の良さと反権威性
ゆえに黄金期の2chは良識ある世間から問題視されつつも怪しい魅力を放っていた
現在の日本で活躍しているクリエイターには2ch(およびその文化的影響から生まれたニコニコ動画・新都社・各種のまとめブログなど)から世に出た人も少なくない
現在30代くらいの日本の表現者にとって、若いころの2ch系メディアでの活動歴が黒歴史になっている人も多いだろう
とはいえ、あの無法地帯的な怪しい空間が、なんらかの文化の揺籃の地になったことも確か
いっぽう、かつて2ch文化は中国にも浸透
現在はTikTokやスマホゲームをはじめ中国発のネットカルチャーが大量に日本に流入しているが、2chが隆盛を極めていた2000年代の時点では先進国の日本から発展途上国の中国へと文化が一方的に流れ込んでいた
「自重」「厨房」「ネ申」「wwww」といった2ch語が中国のネットスラングとして定着しかけた
ニコ動やふたばちゃんねるで人気だった東方Project系のネ
さらには現在の価値観では大きな問題がある淫夢ネタや恒心教ネタ(内容は詳述しない)なども含めて、萌えと悪ふざけと反権威主義がないまぜになった2ch系文化のノリが、当時はかなりの程度で中国のネット空間に輸出されていた
中国のネット統制は2010年ごろまではまだユルく、中国から自由に2chやニコ動にアクセスすることもできた
現在では考えられない話だが中国国内のネット掲示板やブログのコメント欄で新疆の少数民族問題や六四天安門事件の議論をおこなうことすら一定程度は可能だった
もっとも、日本でTwitterの台頭とともに2chが衰退したのと同じく、中国でもTwitterに似た微博(Weibo)の流行で掲示板文化の衰退が始まった
加えて微博は当初こそ新しい言論空間として注目されたが、間もなく急速に規制が進んだ
習近平政権の成立後は中国の監視社会化もあってネット言論は萎縮
いまや中国国内のネット全体が体制側のプロパガンダ装置に
では、往年の『百度貼吧』で悪ふざけ半分で体制批判をおこなっていた中国版2ちゃんねらーたちは?

