2023年5月7日日曜日

バリバリ左翼だった、老政治家が・・・

最近、かつて左派政治家として名を馳せた社民党のオットー・シリー氏(90歳)が、現在のドイツのエネルギー政策について声を上げている 
若き日のシリー氏はバリバリの左翼で、60年代の終わりから70年代の終わりにかけて、ドイツ赤軍の犯罪を裁く裁判でテロリストらの弁護士を務めたことで有名になった
日本ではあまり知られていないが、ドイツ赤軍はマルクス主義による世界革命を目指した極左グループ
最初は強盗や放火から始まり、次第に殺人へとエスカレート
ピークは77年で、誘拐した産業界の重鎮を殺害したり、ルフトハンザ機のハイジャック事件を起こしたりで、ドイツ中を恐怖に陥れた
そのテロリストの弁護士を務めた往年のシリー氏は、また、緑の党の結党の際のメンバーでもあった
当時の緑の党もニューレフトの流れを引いたかなりの極左だったが、氏はその後90年に緑の党を離党、社民党に移籍
そして、社民党が緑の党との連立で政権を握った98〜2005年、シュレーダー政権下で内相を務めた
この経歴からも察せられるように、シリー氏は終始一貫、強硬な反原発派だった
その氏が今、国民に向かってエネルギー政策の再考を必死で呼びかけている
「状況が劇的に変わったなら、政治はそれに現実的に対応しなければならない。このままではドイツは産業国としての地位を失う。それも数年先ではなく、今年の話だ」

ドイツの現政府は2021/12に始まった社民党のショルツ政権
緑の党と自民党との3党連立政権だが、一番の問題は、政権内で異常な力を奮っているのが緑の党であること
現在、その緑の党の横車で彼らのイデオロギーの実現だけを目指した政策が実行に移されており、急速にドイツ経済を潰しつつある

直近の例では、/15の脱原発
4月初めのアンケートでは、もう少し稼働を延長すべきだという声が7割近くになっていたが、緑の党のハーベック経済・気候保護相はその国民の声を無視
エネルギー危機の最中、代替エネルギーの確保もできないまま、せっかく残っていた原発3基を葬った
ドイツの脱原発に理屈はない
周辺国で多くの古い原発、中にはソ連時代の原発なども稼働しているのだから、ドイツが脱原発をしてもドイツ国民の安全が増すわけではない
また、CO2フリーの原発を徐々に減らし、その代替としてガス火力や石炭・褐炭火力を増やしていたぐらいだから温暖化防止対策とも無関係だ
・・・褐炭は不純物が多くCO2の他に汚染物質が・・・
しかも、今ではウクライナ戦争のせいで頼みの綱のガスもなくなり、引退させていた石炭・褐炭火力を復活させている
CO2排出量が劇的に増えている

なぜ? 脱原発こそが緑の党のドグマであり50年来の宿願だった
CO2がどれだけ増えても原発は止める
原発が嫌い
・・・確かにトラブった時のコワさはトンデモ無い
けど・・・

今、電気の供給は不安定で、今後ガス火力をどんどん新設するというのがハーベック氏の計画
これについては批判をかわすため
「ガス火力はまもなく水素で動かせるようになるから」
という夢物語をくっつけている
こんなことをAfD(ドイツのための選択肢)の議員が口走ったなら、たちまちフェイクニュースとして弾劾?
4月に止まった最後の3基の原発は、全体の発電量の6%を担っていた
ドイツの電気料金は、そうでなくても高いが電気代は今後さらに上がる
電気料金は一番高い電気に合わせて決まるので、今後はLNGの値段に引っ張られて
少なくとも3割は上がるだろうといわれている
まさにこの電気代の高さが産業界にとっては死活問題
フランスは原発を使い、アメリカは原発や安いガスを使い、中国は石炭も原発もガスも再エネも何でもありの上、目下のところ途上国扱いなので炭素税も払わなくてよい
産業電気の値段は、どの国をみてもドイツの1/2~1/3

ショルツ首相は選挙戦の時、電気代を抑えることが最重要課題であると言っていた
今では完全な空手形
これではメイド・イン・ジャーマニーなど競争にもならず、企業は倒産が嫌なら海外逃避しか生き延びる方法がなくなった?
現在、自動車、化学など基幹産業が次々とドイツから脱出中
出ていけない中小企業が断末魔の叫びを
巷では、すでに弱小な企業の倒産が始まっている
出ていった大企業も今後、たとえ政権が変わって政策が修正されても簡単には戻ってはこない
今、ドイツでは、まさに取り返しのつかないことが進行している

