2019年3月9日土曜日

資本主義

ぼや川より
リメイクし・古いケンカも・売る女房
・・・恐怖・・

スイスの政治家であり社会学者ジャン・ジグレールの資本主義とは何か
「まあ、資本主義が生みだした弱肉強食の理念は、根本的に打破されるべきだが、科学やテクノロジーで得た素晴らしい成果は保持されるだけでなく、向上させなければならないと思っている。人の仕事や才能、発明は我われすべての人類に共通する利益に使われるべきで、一部の人間の満足や贅沢、権力のためだけにあってはならないのだよ」
格差は人を殺す
――そう、格差はこの地球上に住む大半の人にとって憤(いきどお)りを感じるほどの現実になっている。ここで統計の話をしても退屈するだけだから、重要な数字を2つだけあげよう。
世界銀行によると、2017年度、世界的な民間多国籍企業500社――産業、商業、サービス業、金融業すべて含めて――が、世界のGDPの52.8パーセントをたたき出している
それらの経営陣はあらゆる管理体制を免れている
国からも労働組合、議会からも
彼らが実践している戦略はただ1つ
利益を最短期間で、労働者の犠牲もかえりみず、最大化すること
これら世界の支配者は、金融でも政治でも理論でも、かつてない権力を握っている
人類の歴史上、どんな皇帝も法王も、王も持ちえなかったほど大きい力
この状況が示すのが底なしの格差
犠牲者にとっては生死にかかわるほどのものだが、これが資本主義的生産様式をさらに勢いづかせている
この生産様式で富裕層の財力はつねに増えつづけ、逆に、貧困層はどんどん貧しくなっている
この格差と、剰余価値の再配分と共有を無視することから生まれたのが、最大限効率のいい資本主義的生産様式
――これは2017年の数字だが、世界の億万長者の上位にいる85人が所有する財産は
貧困層にいる世界の35億人分をあわせたものと同じ
それについて、オックスファム・インターナショナルの事務局長ウィニー・バイアンイマ「85人という、バス1台に乗れるほど少数の億万長者が、世界人口の半分の貧困層と同じくらいの財産を独占している」
南半球の国々では、毎日のように死人の山ができている
大金持ちと、その他大勢の貧困層との格差は大きくなるいっぽう
世界の上位にいる大金持ち562人の所得は、2010年から2015年のあいだに41%↑
貧困層の30億人の所得は44%↓
もっとも目にあまり、かつ弊害のある格差の1つは税金
大変な大金持ちは、税金を望み通りの額しか払っていない
どんな税制も、主権国家も彼らに対して抑えがきかない
みんなカリブ海や太平洋、その他の世界じゅうにあるタックス・ヘイヴンに籍を置いているから
タックス・ヘイヴンでは税金らしきものがない
しかもこれらの国では、法の目をかいくぐる会社や国際的な大企業を設立することができ、ケイマン諸島やバハマ諸島のように、完全な秘密主義を貫いている
大金持ちはそこにお金を隠すことができる
しかし、定期的にスキャンダルが勃発
正義感に燃える調査報道ジャーナリストが、オフショアの会社の複雑怪奇な資金計画を明るみにだす
これらのスキャンダルでは、関わりのある人物のリストが暴露される
パナマ文書、パラダイス文書,ルクス・リークスなど
パラダイス文書
2017/11
バミューダ諸島にある弁護士事務所アップルビー・インターナショナルで仕事をしていたひとりの人物が、おそらく良心の呵責(かしゃく)を感じた
10か所のタックス・ヘイヴンにあるオフショア会社の資金計画を暴露
650万件の内部文書を国際調査報道ジャーナリスト連合に送り届けた
ジャーナリストたちはこれらの資料を徹底的に分析し、数字を引きだした
そのジャーナリスト連合に属しているフランスの新聞ル・モンドの算定
毎年€3500億の税金が各国の税制を免れ、うちフランスだけで€200億になっている
富裕層が自分たちの財産を隠して税金を払わないから、国庫が空に
20世紀の後半、ヨーロッパの福祉国家は、暴走する資本主義から市民を守るため、いまとは違うふうに進展していた
”福祉国家”
19世紀の終わりに資本主義が台頭したのにともなって、いくつかの国であらわれたもので、国が介入して労働者層を多少なりとも保護すること
最初は医療保険など、試行錯誤だった
それでも第二次世界大戦後、この保護政策は社会正義に応える形で(老齢年金、失業保険、家族手当、生活保護、奨学金......など)発展していった
もちろん、社会運動や労働組合、共産主義......などの闘争が拡大するのを恐れてのことだった
福祉国家が実施したのは、社会保障や莫大な富の再配分
たとえば税金は段階的な計算表をもとに、貧困層は少額、富裕層は多く払うというやり方
また、学校や保育園、病院や公共交通機関を資金援助し、農業やスポーツ活動に補助金を与える
”だった”
とは、現在、ここまで進化した保護政策がすべてストップしている?
ユニセフによると、2017年、スペインの10歳以下の子どもの11パーセントは栄養不良の
ベルリンの貧困区の学校では、教師たちが毎朝、パンやミルクを持って学校へ行く
というのも、子どもたちの多くが朝食抜きで、お腹を空かして学校にくるから
空腹のあまり、普通の授業についていけない
一部の国では、財源不足から公共サービスを段階的に削っている
病院や公共交通機関、学校、高校、大学、港や空港、刑務所や警察まで
給与所得者の保護政策はどの国でも後退
その結果、先の見えない不安定感が家庭に漂い、明日への不安が渦巻いている
排除が徐々に進んでいる

