2023年8月29日火曜日

東京 空の覇権は

都市生態系の頂点であるカラスにタカなどの猛禽類が・・・・
NPO法人自然観察大学学長で、『都会の鳥の生態学-カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰』の著書がある唐沢孝一氏
「これまで東京都上空の覇権を握っていたのは、カラスでした。しかし、個体数の減少に伴い、オオタカやハヤブサなどの猛禽類が東京都心に進出し、熾烈な勢力争いを始めているのです。両者の戦いにスズメやツバメなどの小鳥も巻き込まれ、東京の空はさながら、生態系の頂点をかけた仁義なき戦いのような状態になっています」
一口にカラスと言っても、東京で見かけるものには主に2種類
一つがハシブトガラス、嘴が太くて力が強く、カーカーと鳴く
銀座や新宿など山手線内の都心で見かけるカラスの99%
雑食性で、生ゴミを漁るため害鳥とされている

山手線沿線の外側から千葉県や埼玉県へ行くにつれて増えていくのがハシボソガラス
嘴が細く小さくハシブトガラスと同様になんでも食べる
遮蔽物の少ない平地を好みガーガーと鳴く

今、猛禽類と激しく火花を散らしているのは、ハシブトガラス
以下、カラスはハシブトガラスのこと
ジャングルクロウと呼ばれ、元々は東南アジアのジャングルに生息していた
草木が生い茂る密林では水平方向に視界が悪いため、高所から獲物を見つけ、地上へ垂直方向に狩りをする
「つまり、カラスにとって、都心のビル街は故郷のジャングルそのもの。昔は低い建物しかありませんでしたが、今や、都内は再開発で高層ビルが林立し、コンクリートジャングルです。高所に止まり、路地に出される生ゴミなどを狙います。
カラスにとって東京の繁華街は、構造的に故郷のジャングルによく似ているうえ、天敵が少なく、ふるさと以上に住みやすい。天国のような環境です」

現在、都市生態系の頂点に座しているカラスが栄華を極めたのは'01年のこと
東京都が毎年都内40ヵ所で行っている調査で、最も多かった同年の個体数は3万6416羽
しかし、'22年度の最新調査では8699羽まで減っている

カラスの行動と進化に詳しい東京大学総合研究博物館・特任准教授の松原始氏
一番大きな理由は東京都のゴミの減少とカラス対策の徹底
「バブル時代はステーキやフォアグラなど、カラスのエサとなる生ゴミが飲食店から大量に廃棄されていました
バブルがはじけ、住む人間の懐事情が苦しくなるにつれて飲食店の廃棄食材も、家庭ゴミも減り続けました
そして、東京都によるカラス対策の強化
ネットをかけるだけであれば、カラスはゴミ出しが甘い場所を探して、ゴミを引っ張り出してしまうのですが
都心の集合住宅などでは金属製のフタがついたダストボックスの中に捨てるようになりました
それ以外の場所でも金属製のダストボックスの普及が進んでいます
いくら知能が高いカラスといえど、これには手の出しようがない
餌の総量が減ったため、繁殖できる数が少なくなっていったのです」

そんな一鳥独裁体制の揺らぎを見逃さなかったのが、これまで主に埼玉県、千葉県、神奈川県の山間部に生息していたオオタカやハヤブサなどの猛禽類
繁殖期を終えた後にしばしば都内に侵入することはあったが、数の優位を誇ってきたカラスに集団で追い払われていたため、巣作りや繁殖まではしてこなかった
だが'17年頃から、その多対一の構図が崩れ始めた
力が強く、鋭い嘴や鉤爪を持つ猛禽類にカラスが単独で敵うはずもなく、急速に都内で勢力を広げている

東京都心を俯瞰すると、2つの環境が混在していることが分かる
一つは皇居、明治神宮、自然教育園(港区)などの都市緑地
もう一つは東京駅や新宿駅周辺などにある超高層ビル群
前者に定着したのがオオタカ
具体的な個体数は判明していないが、確実にカラスの勢力に拮抗し始めているという
山間部や郊外では家畜を守るため、音や光を使って追い払われることもあったが、都内でそんなことは起こらない
しかもエサとなる肉質の良い小鳥がいくらでもいる
さらに、一度巣を作った後に木が伐採されて住処を追われることもない
明治神宮のご神木が伐採されることなどあり得ないし、自然教育園にいたっては研究のために巣を保護までしてくれる
勘違いされがちだが、人間によって山野の自然が破壊され、住処を追われてやむなく都会にやってきたのではない
むしろ、鳥にとっては都会の方が住みやすいから、積極的に進出してきている

