2023年1月23日月曜日

トヨタは日本を諦めつつある

日本のマスコミと日本の政治家相手に、真面目にカーボンニュートラルを進めようとしても、どうせ理解されないし、ディスられてエネルギーロスし、消耗する
意味がないし労力がもったいない
だったら、トヨタの努力を本当に喜んでくれて一緒にカーボンニュートラルに取り組んでくれるタイと一緒にやる方が・・・
このままいけば、おそらくトヨタは日本を出て行く
日本政府が35年に本当に内燃機関の全面禁止を進めるのであれば、トヨタは日本を出て行かなくては生き残れない
おそらくヘッドオフィスは、アメリカとタイに分かれる?
アメリカの拠点は安定的な成長を続ける北アメリカマーケットを軸に次世代マーケットの期待が寄せらる中南アメリカをにらみ
同じく中国経済崩壊後の成長基軸として期待されるASEANの拠点としてタイが選ばれる
既に人口縮小に突入している日本で、事業を続ける意味を見出すとしたら、母国日本に対しての愛以外に合理的な理由はない
その母国がトヨタ出遅れ、トヨタオワコンの大合唱
税制では自動車に不合理な課税で、基幹産業としての自動車を守る意思がカケラも見て取れない
トヨタは現在のASEANが工業化を進めるはるか昔、1966年からタイで自動車生産を始めている
タイのモータリゼーションを育てたのはトヨタ
中国でものづくりに、明らかに見合わない巨大なカントリーリスクが明確化した今
世界のものづくり産業はASEANへの拠点移動を粛々と進め始めており、ASEAN経済のバブル化を引き起こし始めている
少し前まで、中国生産に保険をかけるという意味でチャイナ・プラスワンといわれて、ベトナムやミャンマー、タイやインドネシアへの製造拠点確保が進められてきた
もはやそれは保険という地位を脱して、ポスト中国の着地点と見られ始めている
トヨタはそれをタイに期待している
100%子会社のダイハツは既にマレーシアとインドネシアに橋頭堡(きょうとうほ)を築き

今回提携したCPグループはタイ最大のコングロマリット
種子苗の販売からスタートして、畜産や通信などへと拡大し流通の7割を占めるともいわれるタイ経済の巨人
タイ国内にある1万2000店舗のセブン-イレブンはすべて直営
スーパーマーケットなどの流通をはじめ、それなりのホテルの食材供給なども全部このCPグループが掌握
重工業を例外として、タイ経済の支配者?
このプロジェクトにもう1つ重要な因子は、トヨタがいすゞ、日野、スズキ、ダイハツと合弁で立ち上げたCJPT(Commercial Japan Partnership)
集荷と配送をDXで効率化して物流トラックの総走行距離を大幅に削減
物流を3つの階層に分けて最適な輸送手段を選ぶことでカーボンニュートラル社会の実現を目指す
幹となるのは、高速を利用した大型トラック物流
東京と福島に設けられたそれぞれのゲートウェイターミナル間を、いすゞと日野の大型の水素燃料電池トラックで結ぶ
枝となるのは、ゲートウェイターミナルとエリアターミナルを結ぶ中距離輸送
ターミナル間の距離と標高差などを考慮して、適性によって、いすゞ、日野、トヨタなどの燃料電池の2トントラックとBEVの2トントラックを選択して輸送を行う
葉の葉脈のような役割を果たすのは地域ターミナルから各店舗や家庭への小口輸送
ここはスズキとダイハツが用意するBEVの軽トラで組み立てるという計画
東京-福島間がうまくいけば、例えば東京と愛知、愛知と広島という具合に、コピーして拡大していかれる
このシステムをタイに入れようとすれば、物流の7割を寡占しているCPの裁量で、すぐに全国規模に拡大が可能
CPの総帥である謝国民(タニン・チャラワノン)氏が首を縦に振れば、明日からでも着手できる
豊田章男氏とCPの総帥、謝国民総帥の3時間にも及ぶトップ会談の最後に謝国民氏
「私は、豊田さんの後ろを目を瞑(つむ)ってついて行きます。あなたは間違いがあればそれを正せる人だから」
彼自身、次世代はBEVだと会談のその時まで思っていた
だからなぜ水素なのかは急に納得することができない
しかし豊田氏の説明を聞いて、最後は人を信じた

