2023年8月1日火曜日

家族と同居より独居老人のほうが幸せでボケない


高齢者が健康に暮らすには、どんな生活スタイルがいいか
医師の和田秀樹さん
「家族と暮らせない老後は可哀想という固定観念は捨てるべきだ。高齢者の独り暮らしには、自分に居心地のいい空間をつくりあげ、近所の人と交流しながら暮らせるというメリットがある。そのうえ独り暮らしの高齢者のほうが認知症になりにくいし、進行も遅い」

薬を飲まないと本当に病気になるのか
たとえば、血圧が高い患者さんに、医師はよくこんな言い方で薬を飲ませようとします
「ちゃんと薬を飲まないと脳卒中になるよ。脳卒中で死ぬよ」
「飲んでたら大丈夫だからね」
脅したりなだめたりしながら、きちんと服用させようとするのですが、こうした言葉にどのくらい意味があるの?

アメリカで、血圧が160mmHgくらいで、薬を飲んだ人と飲まない人を集めて6年後の状態を調べた有名な研究が
かなり大規模な調査で、エビデンスのしっかりした研究とされる
これによると、薬を飲まない人は10%が脳卒中になっていましたが
飲んだ人では6%
この数字から、有効であるとされた

・・・この4%の差に意味があるのか、無いのか・・・

医師がもし「飲まないと脳卒中になるよ」と言っていたとすると
薬を飲まない人の90%は、脳卒中になっていないことに
飲まずに脳卒中になった10%の人は運が悪かった人
薬を飲むと、94%は脳卒中にならないですみ
かかった人は6%に減っていますが、薬を飲んでも脳卒中になって、もっと運の悪い人が6%もいる
飲んでいても6%は脳卒中になるのですから、「飲んでいたら大丈夫」と言うのも詐欺的

このくらいの数字で有効であると効果が認められているわけで
「薬を飲まず、かつ運の悪い人」との差がもっと小さい薬はいくらでもある
医師の“脅し”を鵜呑みにする必要はありません
そもそも薬は体調をよくするために飲むもの
異常となった検査数値を正常に戻すために飲むものではない
処方された薬で、だるさやめまいといった症状があったら、遠慮せずに、医師にはっきり伝えましょう

健康診断や人間ドックの検査データには、基準値に正常とされる幅があり
基準範囲と呼ばれる
この基準範囲は、1000人とか1万人とかの健常者の検査数値で
分布の中央95%区間という意味
したがって、健康であっても5%の人は、この基準範囲から外れる
外れているからといって異常とはいえない・・・
検査データを判読するための目安にはなりますが、正常か異常かを判別することはできない

95%の人を正常とし、そこから高すぎたり、低すぎたりして外れた5%を異常とした統計値
つまり最大で、健康な100人のうち5人が異常となる
もともと健常者を集めた検査
異常でも病気ではありません
しかも若い人のデータがもとになっているので高齢者は含まれていない
高齢者の場合は、基準範囲からズレてくるのが当たり前
範囲に収まってさえいれば健康にお墨付きが出たと考えて暴飲暴食をしたり
外れていれば必要以上に心配して、数値を正常にするために薬を飲んだりしがち

・・・反省

どんな薬でも体に影響を与えるので、ある臓器の数値がよくなったからといって、健康になるとは・・・
検査データの異常が持つ意味を正しく知っておかないと、無用の薬を飲んでかえって健康を損なうことに

どんなものにもメリットとデメリットがあるので、それぞれの確率を考えて判断することに
端的なのは薬を飲むか、飲まないかを考えるとき
たとえば、副作用の確率が3%といわれたとしましょう
服用したことで、いまかかっている病気が悪化する確率とか
死亡率がどのくらい下がるのかを知りたくなりますよね
病気予防のための薬なら、発症の確率がどのくらい下がるのかが問題
当然、メリットとデメリットをそれぞれの確率から判断するはず

血圧の薬を例に、脳卒中になる確率は飲まなかった場合は10%だったものが
飲んだら6%に下がるとしましょう
もし副作用が表れる確率が20%あったとしたら、飲んだほうが損だと考えられる

家族についてもメリットばかりではありません
大家族で孫に囲まれて暮らすのが幸せというイメージを持つ人も多いかと思いますが
高齢者の自殺率は、独り暮らしの高齢者よりも、家族と同居する高齢者のほうが高いことが知られています

・・・ほんま?

