2021年3月28日日曜日

ミャンマー泥沼へ

2021/2/1 にクーデターが起きたミャンマー情勢はますます混迷
クーデターを起こした国軍が、デモ制圧を続ける姿勢を示し、全権掌握の既成事実づくりを頑なに進める一方
民主化勢力は臨時政府を立ち上げ、統治の正統性を主張
混乱状態が長期化しつつある中で、ミャンマーではこのところ、国軍を支援しているとして中国に対する批判の声が高まりつつある
中国側は否定しているが、3/11、ヤンゴンで国軍のクーデターに抗議する数百人のデモ隊が中国大使館に対する抗議活動を
中国製品の不買運動を呼びかける声も上がっていたが、その矢先の14日
ヤンゴンにある複数の中国系の工場が何者かの襲撃を受け、多くの中国人従業員が怪我をするという事案も発生

ミャンマーにおける中国のプレゼンスは大きい
中国にとってミャンマーは手放すことが出来ない要衝の地
中国はミャンマーが民主化プロセスを進める中、同国のインフラ整備などに巨額の資金を投じてきた(総額$1000億)
一帯一路の旗頭の下でミャンマーとの物流ルート 中国・ミャンマー経済回廊 の建設を進めており、完成すれば中国は内陸部からインド洋に抜ける大動脈と海洋進出の足がかりを得ることになる
原油・天然ガス輸送におけるマラッカ海峡の依存度を低下させるため、ミャンマーのチャウピュー港から中国雲南省につながる原油・天然ガスパイプラインも整備してきた
が、クーデターによる政情不安が、中国の虎の子である資産にとって脅威になるとの懸念を強めている

中国はアウンサンスーチー国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)政権との関係は良好だった
が、国軍はNLDが中国と近すぎるとして警戒感を強めた
このことが今回のクーデターの一因であるとされている
中国は国軍に対しても軍事協力を提案してきたが、国軍は中国と協力しながらもその影響力拡大に対する警戒を怠ることはなかった
中国は海洋輸送路確保に向けた”真珠の首飾り戦略”の一環として、ミャンマーの主要な港湾に海軍の駐留を望んできた
が、ミャンマー軍は外国軍の駐留を禁止した憲法を盾にこれを拒否してきた経緯がある
その背景には根深い反中感情がある
1990年代の軍事独裁時代に中国資本がミャンマーに流入
これにより凶悪犯罪が多発したという苦い思いがある
「中国系少数民族の武装解除がうまくいっていないのは中国の支援があるからだ」との苛立ちも
「中国との関係を取り仕切るのが自分たちの役割だ」と考える国軍
だが、2月下旬に中国との間で非公開で行った会議内容が外部に流出した
地元メデイアによれば、国軍との会議で中国側
雲南省とミャンマー西部のチャウピューを結ぶ内陸部の天然ガス・原油パイプラインの戦略的重要性を強調
警備の強化を求めてきた
デモ隊が中国に資源を送るパイプラインへの攻撃を主張していたから
中国側はさらにミャンマーでの反中感情を抑えるため、国内メデイアに圧力をかけることも要求
中国側の要求に対する国軍の回答は明らかになっていないが、国軍の後ろ盾は中国だけではない
近年インドとの関係を強化している
2019年のミャンマーのインドからの武器購入額は$1億
中国からの武器購入額$4700万を凌駕
インドは昨年ミャンマー軍に潜水艦を贈与した
インドにとってもミャンマー軍は欠かせない存在に
インドの北東部の国境地帯では中国の支援を受けているとされる少数民族武装勢力が活動
インドの要請でミャンマー軍は過去2年間、武装勢力を排除する作戦を行ってきた

中国問題のウエイトが高まるミャンマーでは、少数民族の取り込みも大きな争点になりつつある
135の少数民族が住んでいるとされるミャンマーでは1948年の独立以来、人口の約7割を占めるビルマ族による支配に不満を抱く少数民族が活動を続けてきた
国軍は少数民族の平定を担う役割を有していることを根拠に連邦議会の議席の4分の1を無条件で割り振られる特権を正当化してきた
クーデターで実権を握った国軍は少数民族の取り込みを進めている
新設された最高意志決定機関 行政評議会 メンバーの一人に西部ラカイン州の少数民族アラカン族出身者を起用
背景にはNLDが実現できなかった和平を推進したい思惑が
NLDも3月に入り、南東部のカイン州で自治拡大を求めて国軍と衝突してきたカレン族の武装組織などに接近し始めた
2021/3/8南部のタニンダーリ地域の町ミッタでは
この地域に影響力がある少数民族武装勢力が銃を携え、約2000人のデモ隊の警護に当たった
当該地域の少数民族はカレン族と中国南部の貴州省や雲南省などの山岳地帯に住むミャオ族の支系とされるモン族

もし中国系武装勢力と国軍が衝突する事態になれば、ミャンマー情勢を憂慮してきた中国が自国民保護を名目に実力行使に出る可能性
そうなれば中国と同様、ミャンマー情勢を静観していたインドも黙っていない
北東部のアルナチャルプラデシュ州を巡り中国との領土問題を抱えるインドにとって、北東部と国境を接するミャンマーが中国の勢力下に入ることはなんとしてでも阻止しなければならない

国軍はこれまで「対応を誤れば、同国がインド・中国両国間の代理戦争の場になる」ことを恐れてきたが
自らが起こしたクーデターによりその懸念がにわかに現実味を帯びてきた

2021/3/27国軍式典
ロシアのアレクサンドル・フォミン国防次官のほか、中国やインドなど8か国の代表が出席

・・・軍の上が、現場にかなりキビしい要求を

・・・このママだと国が疲弊
軍の見通しが甘かった
どう収拾するのか?

今日は~
クロッカス

ツボミ
他のコもそうだけど
雪でコロッカスの花は全滅
一番先に咲いたコだけしか花が見れなかった


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