彼らの末裔たちが、今年になってとんでもない政治的事件を
正確な人数は未確認ながら全国での逮捕者はすでに30人以上?
以下、ドイツの国営国際放送ドイチェ・ヴェレ(Deutsche Welle)中国語版の2019/10/30付け記事
「反中国」情報を閲覧 ネットユーザーが検挙
中国河北省の警察当局はネットを利用してしばしば“反中国”“中国ヘイト”情報を閲覧していた犯人を承德市双橋公安分局が検挙
捜査によれば容疑者李某(15歳男子、承德市)は故意に中国の歴史を歪曲し国内外の話題のニュースや事件を曲解した情報を、しばしばネットで閲覧
本件のみならず、最近になりネットユーザーが中国国外の“反中国サイト”を閲覧したことで警察側に検挙される事件がしばしば起きている
報道を総合すると福建省厦門市や広西チワン族自治区柳州市など各地で警察側が類似の検挙をおこなっている
これらの報道はみな悪俗ウィキと称されるサイトに関連したもの
中国側の官製メディア
「海外にサーバを置く悪俗ウィキは、サイト上で中国を侮辱し中国に反対する反動言論がはびこり、歴史と現実を歪曲している、親日派分子の跋扈する場所である。のみならず、サイト上ではさらに大量の中国公民の戸籍住所や身分証番号などの個人情報が違法収集されている。不法分子は復讐やその他の目的からこれらの個人情報をネット上で公開している」
この悪俗ウィキ(悪俗維基、esu wiki)と、運営者や参加者が重複するシナウィキ(支納維基、zhinawiki)を作り上げたのは、かつての『百度貼吧』の一部の板の管理人や、カキコ(書き込み)を繰り返していたヘビーユーザーたち
中国版2ちゃんねらーの残存が大量逮捕劇を招くヤバいサイトを作っていた
彼らの幹部層にはハイレベルなハッカーが含まれ、中国国内や香港のほかにアメリカやカナダ・オーストラリアなど各国に散在
日本の二次元文化への愛が高じてか日本国内で暮らす者も
悪俗ウィキとその関連カルチャーに連なるウェブコミュニティは、中国語では悪俗」と呼ばれている
いずれも中国国内の話題を悪ふざけ(悪俗」的な表現で記述
そこには中国の現体制への揶揄や批判が大量に
特にシナウィキは反中国共産党に特化
支納というサイト名も戦前の日本による中国の呼称である支那と
ナチスの中国語訳納粹党をかけ合わせたもの
中国共産党=中華ナチス、というわけ
さらに在米華人が運営するレッドチャイナや、すでに閉鎖された蜘」など似たような活動をおこなうサイトも複数存在
悪俗圏は中国共産党幹部の顔写真や身分証番号・住所・電話番号・メールアドレスや微信(WeChat)番号といった個人情報をネット上で大量に暴露
悪俗圏のTelegramチャンネルで暴露されていた北京市のネット管理部門の責任者の個人情報で自宅の住所から電話番号まですべて丸裸
これらは一流大学の共産主義青年団書記や当局のネット管理部門の責任者といった中級レベルの幹部まで対象
数千人以上の規模?
なんと習近平や娘の習明沢の個人情報まで
例えば2019年7月に悪俗圏の各サイトで公開された習明沢の個人情報の一部
・中国国内の住所:杭州市西湖區宝石二路●●苑●棟10●号室
・香港マカオ通行証番号:C68731●●X 2017年発行
・パスポート番号:G35725●●●
・電話番号:62677●●●
・携帯電話番号:13810401●●●
・メールアドレス:1749108●●●@qq.com
暴露時点で習明沢が使用していた変名は楚晨
彼女はながらくアメリカに在住
中国の体制上層部の人間の例に漏れず彼女は6つのパスポートを使い分けている?
シナウィキで公開されていた習明沢(上)と習近平(下)の個人情報は現在は閲覧できないが、画像のコピーはネット上に数多く出回っている
これで、習明沢にイタズラ電話を掛けたり嫌がらせメールを送るのが続出?

悪俗圏の関係者である20代の中国人A
現在、中国国内でサイトを閲覧しただけの10代の少年少女まで続々と逮捕されているのは、習近平ファミリーを狙った悪俗圏の関係者に対する当局の激怒を示すものだろう
逆説的に言えば、上記の情報が真実に近いからこそ当局が怒っている?
従来、悪俗圏サイトはアングラ好きの若者や中高生が面白がってアクセス
例えばシナウィキの場合は2018/12のサイト開設から2019/10/17の壊滅までにログイン会員が3000人、1日のPV数が4万件という規模だった
中国のネットユーザーの間では
「翻牆必看(中国のネット規制を突破して海外サイトを見る際には最初に見るべき場所)」
当初、悪俗圏サイトの出発点は中国の2ちゃんねらー的な人たちの悪ふざけだったとはいえもはや機密情報暴露サイトのウィキリークスに近い政治的意味を持つ存在に
「習近平や高官ファミリーの個人情報はハッキングで収集されたものだが、一般の党幹部については公安内部からのリークだ。体制に反感を持つ公安関係者がタダで提供した例もあるし、下っ端の警官がカネと引き換えに売り飛ばした例もある。中国は監視国家だが、警察署内の監視カメラは機能していないから、内部の人間がデータベースにアクセスしたパソコン画面をスマホで撮影するだけで情報を抜くことができるんだ」
下っ端の警官の給料は安く上海などの大都市ではそれだけでは暮らせない
だが習近平政権になってから汚職もできなくなった
ゆえに警官のなかには党幹部の個人情報を
「すでに身分証番号が判明している人間なら15元(約160円)、身分証番号がわからない人間なら30元(約470円)、ターゲットの一家全員のデータなら60元(約940円)」
「中国の下っ端の警官は本当にカネがない。現在、悪俗圏の関係者に対する家宅捜索でパソコンやスマホやニンテンドースイッチまで押収しているが、あれらも連中が個人的に持ち帰って売り飛ばしている。深圳の電脳街の華強北ではデジタル部品が驚くほど安価で売られているが、実は一部は警察からの横流し品だ」
ちなみに当局者の個人情報を暴露して体制を攻撃する手法は2019/6から始まった香港デモでも
デモ隊のTelegram(ロシア製の機密保持性が高いチャットソフト)チャンネル老豆搵仔などでは香港警察の警官の個人情報が大量に晒されている
老豆搵仔において晒されている香港警察の個々の警官の個人情報とガールフレンドの個人情報は街頭で火炎瓶を投げるよりも個々の警官に有効なダメージを与えられる・・・
「彼らはこうした暴露作戦を、中国大陸の悪俗圏から学んだらしい。シナウィキの管理人の1人が香港人で老豆搵仔の関係者と友達だから伝わったみたいだ」
なお、香港のシナウィキ関係者は2019/5に上海公安局内で悪俗圏に個人情報を流していた一部の警官は2019/8に逮捕されている

