2023年7月15日土曜日

葉緑体のない新種の寄生性ミドリムシ


筑波大学は、ミドリムシの仲間で、光合成の能力を失い水田の生物に寄生するようになった新種を発見
これを発見場所の筑波の名をとってツクバヤドリミドリムシ(Euglenaformisparasitica)と命名
このミドリムシが内部で繁殖するとやがて寄生されていた動物たちは死んでしまい、内部から大量のミドリムシが飛び出して・・・

今回発見されたミドリムシは、なぜ光合成を捨てたのか?
一般的なミドリムシは光合成を行いながら泳ぐ
動物プランクトンのように動き回りながらも、植物のように光合成もできるハイブリッドなミドリムシ
このためミドリムシが動物なのか植物なのかという分類については、古くから多くの生物学者たちを悩ませてきました
しかし近年の研究により、ミドリムシはもともと原生動物だったものが植物プランクトンを取り込んだったものだと
つまり動物の一種であると考えられています
一方で以前より一部のミドリムシが他の生物に寄生して生きていることも知られていた

一般に寄生生活を長く続けていると寄生生物はどんどん単純化
持っていた機能を次々とパージしてしまうことが知られています
葉緑体を使った光合成はとても便利なシステムですが、寄生生活では生存に必要な栄養を宿主から吸収することで生きていけます
そのためわざわざ葉緑体を作ることに労力をかけるより、葉緑体を作らないで効率よく宿主から栄養を吸収する仕組みを進化させたほうが効率的
こういった、元々の能力を捨てる効率化は限度がありません
たとえば一部の寄生虫は捨てる効率化を極めた結果
体のパーツをどんどん失っていき、多細胞生物すらやめて単細胞化してしまったケース
ミドリムシの場合は最初から単細胞なので、捨てる効率化は細胞内の葉緑体に対して起きたと
そもそもどうして研究者たちは、寄生性のミドリムシの存在に気付けたのでしょうか?
寄生性ミドリムシはカイミジンコに寄生すると大増殖を起こします
寄生性のミドリムシが発見されたのは今から100年ほど前であり、古くからその存在は知られていました
ただ当時はDNA分析技術が未発達でありミドリムシの仲間とする分類も光学顕微鏡での観察によって得られた視覚的な特徴に依存
そのため長い歴史とは裏腹に、これらの寄生性ミドリムシが本当にミドリムシの仲間なのか、その進化的起源はいかなるものなのか、どのような生態の生物なのか、などは未解明なままでした
研究者たちは筑波大学近郊の水田から採集したカイミジンコやヒメウズムシなどの体内から、鞭毛を持つ微生物
いわゆる鞭毛虫を発見
これらの動物を飼育したところ、鞭毛虫は動物体内で急速に増殖する一方
寄生された動物は数日以内に死亡することが認められました
このことは、発見された鞭毛虫が致死的な寄生虫であることを強く示唆
これらの動物から単離された鞭毛虫は体外に出ると、ある種のフォームチェンジを行い、鞭毛を伸ばして遊泳するようにな
動物の体内にいたときには、このような鞭毛をつかった遊泳はみられなかった
そこで研究者たちは光学顕微鏡および電子顕微鏡での観察を行い
鞭毛虫の表面の構造、内部のミトコンドリア、赤い眼点、貯蔵物質などを調べてみました
すると全ての特徴が光合成を行うミドリムシ ユーグレナの特徴を持つことが分かりました
一方ユーグレナたちが光合成のために持つ葉緑体は、今回の観察で見られませんでした
次に研究者たちは寄生性ミドリムシからDNAを抽出し塩基配列を解読
すると寄生性ミドリムシのDNAは光合成を行うミドリムシと多くが一致することが判明
この結果は、発見された寄生性ミドリムシが寄生生活へ適応する過程で、かつて先祖が持っていたはずの葉緑体を失ってしまった可能性が
またカイミジンコのような貝虫類において、寄生性ミドリムシの存在が報告されたのは世界ではじめて

カイミジンコに対するツクバヤドリミドリムシの感染率を調べたところ40%と極めて高い
カイミジンコは水田に最も多く存在する動物の1つ
宿主を殺しながら増殖するツクバヤドリミドリムシは水田の生態系に甚大な影響を与えていると考えられます
研究者たちは水田の寄生性微生物の生態解明を進めることで、水田にかんする理解が進むと・・・

・・・なんか人の世も・・・
世に寄生するセンセイetc
社会をコワしながら
元々の働くという能力を捨てる効率化は限度が無いような・・・

今日は~
フマタ?/Humata?

4月半ば
新葉
さて、どこまで大きくなるか?
・・・今のとこ20cmくらい
前にでた、30cmにはならない
・・・肥料?

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