2023年8月3日木曜日

ドイツの物流を支えるライン川

ドイツ産業界が貨物輸送の新たな方法を模索している
ドイツ経済を混乱させている

ライン川は全長1230km,世界有数の観光名所であり、ドイツ国民にとって心の拠り所の1つ原油や天然ガスも含めた物資の内陸輸送の80%を担う経済の大動脈
その重要河川で2018年と2022年に長期の水位低下が発生
今年も再び複数地点で、満載状態で最大トラック1150台相当の貨物を運ぶ貨物船の航行が困難になるほど水位が低下している
ライン川を航行する輸送船にとっての要衝であるカウプでは、今週に入って水位が今年最低の水準まで低下

ドイツ国内で昨年、水運により輸送された物品は1億8200万t
2021年比で6.4%減少し、東西ドイツ統合以来最低に
ヨーロッパ南部を深刻な熱波が襲うなかドイツの連邦水路水運総局では、こうした減少傾向は今後も続くと予想

ドイツの化学メーカー・コベストロは完成品の30%以上をライン川経由で出荷する
原材料の多くもライン川経由で届く
コベストロでライン川問題対策チームを率いるウベ・アルンツ氏
「気候変動と水位低下の発生増加は、当社だけでなく、他の企業にとっても大きな課題となっている」
そこで同グループは低水位対応の荷船2隻をチャーターした
これならケルン周辺のライン川の水深が40cmまで低下しても、同社製品の塩酸を顧客に供給できる

約260km下流に立地する化学大手BASFも低水位対応の船舶の利用を開始
原材料の約40%をライン川経由で受け入れている生産拠点、ルートヴィヒスハーフェンへの供給が目的
可燃物や有毒化合物を輸送する方法としては、ライン川が唯一の現実的な選択肢であることが多い

物流協同組合DTGによればカウプ周辺での水深が1mを切ってしまえば、従来の輸送船では積載量を半分以上も減らし1500t以下にする必要がある

だがBASFが新たに導入した低水位対応タンカー シュトルト・ルートヴィヒスハーフェンであれば、30cmというきわめて浅い水深でも2300tの貨物を積んで、カウプの難所をクリアできる

BASFのバーバラ・ホイヤー副社長
BASFはライン川の水運に依存しており、ナフサを含む液状原材料のほとんどはライン経由で運ばれている
「生産を続けていくためには多くの原材料が必要だが、これほどの量を運ぶのは非常に難しい」

2018年、鉄鋼大手ティッセンクルップ
渇水期に、十分な原材料を入手できなくなったとして不可抗力を宣言
その後、貨物列車の長期チャーター契約を結び、製鉄事業に必要な約3000t/日の石炭供給を確保した

水位低下による影響を受けているのは大企業だけではない
ライン川水運が減速したことにより、ドイツの国内総生産は2018年に0.4%縮小
キール世界経済研究所
経験則として、2022年及び2018年に見られたようにカウプでの水深が30日連続で78cmを下回ると、工業生産が1%低下すると

ドイツ銀行はドイツ経済の2023年の成長率を-0.3%と予想しているが
水位低下が長引けば、景気後退からの回復は遅れる可能性があると

一方、DTGのロベルト・スプランジ取締役
経済活動の低迷に合わせて輸送需要も低下しており、水位低下による影響は、これまでの数年に比べれば対処しやすくなる可能性があると

輸送料金と低水位対応の輸送船のチャーター費がかさんだことで、産業界では利益率が圧迫されている
だが物流企業は、低水位対応の船舶への需要が増大したことによるメリットを享受

シュトルト・ニールセンでゼネラルマネジャーを務めるマイケル・ウィジテバール氏
「気候変動により、ライン川の水位異常が発生する頻度は上がると予想している」
同社では、ライン川沿いやその近辺に立地する複数の顧客とのあいだで低水位対応の輸送船について商談を進めている
各社ともサプライチェーンの健全性維持を懸念していると

ケルン市公共事業体の傘下にある独HGKシッピングは、こうした低水位対応船舶3隻を顧客向けに建造中
HGKシッピングのステファン・バウアー最高経営責任者(CEO)
エネルギーや化学、鉄鋼といった分野の企業にとって
大量の原材料を輸送するための選択肢が限られていると
「鉄道や道路など代替手段への転換に関しては、短期的にも中期的にも、輸送容量やインフラ、そして人員といった点が不十分だ」

やはり低水位対応の船舶を利用している化学大手エボニックも同意見
ドイツの鉄道システムは徹底的な刷新が必要で
世界有数の工業国は二流の鉄道網では支えられないと

・・・JRにやらせたら?
まあ、最終的にはヒトなんだけど
日本は2024問題があるけど
何でもかんでも安けりゃイイ・・・って
そのツケ
イビツなシャバが透けて見える
日本はJR・海運がある
JRも、海運もそれなりに事情があるけど
長距離はソレでいくしかねえだろうな~

今日は~
ネケイロプテリス オバタス/Necheiropteris ovatus?
ミヤマムギラン/Bulbophyllum japonicum
ミツデウラボシ/Crypsinus hastatus

7月
オバタスちゃんがキッチリでてきた
やれやれ
ミヤマムギランやミツデウラボシが隠れてく

2023/8/5
加筆

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