悪俗圏の特徴はサイトの運営者や利用者に変わったバックグラウンドを持つ人物が多いこと
天才的なハッカーのほかに難病患者の起業家やトランスジェンダーの女性(戸籍上は男性)がおり
他に富豪の息子の少年ハッカー、ウイグル族、香港人、キリスト教徒、女装趣味者などが加わっていた?
彼らはいずれも10~20代で学歴や家庭の経済環境も比較的良好らしいが、習近平や中国共産党を徹底的にバカにする危険な火遊びにあえて加わった
富豪の息子を除けば彼らはたとえお金があっても現代の中国社会では蔑視や差別を受けがちな個性を持つ人が多く、そのことも動機なのかもしれない
悪俗圏の利用者への摘発は2019年夏ごろから強まり
上記のうちでもカリフォルニア大学の博士学位を持つとされる天才ハッカーのTypcnや、明地さとりという日本語のハンドルネームを持つ19歳のトランスジェンダー(本名、陳濼安)などが当局に逮捕されている
いっぽ、富豪の息子のKという17歳の少年ハッカー
警察が高校まで来た際に前もってこっそりコピーしていた校長のICカードのデータを使って裏口から脱出、国外に逃亡?
TypcnやKは悪俗圏の幹部クラスの人物
今年10/17に広東省茂明市公安局に逮捕された明地さとりは
悪俗圏のTelegramチャットグループに参加していただけ
彼女のボーイフレンドで現在は東南アジアの某国に逃亡中の25歳の男性はTelegramを通じて
「彼女の逮捕容疑は別件で、ゲームのチートソフトを使ったという名目でした。ただ、さとりの弁護士が茂明市公安局で確認した拘束者リストによれば、同局だけで20人あまり(別の悪俗圏関係者によれば27人)の悪俗圏利用者を逮捕したみたいです。彼らは11月13日に別の場所に移された後はほぼ消息不明になっています」
さとりについては拘置所内で拘束者が用いる食料購買用のICカード(外部からネットでお金のチャージが可能)のチャージがなぜか不可能に
家族に対して公安関係者
「もう出所を待たなくていい」

悪俗圏の創始者の一部は、もともと2008~2010ごろに百度貼吧の人気コミュニティ李毅板などの複数の板に出入りしたり管理人になったりしていた
当時の日本の2ch系ネット文化の影響を受けた中国人ネットユーザーたち
ネット掲示板の全盛期から10年が経ち彼らの一部は危険な悪ふざけに踏み出して中国版ウィキリークスを作ってしまった
さらに、その影響を受けた10代の少年少女が彼らのサイトを閲覧、大量摘発

・・・溜息しかでねえ

今日は~
プラティセリウム ビーチー/Platycerium veitchii
11月
胞子
やっと?ここまで
しかしデカくなるのは目に見えてる
嫁にだすかどうしよか

2019/12/20
加筆

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