唐沢氏
「ハヤブサは都会の高層ビルや鉄塔、鉄骨の橋などで繁殖するようになりました。彼らは元々、海岸の岩壁などで繁殖していました。東京周辺では、江ノ島や房総半島の崖などで繁殖しています。高度差のある崖にとまり、眼下を飛ぶ野鳥を急襲して捕食します。
都会のビル群は、ハヤブサにとっては故郷の岸壁に非常に似ており、ビルの屋上から急降下してハトなどを捕えています。新宿の高層ビル群や六本木ヒルズなどでもハヤブサが観察されています」

ハヤブサなどの侵略によってカラスの生存圏は確実に狭まっている
カラスにとってさらに厄介なのがフクロウ
そのフクロウも豊島岡墓地(文京区)などを中心に繁殖を始めている
カラスは巣で羽を休める夜に寝込みを襲われるようにもなった
日中はオオタカ、ハヤブサと戦い、夜もフクロウを相手に身を守らなければならなくなった
カラスは猛禽類が近づいてくると、20~30羽の集団でやかましく鳴き立てて、体をぶつけるように飛び回って追い払う
これはモビングと呼ばれる攻撃手段
猛禽類は風切り羽が1本でも折れると、上手く飛べなくなるため、勝てる勝負でもケガを恐れて退散していた
モビングが猛禽類に対する数少ない対抗策だったが、個体数が減ったことにより、カラスが単独で行動する時間が増えた
オオタカは待ち伏せして背後から襲い、ハヤブサは予想だにしない角度やタイミングで急降下してくる
カラスはなす術もなく捕らえられてしまう

国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室室長の五箇公一氏
「猛禽類の攻勢により東京の空からカラスが排除される未来は大いにあり得る」
「都会のカラスは本能的に猛禽類を嫌っています。鷹匠によるタカを使ったカラスを追い払う取り組みだってあるくらいですからね。定着した猛禽類を嫌って、都心から郊外へと逃げ出すことは十分に考えられると思います」

そんなカラスと猛禽類の戦いの裏では、スズメなどの身近な小鳥がしたたかに生きている
たとえばスズメはツバメの巣を横取りしたり、エサの取り合いをしたりなど、普段は対立関係にあるが
共通の天敵であるカラスが現れたときは、手を組んでモビングをし、追い払おうとする
そこに近年都内で個体数を増やしつつあるムクドリやハクセキレイが加勢することもある
そんな小鳥とカラスの関係も猛禽類の出現によって変わりつつあると
小鳥にとってカラスは今、天敵であると同時に良き隣人にもなったからだ

唐沢氏
「カラスは猛禽類を見つけると、群がって取り囲み、『カア、カア』とけたたましく鳴いて追い払おうとします。その声に気付いた小鳥や水鳥はいち早く天敵の襲来を察知し、逃げられます。また、カラスが猛禽類をモビングすると、小鳥たちもカラスと一緒になって猛禽類を追い払おうとしている様子も確認しています」
最近、地面でチュンチュンと鳴きながら、跳ねるスズメを見かけなくなったという人もいるだろう
実はこれも生存戦略の一つ

『電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる?』などの著書がある北海道教育大学教育学部教授の三上修氏
「スズメなどの小鳥は電柱にいることが多いのですが、これはオオタカやハヤブサなど街中で狩りをする猛禽類にとってはとても厄介なのです。電線は木の枝のようにしならず、かすっただけでも一発で骨折して飛べなくなってしまうからです。小鳥たちもまた都市環境を上手く利用し、天敵から逃れて暮らしているのです」

とはいえ、都市進出した猛禽類の勢いは凄まじい。繁殖により世代交代を繰り返していけば、より都市環境に適応した個体も増えていく可能性がある。

猛禽類が都市生態系の頂点に立てば、思わぬ所で都市環境に影響が

唐沢氏
「カラスが姿を消せば、動物の死骸が街に溢れます。カラスは死骸や糞などを食べて分解する自然の掃除屋(スカベンジャー)だからです。また、猛禽類が住み着くと、その周辺に生息する小鳥類や水鳥が激減してしまいます」

ただ、カラスもこのままやられっぱなしというわけでもないようだ

五箇氏
「都会に生きるカラスは猛禽類という天敵のいない環境で世代交代を繰り返してきました。今はただ、見慣れていないから怖がっているだけという可能性も否定できない。
実際、北海道の根室半島で、たった数羽のカラスがオジロワシに喧嘩をしかけて追い払う場面に何度も出会います。都会のカラスは、いったんは退いても猛禽類を見慣れてくれば、グループで猛禽類に反撃するようになり、現在の劣勢を跳ね返してしまうかもしれません」

・・・戦国の世(今の?)を見ているみたい
その時の周りの情勢で
クっついたりハナれたり・・・

今日は~
アジアンタム レニフォルメ/Adiantum reniforme

ハイドロもどき仕様
なんかトボってく?
コケがマズい?
以前、シダの本でコケとは合わない
というような記述があった
気にもしてなかったけど・・・
とりあえず表面のコケを取り去る
どうなる?


でも
同じレニフォルメでもュウスでコケと共生してたコもいるし
???

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