2023年5月29日月曜日

¥が一気に紙くず化?

 日経平均株価が3万円を超え、33年ぶりに最高値を更新
モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)元日本代表の藤巻健史さん
「インフレは止まらず、株価はバブル以来の水準に上昇している。日銀による金融引き締めが不可欠だが、そうすると日本円が一気に紙くず化する恐れがある」

日本政府と日銀は一体化し、事実上、
日銀の黒田東彦前総裁が始めた異次元緩和がそれ
財政ファイナンスを行った国はどうなるのか
通貨の価値が急速に失われ、物価上昇が勢いよく加速するハイパーインフレに陥るのは歴史の教えるところ
日銀の一番大切な仕事は物価の安定
国債を大量に保有する日銀は、長期金利の変動幅が0.25%から0.5%に上昇しただけで膨大な含み損を抱えることになった
日銀が債務超過に陥り、日本円の信頼を失う危険性がある

バブル当時の日銀総裁だった澄田智氏は、退任後の2000/12
『<真説>バブル』(日経BP社)という本の中で
「確かに87年ごろから東京の地価は2ケタの上昇率を示し、株価もかなり速いペースで上昇していました。それなのにすぐに金利引き上げを実行しなかったのは後から考えると、認識が不十分だったと考えるしかありません。そもそも消費者物価などの指標があまり過熱していないのに、のちにバブルと呼ばれる資産価格だけが上昇する現象は、日本では初めてのことで、世界でもそれまで指摘されていなかった現象でした。何よりも物価上昇やインフレといった言葉はあっても、バブルといった言葉はなかったのです。ただ、土地や株、それに書画や骨董といった資産の価額だけが急激に上昇している意味を早く見抜けなかったことについては、私がその責めを負わなければならないと思っています」

手痛い失敗をして澄田元総裁が反省をしたのに、植田総裁はその失敗を繰り返すことにならないのか
ちなみに1986年から88年まで、資産価格が急騰し始めているにもかかわらずCPIは0.5%(生鮮食品を除く全国総合)と極めて安定していた
現在の日銀の目標である2%よりはるかに低い
理由は、資産価格高騰というインフレ要因が円高騰で相殺されていたからだ
$/円は84年末の1ドル=251.58円から87年末の1ドル=122.00円まで3年間で129.58円も急騰
強烈なデフレ要因だ
現在のドル/円は円高どころか円安気味で、資産効果(株や不動産を保有している人たちがお金持ちになったつもりで消費を増やす)を加速させる方向に働いている
近い将来、バブル以上の、とんでもない狂乱物価時代がやって来るのではないか?

このように物価上昇が不気味な気配を見せているのにもかかわらず、政府はさらにインフレを加速させる政策を矢継ぎ早に打っている
石油元売り会社への補助金支給などの燃料費補助政策は、燃料の需要を抑えるどころか逆に加速させている
また賃上げ促進もインフレを促す
これらは一見、国民の生活苦に配慮し、国民にやさしい政策に思えるが
賃上げがインフレを加速させれば、実質収入の減少(労賃の上昇より物価高の方が大きい)により国民生活を窮地に追い込む
ヨーロッパ・アメリカ諸国とは逆向きの政策
5/11付日経新聞1面に掲載された、ECB総裁、物価『著しい上振れリスク』利上げ継続示唆
では「ラガルド総裁は賃上げが物価をさらに押し上げるリスクに言及し、『警戒を怠らないようにすべきだ』と述べた」
日本政府のように賃上げを推奨するのではなく逆に警戒している
賃上げ率が物価上昇に追い付かないままだと、賃上げが実質賃金を下押しするループになってしまう
国民の幸せは実質賃金の上昇であり、名目賃金の上昇ではない

デフレ時代に生きてきた若い人たちにはわからないかもしれないが、インフレは、デフレよりはるかに怖い
日本人でノーベル経済学賞に近い学者として知られた宇沢弘文氏
「インフレと大気汚染ほど怖いものはない」
物価上昇率が跳ね上がった国では
「生活苦から社会不安を招き、暴動などが起きやすい」
物価上昇も大気汚染も貧富に関係なく襲い、国民全体に不満がくすぶりやすい

