2023年7月17日月曜日

夜間頻尿考

死亡率が1.98倍になる夜間頻尿
夜間排尿の回数が一晩に2回以上ある高齢者は、1回以下の高齢者に比べて、死亡率が1.98倍になるという報告が
また夜間頻尿と死亡率の関係に関する複数の研究結果を統合したところ
夜間排尿の回数が一晩に2回以上あると死亡率が29%増加
3回以上になると46%増加

・・・ちょっとヤバい?

夜間にトイレに行くと、足元がふらついたり、暗くて周りが見えなかったりするため、転倒するリスクも
アメリカの研究機関からは、一晩に3回以上の夜間頻尿があると、トイレに行く際に転倒するリスクが1.28倍
転倒した際に打ちどころが悪ければ、死亡?
転倒による骨折がきっかけとなって寝たきり?
心身の健康やQOLにも大きな影響
夜中に、トイレに行くために何度も起きると、その後眠れなくなったり、眠りが浅くなったり
十分な睡眠、質の高い睡眠をとることができなく
当然のことながら意欲や集中力が低下
疲れが取れにくくなる、昼間に眠くなる、イライラしやすくなるetc
仕事でミス、自動車を運転しているときに集中できなかったり眠くなったりetc

体のさまざまなホルモンのバランスも、7時間眠ることで整う
つまり夜間頻尿で睡眠不足に陥るとホルモンのバランスが乱れ、心身にさまざまな不調が
・・・
心身の不調から、外出したり人に会ったりするのがおっくうに⇒うつ状態
70歳以上の人にとって夜間頻尿は、寿命を、そして健康寿命を左右する、非常に重要な問題

なぜ、夜間頻尿が死亡率の増加に?
夜中にいきなり冷たい便座に座ることで、急激な温度変化に伴って血圧が変動し、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などが

・・・立ってオシッコすれば・・・という問題でもないか

排尿によって血管が拡張され血圧が下がり、心臓から脳へ送られる血液の量が急激に減って、脳が酸素不足になってしまう排尿失神が・・・

なぜ年齢を重ねると、夜間頻尿に?
夜間頻尿の原因には、主に次の3つのタイプが
①夜間多尿
②膀胱蓄尿障害
③睡眠障害
糖尿病や高血圧、肥満、あるいは心疾患や腎疾患の治療薬の服用などが引き金となっているケースも
多くの場合、ホルモンの減少、腎臓機能や膀胱機能の低下、筋力の低下、睡眠のリズムの乱れなど、加齢に伴う体の変化が3つの原因を引き起す

夜間多尿は、夜間に作られる尿量が多い状態
通常、人間の一日の尿量は約1000~2000mL
一回の排尿量は約200~400mL
排尿回数は、日中は5~7回程度、夜間(就寝中)は0~1回程度
しかし、睡眠前に水分を過剰摂取したり、心疾患や腎疾患の患者さんが、睡眠前に利尿薬を服用したり
加齢により尿量を調節する抗利尿ホルモンの分泌バランスが乱れたりすると、夜間の尿量が増える
加齢による筋力や血管の収縮力の低下も、夜間多尿の原因に
筋力や血管の収縮力が低下すると血液の循環が悪くなり下半身に水分がたまる
その状態のまま横になると、下半身にたまっていた水分が上半身に移動
心臓に負担が
すると体は排尿を促す利尿ペプチドというホルモンを分泌
余計な水分を体の外に出そうとする

なお一日(24時間)に作られる尿量のうち
夜間(就寝中)に作られる量が、65歳以上の場合は3分の1(33%)以上
若年者では5分の1(20%)を超える場合、夜間多尿

膀胱畜尿障害は、膀胱に十分に尿をためることができない状態
膀胱は骨盤内にある臓器で、腎臓とは尿管でつながっている
腎臓は、細胞の活動の結果生じた老廃物や、体内の余計な塩分などを排出するため
尿を作って膀胱に送り、膀胱にある程度の量の尿がたまると、尿意を感じる
膀胱は、尿がたまるまでは風船のように膨らみ、十分にたまったら、収縮して尿を排出
通常は200mLほど尿がたまったところで尿意を感じ始め
400mLほどたまってから排尿
何らかの原因で膀胱畜尿障害になると膀胱に十分に尿をためることができず、少ない尿量でも尿意を感じてしまう
原因としては、出産や手術、病気、けがなど
特に多いのが加齢に伴う過活動膀胱や前立腺肥大症
過活動膀胱は、性別にかかわらず発生する
歳をとると血管が老化し、血流が悪くなる
すると膀胱にも、細胞の活動に必要な栄養や酸素が行き渡らなくなり、膀胱のしなやかさや弾力性が失われて・・・
血流が悪くなると膀胱壁の神経がダメージを受け、排尿筋も過活動に
結果、膀胱に十分に尿をためられなくなり、かつ膀胱が過敏に反応
少ない尿量でも尿意を感じてしまう
加齢によって骨盤底筋が衰え、骨盤の上にある臓器を支えられなくなることも過活動膀胱の原因
臓器が下垂して膀胱や尿道を圧迫し、尿意を感じやすくなる