発展途上国は先進国への債務返済に追われている
貧しい発展途上国の人たちは、先進国にお金を払うために必死に働いている
彼らは、先進国のとくに支配者階級にお金を払っている
現在、発展途上国を支配するのにもっとも有効な方法は、債務漬けにすること

お金の流れは 発展途上国 → 先進国 のほうが 先進国 → 発展途上国 より多い
貧しい国々が豊かな国に年間支払うお金は、人道支援や開発援助と称して、投資の形で受けとる金額よりも多くなっている
人々を支配するのに、機関銃やナパーム弾、装甲車などはまったく必要ない
現在は債務で事がすんでいる
そうして、たとえばアフリカ大陸ではとんでもないことが起きている
アフリカの人々の35.2%以上が深刻な栄養不良に陥っている
債務には2つ
国が負う債務のソブリン債(外国通貨建て国債)
それと民間企業が負う債務を合わせたグローバル債
を区別しなければならない
ソブリン債
発展途上国すべてを合わせた総額は――ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカは新興国に属するので除く――
2016年、$1兆5000億を超える
この債務が、貧困国にとって金縛りのようになっている
アフリカの農民の大半は、化学肥料も作物用の種も入手できず、農業銀行もなければ、強力なトラクターも、灌漑設備もない
というのも、各国政府は対外債務に押しつぶされており、国庫には農業に投資するお金が一銭もないから
少しでも入ったお金――セネガルは落花生、マリは綿の輸出で――は、債務利子や減価償却(返済)の名目で、そのままヨーロッパやアメリカの銀行に行ってしまう
結果、農業に投資するお金が一銭も残らない
ちなみにサハラ砂漠より南のアフリカ
人工的に灌漑が行われているのは農地の3%
その他の農地では、いまだに天水農業が行われ3000年前とまったく変わらない
農業機械に関して世界ではトラクターが約4000万台使われている
動物による農具がまだ3億台もある
たとえばカナダ中西部の肥沃な地サスカチュワン州の大平野では、200馬力のトラクターのおかげで農民がひとりで2000ヘクタールを耕している
しかし、発展途上国の農民27億人の大半は、現在もなお鉈(なた)や鋤(すき)だけで畑を耕している

債務は、世界の弱肉強食の理念と、グローバル化した金融資本のオリガーキーの立場を保証している
植民地からの独立が続いた時代に、世界銀行やIMF(国際通貨基金)といった国際組織が、第三世界の国々に莫大な資金を貸付け、西欧の資本主義をモデルにした工業化と、インフラの開発を推奨
植民地は消滅したが、旧宗主国は引き続き旧植民地の資源を開発し、場合によっては市場も開設した
これらの国の一部の独裁政権は貸付けを利用して武器を購入、戦争をして、国民には圧政をしいた
貧困国が銀行に利息も減価償却も払えなくなり、万策尽きると、返済の猶予や再分割、さらには債務の減額まで頼む事態に陥ってしまう
そして銀行側はこの状況を利用する
債務国の要請を、いずれにしろ一部、きわめて厳しい条件つきで受け入れる
条件とは、鉱山や電気通信の公共サービスなど、採算性のある少数企業を民営化させ、外国―つまり債権国―へ身売りさせる
あるいは、これらの国で事業展開する多国籍企業への不当な税制の特権、自国軍に装備する武器の強制的な購入etc
債務の支払いができなくなると、国は国家予算に組み込まれた支出を減額しなければならなくなる
それで苦しむのは国民
最初にくるのが底辺にいる貧困層だ
ブラジルの大地主や、インドネシアの支配階級は、公立学校が閉鎖されても困らない
子どもたちはフランスやスイス、アメリカの学校で勉強しているから
公共病院が閉鎖されたら?
これも気にしない。家族はジュネーヴの大学病院やフランスのヌイイ=シュル=セーヌのアメリカン病院、ロンドンやマイアミのクリニックで治療を受けている