このような状況においてさえ、植田総裁は、金融緩和を継続するとしばしば述べている
中立な政策を継続する、とか、デフレに戻るのを警戒し、多少の緩和姿勢を維持する
なら、まだわかる
しかし今現在、日銀は史上最強の超ド級の緩和政策を継続している
それどころか日々その緩和を加速させている
金利は史上最低の0%。日銀バランスシートは1992年末の¥48兆から今や¥700兆を超え、約14倍に膨らんでいる
日銀バランスシートの負債の大方はお金(発行銀行券+日銀当座預金)だから、お金を無茶苦茶にばらまいている
それを、さらに日々、膨れ上がらせている
もちろん歴史上、こんな超ド級の強力な緩和政策を実施したことはない
インフレがコントロール不能になりそうな状況にもかかわらず、なぜ日銀は、かたくなに史上最強の超ド級の緩和政策の解除に踏み切らないのか
緩和解除をしたくても動けない
動けば、日本の金融システムが、日銀自身が、日本円が、死んでしまうからに他ならない
緩和を解除したくても、実行すれば日本経済がたちまち終わる
だからインフレ下の超ド級の緩和政策を続けるしかない

今後、日銀ができることと言ったら、せいぜいマイナス金利の解除と長期金利上限の0.1%程度の引き上げだけ?
シミのような修正
マイナス金利の解除と聞くと大きなイベントのように聞こえるが、経済的にはなんの意味もない
マイナス金利政策とは日銀当座預金にマイナス金利を付利すること
日銀の、業態別の日銀当座預金残高(2023年4月)によると
マイナス金利の適用は¥525兆の日銀当座預金残高のうち、たったの¥22兆(2023/4/16~5/15平均残高)
日銀の当座預金残高の大部分がマイナス金利ではない
(筆者註:ゼロ金利適用残高は¥296兆、プラス金利適用残高は¥206兆)
この¥22兆をゼロ金利にしたところで、銀行の収益が気持ち上向くだけでインフレ制御には・・・

アメリカでは急ピッチで利上げを進める中でシリコンバレーバンク(SVB)やファースト・リパブリック・バンク(FRC)の銀行破綻が起きた
しかしこれは金利上昇期に過剰な長期運用/短期調達を行った、プアな経営をしていた個別銀行の問題にすぎない
しかし日本では長期金利の上限を0.5%まで引き上げる微調整は行われたものの
緩和解除はまだ始まったわけではない
それなのに地銀や生保でさえ保有債券に含み損が生じ始めている
仮に今後、日銀が緩和解除を開始すれば、金融システム全体が危機に晒される
大半の銀行が金利上昇期にもかかわらず長期運用/短期調達を過激に行っている
過去と違い、多くの国民が変動型で住宅ローンを組んでいるから
一番、ダメージを受けるのは日銀
日銀は¥581兆の長期国債の運用に対し、¥552兆もの短期調達(日銀当座預金)を行っている(4/23時点)
財政ファイナンスのせい
しかも運用サイドの保有長期国債平均利回りは令和3年度の平均で0.227%と異常に低い(=高値で国債を購入)
運用がこれほどに低い利回りなのだから長期金利が少しでも上昇すればすさまじい評価損が生じる
調達サイドの金利を上げたら、巨大な通貨発行損(負のシニョリッジ)が発生する
損のたれ流し

4/28に開かれた日銀金融政策決定会合後の記者会見で、植田総裁はNHK記者の質問に対し、重要な発言をされた
「出口といいますか、正常化を始めるプロセスが、どんどんどんどん後ろずれしていくという可能性も、またゼロではないわけで、そうすると、それは 2 年後、3 年後、4 年後ということになっちゃう可能性も、残念ですがあり得る」
これは総裁自身が、異次元緩和からの出口で、極めて危険な事態が起こりうることを認識しているからこその発言?

これほどまでにインフレが無視できなくなりつつあるにもかかわらず、日銀は史上最大のド級緩和を継続・加速させている
これこそが緩和に出口が全くない証左であり日本経済がすでに詰んでいる証左
緩和解除をする、の市場の期待/予想は金融政策会合のたびに裏切られ、超低金利は継続(シミみたいな修正は除く)するだろう
$/¥は上昇を続けインフレはさらに進み、資産インフレも加速していく

どこかの段階で世間からの「なぜ緩和を放棄しないのだ?」との強烈批判で日銀は緩和政策をギブアップせざるを得なくなる?
その日こそが日銀と日本円の終わりの日
通貨の信用が失われ¥が紙くずとなる
その日に備え、$という保険を買っておくことがご自身と家族を守る手段だと
偉大なる日本が大復興するのは、残念ながら、その試練後の話

・・・しごくマットウな・・・
まあ、色々オカシなシャバだし
ガラガラポンするしかない?
しかし腹がたつのは
お国の借金を0にできる時に
それをしなかった
人気とり?利権確保?に奔ったセンセイ
それに乗った、お役人様
国賊というのは・・・

今日は~
ニリンソウ/Anemone flaccida
4月半ば
虐げられてるのに
まだ残ってる

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