2021年2月9日火曜日

未来のトイレに

マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツさん
開発途上国の死者数を減らすために約$2億の資金を投じて
ニューヨーク・タイムズの記者、ニコラス・クリストフさんが書いたこの記事
3世界では水で死に至る がきっかけでビル・ゲイツさんはトイレの問題に本気で取り組むことに
世界には自宅にトイレを持たない人が40億人以上
アフリカ、南アジア、中南米には、屋外で排泄をせざるをえない地域が少なくない
アフリカはとくに深刻で下痢によって年間300万人が命を失っている
幼い子どもの状況はとくにひどく、その12%が5歳の誕生日を迎えることなく息を引き取っていると
トイレの環境が整っていない地域では、排泄物を流す川の水がそのまま飲用水にされている
しかも、その川で子どもたちは水遊びまでしている
汲み取り式トイレがある村でもバキュームカーや下水処理施設はない
便器のまわりは汚れ放題で、そこで排泄をする人はほとんどいない
屋外のほうがまだまし
ビル・ゲイツさん
「僕のいる世界では下痢で子どもを失う親など、1人たりとも会ったことがない。そこで不思議に思った。世界は大量にある資源を使って撲滅策を講じているのか?」
ビル・ゲイツさんと妻のメリンダ・ゲイツが運営する慈善基金団体、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は約$2億を投じて、途上国の命を救うためのトイレと下水設備の開発を始めた

では、アフリカに先進国と同じような下水道や下水処理施設をつくればいいのか
それは、現実的ではない
$数百億ものコストがかかってしまい開発途上国には普及しない
そこで、ワシントン州セドロウーリーにあるジャニキ社のCEOで機械工学士のピーター・ジャニキさんを訪ねた
ジャニキ社は軍事用の機密部品をつくっている会社
そこに開発途上国を救うための汚水処理装置の開発を依頼
ピーター・ジャニキは最初はとまどったが、ビル・ゲイツさんの熱意に応え、装置の開発を始めた
ビル・ゲイツさん
「トイレに溜めた排泄物を燃料にできないか?」
「トイレで便を燃やして自己給電できないか?」
「トイレの機能から配管や水をなくせないのか?」

そして18カ月をかけて、水も電気も使わず排泄物を溜めるタンクもいらない汚水処理装置オムニプロセッサーを開発

(1)ウンチの水分は蒸気にする。固形物は燃やす
(2)自己発電。蒸気エンジンで汚水処理装置に電力を供給する
(3)蒸気の水は飲用にする
ビル・ゲイツさん
5分前にはウンチだった水をピーター・ジャニキさんから受け取り、ゴクゴクと飲み干してみせる

オムニプロセッサーの完成をビル・ゲイツは中国の北京で発表するがコストが・・・
この装置を1台組み立てるには約$5万かかる
なんとしても量産体制をつくり1台|500未満にしたい
それには量産でコストを下げられる製造業者を見つけなければ・・・
そこで手を挙げた会社がLIXILだった。

2018/11 LIXILがビルのトイレの量産を発表
LIXILがビル&メリンダ・ゲイツ財団とともに家庭用に世界初のReinvented Toilet試験導入に向けパートナーシップを締結
Reinvented Toiletとは、再発明されたトイレという意味
LIXILは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と世界初の家庭向けReinvented Toiletを開発し、2つ以上のマーケットへ試験導入することを視野に入れた、パートナーシップを締結
LIXILは技術、デザイン、商品開発における専門家チームを結成し、世界中の民間企業と協働しながら、試作品のトイレの開発をリードしていきます

