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古代ローマのコンクリートは、現代のコンクリートよりも信じられないほど耐久性が高い
科学者たちは長い間、何がその驚異的な強度を生み出しているのか不思議に思っていた
コンクリートが驚くほどの強度を持つだけでなく、自己修復機能を持つように思われるから
ひび割れができても時間が経つと不思議なことに消えてしまう
ローマのパンテオンはその典型
この建造物は紀元前126年頃に建てられて以来ずっと使われている
その複雑な造りのドームは今も真新しく見える
マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学の研究チームが、この謎を解明
彼らの研究成果は2023/1/6付けで査読付き学術誌『Science Advances』に掲載
論文によると、謎を解く鍵はコンクリートの中に見られる白い斑点ライムクラスト(石灰の塊)にあると
欠陥に見える白い斑点が、コンクリートを完璧なものにしていた
ライムクラストはローマ時代の建造物のほとんどに見られるが、これまで建築資材の欠陥だとされてきた
コンクリートは、モルタルという液状の結合剤と骨材(一般的には砂利、砂、小さな岩など)から構成される
ローマ時代のモルタルは石灰石を加熱した化学物質の石灰で作られていた
一般的には石灰と水を混ぜてから骨材を入れていたとされ、このような斑点はモルタルがうまく混ざらなかったことを示すものと考えられていた
しかし論文の共著者で、MITの土木環境工学教授であるアドミール・マシック(Admir Masic)は、その考え方に納得したことはなかったと
「もしローマ人が、何世紀もかけて最適化されてきた詳細なレシピに従って、優れた建設資材を作ることにあれほど力を注いだのなら、なぜ、最終的な素材を作る際によく混ぜようとしなかったのだろうか」
さらに詳しく調べた結果、この斑点は意図的に作られた可能性が高いと研究チームは結論づけた
この斑点こそがコンクリートの自己修復機能を高めるのに極めて重要であることが分かった
白い斑点となって表れるライムクラストはかなりもろいが、それが自己修復にとってよい働きをする
コンクリートにひび割れが生じるとライムクラストが砕ける
そこに水が加わるとカルシウムが水と反応して新たな結晶を作り出す
この結晶が自動的に亀裂を埋め、コンクリートを修復
研究チームは、石灰が加熱され生石灰(酸化カルシウム)になった状態でコンクリートに加えられた場合にのみ、このようなことが起こりうると考えている
窯の中で加熱された直後の石灰は非常に反応性が高く危険
この時点では生石灰は強力に脱水された状態にあり、それに接触した水はすぐに化学構造に取り込まれ、より安定した分子が生成される
その化学反応では大量のエネルギーが高温の熱とともに放出される
コンクリートを作る際、一般的にはまず生石灰に水を加えて冷まし、消石灰(水酸化カルシウム)にしたものに骨材を加える
しかしローマ人は骨材を混ぜた生石灰に水を加え、爆発的な反応をコントロールしながらコンクリートの化学組成を変えるのに十分な熱を発生させライムクラストを発生させた?
研究チームは、この原理を実際に試してみた
生石灰を使ったローマ式のコンクリートブロックと、生石灰を使わない現代式のコンクリートブロックを作り、それらをわざと壊して、ひび割れを入れた
すると、ローマ式のものは水をかけると2週間ほどで修復されたが、現代式のものは修復されなかった
・・・爆発的な反応をコントロール
コレがキモ?
最近?
バクテリアで自己修復するコンクリートが作られたとかアったけど
今日は~
オシャクジデンダ/Polypodium fauriei
葉の裏に胞子
いつのまに・・・
2023/1/29
加筆・編集
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