前立腺肥大症は男性特有の病気
前立腺は、膀胱のすぐ下に尿道を取り囲むように存在している、クルミのような形をした器官
生殖に関わる働きや排尿をコントロールする
この前立腺が何らかの原因で肥大すると、尿道が圧迫され、ちょっとした刺激で尿意を感じたり
きちんと排尿ができず残尿が生じてしまったりする
原因はまだ完全に明らかになってはいません
加齢に伴うテストステロンの分泌量の低下が、前立腺肥大を招いているのではないか?

睡眠障害
寝つきが悪い、熟睡できない。夜中に目が覚めてしまうなど
睡眠に関する悩みを抱えている高齢者は多い
人間の睡眠のリズムにはメラトニンというホルモンが大きく関わっていて
メラトニンの分泌量は子どものころをピークに徐々に減っていき
高齢者の体内ではわずかな量しか作られません
そのため寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなり、ちょっとしたことで目が覚めたりする
高齢になり社会活動から遠ざかると、日中の活動量が低下
体が必要とする睡眠の量が減り
狭心症や関節リウマチなど、高齢者がかかりやすい病気からくる痛みや辛さも睡眠を妨げる
こうした原因で夜中に目が覚めたときに、たまたま尿意を感じた結果
尿意で目が覚めたと錯覚
目が覚めたときにトイレに行くことが習慣化
夜間頻尿になることも

・・・ガマンする方がイイ?
んな訳ないいか

そして睡眠障害が原因で夜間頻尿にな
眠りがさらに浅くなる悪循環

ほかに睡眠時無呼吸症候群から夜間頻尿に
糖尿病の人や高血圧の人、太っている人などは睡眠時無呼吸症候群になりやすい
睡眠中の体内では休息モードにする副交感神経が優位に
副交感神経が優位なとき私たちは尿意を感じにくく
健康なときや若いとき、昼間に比べて夜間にトイレに行くことが少ない
睡眠時無呼吸症候群になると、無呼吸状態のときに血液中の酸素濃度が低下
血圧や心拍数が上昇
すると体を緊張させる交感神経が優位に
膀胱が収縮して尿意を感じやすくなってしまう

多くの場合、夜間頻尿は、自然に治ることは期待できない
たまたま寝る前に水分を摂りすぎた日だけ、夜中に何度かトイレに行きたくなるという人
夜中にトイレで1~2回起きても、その後熟睡できるため、生活に支障がないという人
はあまり心配しなくても大丈夫
毎晩必ず2回以上目が覚めてしまい、睡眠不足になったりストレスがたまったりしているという人は、改善のための対策をとる必要が
薬を使った治療も有効ですが、寝る前の習慣を見直すことで、夜間頻尿が改善することも

水分をたくさん摂ると健康になるに医学的な根拠はない?
「高齢者はできるだけたくさん水分を摂ったほうがいい」
「夜、寝る前に水分をたくさん摂ると、血液がサラサラになり、寝ている間の脳梗塞や心筋梗塞などを予防できる」
しかし、医学的には
寝る前に水分をたくさん摂ることで、夜間や早朝の脳梗塞や心筋梗塞などを予防でき」とは証明されていない
体にとって水分は大事
極端に水分摂取量を減らすと脱水症状や熱中症などを引き起こし
ひどくなると、循環不全や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクも出てくる
ただ何事もバランスが大事
当然のことながら、水をたくさん飲めば、その分、尿の量も増え
寝る前に水分を摂りすぎることによって夜間頻尿になるケースも
寝る前だけたくさん摂るのではなく、朝から夜までの間に、こまめに水分補給を
なお、温かい飲みものと冷たい飲みものとでは、冷たい飲みもののほうが体が冷え膀胱の筋肉が縮んで、尿意を感じやすい
夜間頻尿に悩んでいる人は、できるだけ温かい飲みものを

寝る前には、できるだけカフェインやアルコールを摂らないように
カフェインには利尿作用が
アルコールにも利尿作用が
新陳代謝を促すカリウムが含まれているビールや赤ワイン、紹興酒などを飲むと、頻尿になりやすい
ビールは水などに比べ、10倍の速さで尿を作ると・・・

・・・単純に
夜中にオシッコをしない方がイイってのはNG
よく漢方薬の宣伝で
「夜中にトイレに行かなくなって、ぐっすり眠れた」etc
これヤバい

今日は~
クジャクシダ/Adiantum pedatum

4月の終わり
新しいハッパがワサワサ
多きすぎる株
少しイジめるか・・・

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