負債の重圧は最初に貧困層を苦しめる
そのいちばんの原因は現在、貿易の不均衡にある
債務国は原材料、とくに農業―綿、コーヒー、砂糖、落花生、ココアなど―の輸出国であることが多い
そのために必要な生産財―機械やトラック、薬品、セメント......など――は輸入しなければならない
ところが世界市場では、この20年間、生産財の価格が6倍以上
になっているのに対し、農業産品の価格は下がりつづけている
一部の価格、コーヒーや砂糖は崩壊しているといっていいだろう。こうして債務国は、破産を避けるために新たな借り入れ契約を結ぶはめに
負債のもう1つの原因は、発展途上国の国家財政が乱脈をきわめている
買収行為がはびこり、スイスやフランス、アメリカなど先進国の民間銀行と積極的に連携した組織的な汚職が猛威をふるっている
旧ザイール、現コンゴ民主共和国の独裁者だった、故ジョセフ・デジレ・モブツ元大統領一家の財産は約$40億ドだったと
これらは先進国の銀行に隠されていた
彼が亡くなったとき、コンゴ民主共和国の対外債務は$130億にもなっていた
もう1つの原因としてあげられるのは、ここに農業産品やサービス業、産業、商業の多国籍企業、あるいは国際的な銀行がかかわっていること
これらさまざまな大企業は現在、発展途上国のおもな経済分野を支配し、多くはけた外れの利益を得ている
これらの利益の大部分は、毎年、ヨーロッパや北米、中国、日本にある本社に外国為替の形で送還され、現地の貨幣で再投資されるのはほんの一部だけ

ハゲタカファンド
発展途上国の大半は対外債務に押しつぶされそうになっている
定期的に、一部の国は返済不能になって、債権側の大銀行に利息も減価償却分も払えなくなる
その時点で、破産寸前になった国は
「わが国はもう払えません。債務を減額する相談に乗ってください」
銀行側がそれに応じることがある
彼らの理論は、1銭ももらわないより、全体の30%でも40%でももらったほうがいいというもの
そこで債務国は、債券と呼ばれる、当初の金額より70%から60%減額した新たな有価証券を発行する
しかし元の債券証書はそのまま市場に出回っている
ときを見計らって、タックス・へイヴンのバハマやキュラソー島、ジャージー島に本社を置く投資ファンドはそれらを非常な安値で買いたたき
次にニューヨークやロンドン、その他の国の裁判所に提訴して、原本の債務の100%の返済を求める
そして、たいていの場合、ハゲタカが勝訴
まさに死んだ動物や瀕死(ひんし)の動物を餌えさにするハゲタカのよう
1979年、ザンビアはルーマニアから農業用の装備品を$3000万で輸入
しかし1984年、国は支払いができなくなった
このときとばかり、ヴァージン諸島にあるファンドの一社がルーマニアの債券証書$300万で買った
そしてその会社はそのあと、元の$3000万の支払いを求めてロンドンの法廷に提訴
勝訴した会社は世界じゅうに輸出されているザンビアの銅や、ロンドンにあるザンビア政府の不動産、南アフリカに入国するザンビアのトラックなどを差し押さえた
結局、ザンビア政府は譲歩し、このハゲタカファンドに$1550万を支払うことにした
2017年現在、26社のハゲタカファンドが債務国32か国に対して48か所の裁判所に提訴しており、その訴訟手続きが227件も係争中
ハゲタカファンドが勝訴する割合は、2005年から2015年のあいだで77%
この期間に彼らが手にした利益は33% から1600%とさまざま
貧しい人たちは何からも守られていない
いくつかのケースでは、ハゲタカファンドは人さえ殺している
アフリカ南東部にある小さな農業国マラウイ
この国の国民の主食はトウモロコシで、飢饉が頻繁に起きる
政府はその対策としてトウモロコシを貯蔵していた
貯蔵庫を管轄していたのは食糧貯蔵庁で、2000年には4万のトウモロコシが貯蔵されていた
2002年、激しい干ばつによって収穫の大部分が被害を受け、人口1100万人のうち700万人が飢饉に見舞われた
ところが、政府には国民を救援するための貯蔵がもうなかった
貯蔵庫は空っぽだった
じつはその数か月前、イギリスの裁判所が食糧貯蔵庁に4万tのトウモロコシを世界市場に売るよう判決を下していた
それは、あるハゲタカファンドに同額を外貨で払うためだった
こうしてマラウイでは、数十万人の子どもも含めた老若男女が餓死
最初に債務の減額交渉が行われるとき、債権を持つ大銀行のトップが交渉テーブルにつき、債務国の財務大臣と向かい合う
交渉成立後、銀行のトップはニューヨークやパリ、ロンドン、フランクフルト、チューリッヒにあるそれぞれのオフィスに帰り
ハゲタカファンドに法外な信用貸付けを行う
国連の人権理事会で、アフリカ諸国に支援されたラテンアメリカの国が集団で
ハゲタカファンドを禁止する新しい国際協定の策定を提案したことがあった
しかし、当のハゲタカファンドのロビー活動があった?
先進国の多く―フランス、ドイツ、アメリカなどはこの提案を骨抜きに

今日は~
デンドロビウム キンギアナム /Dendrobium kingianumシルコッキー
花芽
なんか少な・・・

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