2023年1月28日土曜日

弁護士会からの脅し?

ChatGPTなどのAI技術をベースにしたロボット弁護士を活用し、2023年2月に史上初のAIによる法廷弁護を行うことを目指していたスタートアップのDoNotPay
計画を断念したことを発表
DoNotPayのCEOジョシュア・ブラウダー氏は
An AI robot lawyer was set to argue in court. Real lawyers shut it down. : NPR
https://www.npr.org/2023/01/25/1151435033/a-robot-was-scheduled-to-argue-in-court-then-came-the-jail-threats
AI-powered "robot" lawyer won't argue in court after jail threats - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/robot-lawyer-wont-argue-court-jail-threats-do-not-pay/

DoNotPayが計画していたのは、ChatGPTやDaVinciなどのAIを活用して交通違反などの異議申し立てを行うロボット弁護士
ロボット弁護士の弁護を受ける人は、スマートグラスとイヤホンを装着して法廷に臨み、AIが生成して送信してきた弁論をそのまま口述
2022/12にはChatGPTを使って駐車違反の決定の取り消しをさせることに成功した人が登場
DoNotPayは最高裁判所での裁判にもロボット弁護士を投入する予定を発表していた

2023/1/21ブラウダー氏ツイートで
「2月22日13時30分、歴史が作られます。史上初めて、ロボットがアメリカの法廷で誰かの弁護をするのです。DoNotPayのAIは、法廷に立つ人の耳元で何を言うべきかを正確にささやきます。私たちは裁判の結果を発表し、事が済んだ後に詳細を共有する予定ですので、幸運を祈っていてください」
しかしDoNotPayがカリフォルニア州の裁判所で行われる交通違反切符への異議申し立てにロボット弁護士を使うことが広まると
ブラウダー氏の元には怒りの手紙が殺到
ブラウダー氏
「複数の州の弁護士会が私たちを脅してきました。ある人は、地方検事局に通報して起訴すれば懲役刑もあり得るとまで言いました」
ある州の弁護士会の関係者
「無許可の弁護は州によっては軽犯罪にあたるため、長ければ6カ月の間、郡の刑務所に入れられることになる」

DoNotPayが非難されているのはロボット弁護士を使うのに必要な答弁の記録が
多くの法廷で認められていないから
一部の裁判所では被告が補聴器を使用することを認めており、補聴器の中にはBluetooth対応の製品もあるので、DoNotPayはイヤホンの使用は合法であると判断
しかしスマートグラスやイヤホンで裁判を録画したり録音したりするには当事者全員がそれに同意する必要があり
相手側にそれを認めさせるのはムリ

あまりにも弁護士からの非難が多いため、DoNotPayはついに根負け
ロボット弁護士の出廷を断念
ブラウダー氏はTwitterで
「悪いニュースです。州弁護士会から脅迫を受けており、私がロボット弁護士を物理的な法廷に持ち込めば、彼らは私を6カ月間刑務所に入れる可能性が高いようです。DoNotPayは裁判を延期しつつ、消費者の権利にこだわっていきます」
ブラウダー氏は具体的にどの弁護士会が手紙を送ってきたのか、誰が起訴すると脅迫したのかについて話すのは拒否した上で
「DoNotPayはカリフォルニア州弁護士会を含む複数の州の弁護士会の調査を受けています」

カリフォルニア州弁護士会の主任弁護士であるジョージ・カルドナ氏
DoNotPayに直接言及することを避けながらも
「弁護士会には無許可の法律行為の疑いがある事例を調査する義務があり、潜在的な違反者には、定期的に民事訴訟や刑事訴訟に直面する可能性があることを通知しています」

2023/2の法廷でロボット弁護士に交通違反の弁護をさせる計画は頓挫しましたが
ブラウダー氏は費用のかさむ裁判を民主化させる目標を諦めていない
今後は、高額な医療費や不要なサブスクリプション、信用調査機関とのトラブルに直面した人の支援に焦点を絞って、AIをトレーニングするとのこと
アメリカのメディアのNPRに対し
「このツールを『ロボット弁護士』と呼ぶことが、多くの弁護士を怒らせたのだと思います。しかし、彼らの批判は木を見て森を見ずといったところです。技術は進歩しており、法廷のルールは非常に時代遅れなものとなりつつあります」

・・・弁護士にしたら死活問題?
過去の事例で喰ってる?弁護士
AIで消えてく職業に?
検察・裁判員も?

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