LIXILはReinvented Toilet開発以前に、すでに発展途上国のためのトイレを開発するプロジェクトを行っていて、ゲイツ財団との交流もあった
Reinvented Toiletに取り組む前、2010年代に入り、LIXILは開発途上国向け簡易式トイレシステム、SATO(サト、SAfe TOilet)の開発にも着手していた
いかに少ない水で、いかにシンプルで、いかに衛生的で、いかに丈夫なトイレを低コストでつくるかというプロジェクト
グローバルな衛生の解決に取り組むコーポレート・レスポンシビリティ部の長島洋子さん
「開発途上国の農村地域などで、安全で衛生的なトイレがないため屋外で排泄している人がたくさんいることはご存知でしょうか。その結果、水源が汚染され、下痢性疾患により毎日約800人の子どもが命を落としていると言われています。女子児童や女性たちは用を足しに行く途中で暴力や嫌がらせの被害にさらされているのです。適切な衛生環境のない学校では、特に生理期間中の女子生徒への影響が大きく、多くの女児が中退を余儀なくされています」
SATOの便器は排泄量にもよるが、約0.2~1リットルの水で洗浄できる
カウンターウエイト式、つまり排泄物と水の重さで弁が開き、動力を使わずに閉まる方式
ハエをはじめとする虫による病原菌の媒介と悪臭を防ぐ
「ゲイツ財団ではトイレ再開発チャレンジをテーマに、さまざまなトイレプロジェクトを支援しています。簡易式トイレシステムSATOの初代モデルは、バングラデシュでの住民へのヒアリングのもとゲイツ財団の助成を受けて開発され、2013年から販売を始めました。二度目の助成ではSATOの3つの新型モデルのフィールドテストをザンビア、ケニア、ウガンダ、およびルワンダで実施しました。2016年には三度目の資金助成を受け、グローバル展開をさらに加速させています」
ビル・ゲイツさんがReinvented Toiletの試作モデルを発表した2018年までにLIXILはゲイツ財団から三度の助成を受け、すでに信頼関係が構築されていた
現在、アフリカのタンザニア、エチオピア、ナイジェリアをはじめ、アジアのインド、ネパール、バングラデシュや、さらに中南米のペルーやハイチなど38カ国1860万人以上の人がSATOのトイレシステムを利用している
「最初に進出したバングラデシュでは、2019年に事業としても黒字化を達成することができました。収益を上げる持続可能な事業でありながら、社会に貢献できることを実証できたのです。ただ、国や地域によって事情はさまざまで、衛生面における意識にも違いがあります。清潔なトイレがなぜ必要なのかを理解してもらわなくてはいけません。
そのために、多くの現地のパートナー企業や国際機関と協力して活動を進めています。地域の人たちに安全で清潔なトイレの利用を呼びかけ、衛生に関する学習プログラムの実施など、トイレの設置を増やす活動を展開しているパートナーは、ソーシャルビジネスであるSATOにとって重要な役割を担っています」

トイレをつくるだけではなく、現地の人たちの衛生面での意識を高めるための活動が必要
そして、社会貢献としてだけでなく、ビジネスとしても成立させなくてはならない
そうでなければ、それぞれの国や地域では持続しないし根付かない
そのためにSATOの各国にいる約40人のスタッフは地域の人たちとのコミュニケーションをはかり、現地に根差した活動になるように働きかけている
水まわりや住宅建材のメーカーであるからこそ、LIXILはその専門知識や規模を活用して、2025年までに1億人の衛生環境を改善することを目標に
SATOはトイレの普及活動に加えて、手洗いソリューションも始めた
2020年、新型コロナウイルスが世界中で感染拡大するなか手洗いの重要性が再認識されている
しかし世界人口の40%が家庭で手洗いの設備を利用できない状況
このような環境で暮らす人が、発開発途上国では人口の75%
水道や水や石鹸が使えていない
こういった地域の多くはSATOのトイレシステムが進出している地域
そこで上下水道が十分に整備されていない地域向けに、少量の水でも使うことのできるSATO Tapという手洗い器も開発

後発開発途上国の人々を救うべくトイレの開発は、今さまざまに展開され、世界に広がっている

・・・知らなんだ
このトイレ
我々が使ってもいいんじゃね?
先々、水は貴重品になってく
下水道のや汚水処理施設の設置、維持にはゼニがかかる
各ご家が$5万で、イロイロな施設や集合住宅でそれなりのお値段で設置できるなら
それに災害時にもトイレ難民が減るんじゃ・・・

今日は~
ヒメウラジロ/ Cheilanthes argentea
去年の5月の お姿
急須の↑のモッコリがイイ感じ
で・先日
これが・・・

・・・続く

0 件のコメント:

コメントを投稿