慌てたハーベック氏は4/28産業用の電気代に対する補助を増やすと発表
しかし肝心の財務相(自民党)が躊躇しているし、産業界も政府のエネルギー政策などすでに信用していない
そのハーベック氏が電力の安定とCO2削減のために、就任以来、全力で進めているきっての政策が、風力発電の増強
ドイツにはすでに陸海合わせて3万本近い風車が立っているが、それをさらに増やすと
ただ風車の問題は風の吹かない時で、それはいくら数を増やしても解決できない
それどころか、原発もない今、風車が増えれば、無風時の調整がさらに困難に
それでも現在、風車の増強がドイツの公式のエネルギー政策であることは変わらず、ハーベック氏は国土の2%を風車のために使うよう各州に要請している

産業の貧弱な北部の州では補助金目当てで風車は増えているが
経済状態が良く、風況の悪いバイエルン州、バーデン=ヴュルテンベルク州では、認可の遅れや住民の訴え、鳥や自然保護を訴える環境団体の抵抗を理由に風車の建設は進まなかった
昨年建設された風車は、バイエルン州が2基で、バーデン=ヴュルテンベルク州は1基
ただしハーベック氏は今、あらゆる圧力を行使し、今後の進展に期待している
また、北海のオフショア発電も大幅に拡張する方針で45年までに今の8倍にすると
ただ、実際問題として風車への投資は建設コストの増大や利息の高騰で青息吐息
そこでドイツ政府(連邦ネットワーク庁)は急遽、風力電気の買取費用を一気に25%引き上げると決めた
この決定はひっそりと行われたため、ほとんど誰も知らないが
値上げ分は最終的に国民の電気代に乗る
すでにEUで一番高いドイツの家庭用電気料金は、これからさらに上がる

結局、ドイツ自慢のエネルギー転換政策がもたらしたのは
CO2の削減でも、電気代の値下げでもなく、国民の膨大な負担
そして、それが改善される見込みは今のところない
それでも人々が抗議の声を上げない理由として、シリー氏は公共の議論がなされていないことを挙げている

教育界は再エネ礼賛一辺倒で、メディアが気候温暖化についての科学的な議論を取り上げない
それどころか、異論は反道徳的、反民主主義的な意見のように捻じ曲げられ、葬られる
そんな空気の中、特に若い人たちは反対意見を述べる人たちを敵視、あるいは軽蔑し
議論をする用意など全くないとシリー氏は嘆く
ドイツ人というのは、ナチの歴史の反動もあり、自分たちが正義を実行する民でありたいという願望が強い?
エネルギー転換というのは、まさにその願望の上に成り立っており
ドイツ人は自分たちが世界中に正しい道を示すつもり?

原発と化石燃料をゼロにし、再生可能エネルギー100%の世界を作るという計画は、夢と矛盾が多すぎて・・・
だから、付いてきた産業国は一国もない
その反対で、ますます明確になってきたドイツの脱線を、皆が呆れ顔で眺めている
世界の多くの国では、CO2の削減と再エネの効率的な利用は、原発と組み合わせてやるのが目下の技術では一番有効だという認識が定着し始めた
エネルギーの他国依存も最小で済む
そこで、東欧や北欧でも原発の新設・増設に舵が切り替わっている
いろいろな国で、CO2を回収・貯留するCCS技術や、大気中から直接回収するDAC技術などを鋭意開発中
反原発派がいつも持ち出す高濃度の核廃棄物の処分についても、すでにフィンランドが明確な回答を出した
原発がトイレのないマンションだ、という主張は、早晩、消えていく?
・・・これは?
相変わらず、厄介な問題

・・・地に足がついてない
短絡的?定性的?に考えてる
量を考えていない
食べさせなきゃならない口を忘れてる
前は、こんなこと無かったのに
やっぱ人は進化してない
EVにしても・・・

今日は~
キバナイカリソウ/Epimedium koreanum
4月半ば過ぎ
盛りを過ぎた?
訳でなくて
一斉に咲かなかった

昨日は強風+晴
で水やりは延期
ただシャラの樹皮が荒れてたんで
デッキブラシでゴシゴシ
これヤんないとカイガラ虫がイッパいに
下のコたちが、えらい目に・・・
で今日、水やり
主に国産のコたちを外へ

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