2021年2月11日木曜日

ビットコイン投資と会計規則の矛盾


テスラの発表を受け、ビットコイン価格は$44,000を超えて過去最高値を更新
しかし、テスラがビットコインの値上がりやこれに伴ういかなる保有価値の上昇も評価益として計上することはない
価値が減じたときは計上される
テスラは保有するビットコインを”耐用年数を確定できない無形資産”に区分しなければならない

”耐用年数を確定できない無形資産”とは、ブランドや商標などを扱う上でより一般的に使われる概念
市場取引価格が取得原価を下回るなど、何か価値を毀損する事態が起きれば、減価分を償却するのが原則
一方で、再び評価益が加算されることはない
利益を計上できるのは資産を売却するときだけ
現行の会計手法は、いわば消去のプロセスに従う
ところがビットコインのような仮想通貨は、何よりも国家政府の信用という裏付けが求められる現金のような定義には当てはまらない
金融商品の伝統的な形にも適合しない
在庫として定義されるかもしれない有形資産でもない
一方でビットコインは仮想の現金のようでもある
通貨にも近似している
ただし価値の変動は激しいし、流動性はなお乏しく、発行はアルゴリズムによっている
また投機的な金融商品の要素も多い
ビットコインをインフレヘッジ手段と見なす人たちにとっては、デジタル世界における金に相当する

今のところ現在の会計ルールは、このどの側面にも対応していない
とはいえ企業の仮想通貨投資が広がるならば、会計ルールも修正が必要になるのは間違いない
たとえ最高値更新の場面があったとしても、テスラの保有ビットコインの繰り越される簿価は、切り下がっていく可能性の方が、ほぼ間違いなく高い
テスラは原則的に、ビットコイン取得後で最も低くなったときの相場を基に資産価値を報告する

・・・百円で買ったビットコイン
相場が下がったら・・・例えば十円になったら帳簿の上の値段は十円
相場が上がって1万円になっても帳簿の上の値段は十円

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