福島県の調査では、独り暮らしの高齢者の自殺者は全体の5%以下で
そのほとんどが家族と同居していたことが明らかになっています
その理由
介護や看護をさせて申し訳ない
家族に迷惑をかけて心苦しい
といった心理状態なのではないかと・・・

独り暮らしの孤独からうつになる人はいるし、自殺する人もたしかにいます
でも独り暮らしだからといって孤独とはかぎりません
自分にとって居心地のいい空間をつくりあげ、近所の人と交流しながら暮らすのは、それはそれで満ち足りた毎日
独り暮らしの高齢者のほうが認知症になりにくいし、進行も遅い
現代では、むしろ理想的な姿?
家族と暮らせない老後は可哀想という固定観念は捨てましょう
家族との同居こそデメリットになっている場合がある
在宅介護をしている家族にアンケートをとると、30~35%くらいの人が
「虐待をした経験がある」と
具体的にどんなレベルの虐待なのかは不明ですが、言葉による虐待、叩く、つねるといったことが多いように思われます
同じことを施設で行えばニュースになって、激しく批判されることは確実
それが家庭内ではかなりの頻度で起こっている
人間は心理的に疲弊すると、どんな行動をするかわかりません
実際、“介護殺人”は、年間におよそ50件
統計上、日本では殺人事件が年間1000件を下回っているので
その5%は介護がきっかけになっている
いまだに高齢者を施設に入れることに対して、ひどく罪悪観を持つ人が
自分を責める必要はないように思います
単純なイメージでは独り暮らし=孤独で、子供や孫などの親族と離れて暮らすのは不幸に見えるかもしれませんが
同居のほうがかえって不幸だったりする

いま日本では、お産で妊産婦が亡くなることはごく稀
2020年の出産10万例あたりの妊産婦死亡率は2.8でした
この数字はきわめて低いだけに妊産婦が死亡すると産婦人科医が訴えられるようになりました
とはいえ、1960年代までは妊産婦死亡率は100を超えており、お産は命がけでした
不幸なことですが、いまでもゼロにはならず、一定の確率で妊産婦の死亡は起こっています

確率は低いけれどもゼロではないことはたくさんあります
たとえば、街を歩いていて車に轢かれて死ぬ確率は、相当低いけれどもゼロではありません
ただ、そんなことは起こらないと思っているから、高齢者が運転して死亡事故を起こすと大騒ぎをする
運転者が誰であろうが、統計上日本では1日に約10人が交通事故で亡くなっている(2021年調べ)
都合の悪いことは起こらないと考えていると、リスクの確率を考えたうえでものごとを決定することができません
当然リスクへの対策も立てていないので、想定外のことが起こるとパニックになってしまいます
東日本大震災における東京電力の原発事故も、今回のコロナ禍も、そうした思考が背景に

別の言い方をすると、これは日本人にありがちな頭の固さそのもの
日本の場合、いったん決定したらなかなか変更しないし、変更したらもとに戻れないという感覚が強すぎる?
政策でも何でも、ダメだったら戻ることができるという思考回路があればこそ試行錯誤できるはずなのに
そう思えないから改革が進まないというところも
うまくいかなかったら、柔軟にやり直せばいい
少なくともいったん決めたことはずっと守りつづけないといけないという意固地さや
逆に、いったん変えたら後戻りができないと思い込む柔軟性を欠いた発想は
頭がいい人の頭を確実に悪くします
確率の考え方を取り入れると、ものごとは起こるときには起こるのです
リスクに対処することも必要だし、想定外のことが起こったとき、柔軟に対処することも織り込んでおくという姿勢を勧めたい

・・・一人だと、生活する上での緊張感が違う
刺激がある
それを生かせるかどうか・・・
え~
家族と暮らす方が
刺激的だったり・・・

今日は~
シモツケソウ
7月の初め
割とアチコチにあるけど
ここんとこ見てなんだ
イイ花だけど
場所取り

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