キモは、すぐできること
01年から19年までの20年間に日本の自動車産業は、CO2排出量を23%削減してきた
それは軽自動車やコンパクトカーへのサイズダウン移行と、ハイブリッドの普及による明確な成果
それを自工会会長会見で豊田章男社長が何度も発表しているにもかかわらず、メディアは報道しないし政府も評価しない
同じ期間にアメリカは+9%、ドイツは+3%とCO2排出量を増加
(18年以降も上昇)
フランスですら削減幅はたった1%
ヨーロッパで最も成果を挙げたイギリスはー9%
日本の-23%は、東北大震災による原発の停止を受けてすらできることを現実的に進めてきた成果
日本政府はこれをCOP26、グラスゴー会議で訴求して、日本メソッドとして世界のCO2削減をリードすることもできたはずが
なぜかやりこめられて帰ってくる始末
むしろトヨタはカーボンニュートラルに消極的なメーカーとレッテルを貼られてしまった

豊田社長は、今回のCPとのジョイント事業について
タイ政府の首脳陣から「ありがとう」と言われたと感慨深げに語った。23年に行われるUAEのCOP28までに、トヨタとCPは、眼に見える成果を出すことを目標にしている
それが本当にうまくいけば、トヨタとCPに全てを委ねているだけで、COP28に胸を張って出ていって成果を挙げられる
「わが国は1年でこれだけの削減をやってのけた」
日本政府が無駄使いした実績という最強のカードをタイ政府は有効に使える

エンジンはオワコン
今すぐ開発や生産をやめて、BEVに全振りしない会社は出遅れ
と叫び続ける人が
しかし今リチウムがどうやっても足りない
リチウムイオン電池の価格は暴騰
彼らが主張してきた、バッテリーがどんどん安くなることを理解しないからBEVの未来を疑うのだという主張は・・・
もちろん革命的な素材が現れて、価格低減を実現する未来はあるかもしれない
が、今この時点では不確実性を大幅に増した状態
採掘量が限られている鉱物に需要が集中すれば必ず価格は高騰する
これはずっと前からトヨタも主張してきたこと
後になってみれば当たり前の話ということになるのだろうが、議論の最中ではそれが聞いてもらえなかった
既にヨーロッパも中国も現実に気付き始め水素に取り組み始めている
e-fuelなどの合成燃料を用いた内燃機関もまた視野に収め始めている
トヨタの主張に耳を貸さなかった政府は出遅れた
むしろ世界から周回遅れになってなお、BEVの現実に気付かない

りCP(チャロン・ポカパン)グループの凄さ
CPの主要事業の1つに養鶏がある
しかし途上国、海外への食品輸出に関して衛生や安全規制の不行き届きを疑われ、なかなか輸出が増えなかった時代があった
CPはそのイメージを覆すことに尽力して、先進国をしのぐ管理体制を整えた
安全、安心そして環境貢献
そのために彼らは食品の安全性のトレーサビリティやオープン化のみならず、莫大な養鶏場の鶏糞を集積
ドームに集めて発酵させ、メタンガスを取り出し、それで施設を運用するための電力を賄っている
これにはトヨタのエンジニアも驚いたという
メタンまでできていれば、水素に変換するのは極めてたやすい
メタンとは要するに炭素を核に水素が多重結合したものだから触媒を使って炭素を外してやれば水素ができる
もちろん炭素はCO2になるので回収しなければならないが
そもそもメタンとして燃やす時にはそれは燃焼ガスに含まれているので、水素にすることによって増えるわけではない
畜産の廃棄物からメタンを生成するところまでは既にできている
そこまでの準備が大変だと思っていたトヨタは、タイの、というかCPのポテンシャルに驚かされた
あとワンアクションで水素ができるのであれば水素物流は決して遠くない
次のCOPまでに成果を出すという計画は、CP自身による長年の積み重ねがあってこそ
トヨタはまずCPグループを押さえた
CPを押さえるとタイが動く、そしてCPの総帥である謝国民(タニン・チャラワノン)氏は、その名前からも明らかな様に華僑系
ASEANには華僑が経済を牛耳っている国はたくさんある
シンガポールもマレーシアもインドネシアも程度の差こそあれそういう国
タイでの成功は華僑ネットワークを通じてASEAN各国に波及する可能性が高い
タイが変わればASEANが変わる
ここで水素が必須になれば、ASEANを市場として狙いたい全ての自動車メーカーは、水素のコマを持つしかなくなる
そしてそのコマを持ってしまえば水素を否定する意味はなくなる
これはヨーロッパ・アメリカの自動車メーカーにとって魅力的ではなくなった日本のマーケットでは成立しない話
世界の自動車メーカーのトレンドがタイを起点に変わるかもしれない

・・・これを
リアルに感じられるセンセイはいるのか?

今日は~
冬の水やり

画は玄関・プチプチの中で冬を越すコ達の
主に洋ラン
さすがに零下になるとマズい
水やりも温かくなる遅い午前中、陽のある内に手早くすませる
どうしようもない時は
屋内で霧吹きで済ます

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