2022年9月5日月曜日

V2Hの今

電気自動車から家庭に電力を供給するというV2H(ビークル・トゥー・ホーム)
実際の導入方法やコスト、メリットは?
V2Hは注目こそされていますが、実際の導入は多くなく製品もそれほど無い
実際はHのホームではなく事業所や工場向けの製品も多く、一般家庭へ導入できる製品はニチコンのEVパワー・ステーションとそのOEM製品がほとんど

V2Hの導入が進まない原因は費用面
導入費用総額が明記されたものはあまり見ない
ニチコンのEVパワー・ステーションの最廉価なスタンダードモデル
ケーブル3m(VCG-663CN3)は機器代で¥49万8,000円(税別)という価格が出ていますが
この類の機器の特徴として実売価格が定価と離れている場合もあり
さらに買ってすぐ使えないため、いくら払えば導入できるのかが分かりづらい
使うためには電気工事だけでなく設置のための土台の工事も必要
当然ケースによって費用は変わる
太い電線を長く引き回すため材料代もばかにならず
最後には補助金でマイナスされるとなると
設置場所を実際に確認したうえで個別に詳細を検討しないと概算すら出せない
安くても数十万単位のお金がかかる
V2Hで金銭的メリットを得るのは難しく、かかるコストの数十万円で
どれだけ生活にメリットをもたらしてくれるかで考えるしかない
それでもV2Hの普及は世の中には必要な面が
例えば太陽光発電を導入している人なら、発電量は不安定で電力系統と連係しなければまともに使えないことを体感していると
不安定さを吸収する方法は蓄電
そこで、EVはほかの電気機器とは違い蓄電をして持ち歩くことが必須という特性があり
無駄なく、太陽光発電で余った電気をEVに収めるという方法をとれる
同じく不安定な再生可能エネルギーの風力発電との組み合わせにも有効

また、昨今は電力不足が
電気は作った瞬間に消費することが必要なエネルギー
発電と消費の時間帯をEVの充電池を使ってシフトができれば余力が
EVへ充電という蓄電行為は、電気の生産と消費時間帯のシフトと
不安定な再生可能電力の変動の吸収の両面に効果が
撤退してしまった会社もある家庭用のV2Hですが現在
太陽光発電では大手のシャープが太陽光発電システムのV2H対応を進めており
組み合わせるV2H機器の投入ももうすぐ
将来、V2Hシステムの導入数が上向く可能性も

V2Hという名のとおり、ビークル(クルマ)からホームに電力を供給するシステム
実態は、家庭の電力消費に応じてクルマの充電と放電をしてくれるシステム
導入して大きなメリットを感じられることはV2Hとは反対の充電機能の充実
家庭での普通充は一部の高機能タイプを除けば決められた電力で家の電力消費が大小にかかわらず充電され
同時に大電力機器を使えばブレーカーが落ちる
ところが、V2Hシステムでは家の電力消費に合わせて充電量を調整
ブレーカーを落とさずにそのとき使える最大電力で充電ができる
そして家庭用V2Hシステムでは急速充電のコネクターを使い
一般的な普通充電の3kWに対して倍の最大6kW程度で充電できる
現在では普通充電でも6kW対応車が増えてるのと同時に電力制御ができる普通充電の充電器もありますが
6kW普通充電に対応しないクルマでも6kWで充電できるなど充電性能の高さでもV2Hシステムは使える
充電を柔軟に制御できることは、特に卒FITと呼ばれる太陽光発電の買電価格上乗せ期間が終わってしまっている人にも有利
安い単価で電気を売るのではなく
あまった太陽光発電だけをクルマに蓄えられるほか
必要に応じてクルマから放電して家の電力として使えば、トータルで安く電力を使うことが可能

クルマからの家への給電の機能は、V2Hシステムの機能に依存
たとえばニチコンのV2Hシステム EVパワー・ステーションではプレミアムモデルとスタンダードモデルで違いが
プレミアムモデルでは単相3線で200V供給ができるため
IHクッキングヒーターや大きめのエアコンまで動作させることでき
通常とほぼ同じ生活が
スタンダードモデルでは100V供給しかできないため使用できる機器が限られる

ほかにも、できることや細かい挙動は機種ごとに違う
一般的にV2Hは停電時の電力供給が期待されますが
EVパワー・ステーションなど家庭用の機器は
電力網が停電した場合は一度電力供給がストップしても停電起動の指示をしないと電力が供給されない仕様
停電に気づかすに大電力機器をそのまま使い続けてしまわないための配慮
ニチコンではEVパワー・ステーションはUPS(無停電電源装置)の機能はないとしており
導入前にはできること、できないことをよく確認して

実際にV2Hを導入するにはどうしたら?
まず条件としてV2Hシステムの置き場所と、駐車場と電気配線の位置関係、電気工事と電気代の計算の問題などから、戸建て住宅へ導入がしやすい
次に、V2Hをどこに設置依頼をするかですが基本は電気工事店
ただし導入数も多くないV2HシステムですからV2Hに不慣れな電気工事店も
V2Hのシステムは太陽光発電と組み合わせることが想定され、太陽光発電の設置業者も、最近は蓄電池との組み合わせにも注力
その延長でもあるV2Hシステムの導入も多く手掛けているところも
まずは太陽光発電に強いところに相談していく
設置方法によっては太い配線を通すために家に穴を開けなければならない場合も
長期保証期間内の住宅や、家の構造上の問題を起こさないためにも
家を建てた建築業者と相談したほうがよいことも

細かい仕様やオプションの検討は、設置業者にすべて丸投げしてしまうのもあり
ただ自分でメリットとデメリットをよく把握し機種や構成は事前に念入りに調べて
導入した後のシミュレーションもしておくと見積もりを出されたあとの検討が進む

設置費用のウエイトも大きいので、見積もりはよく確認する
V2Hの導入を決めたら、次には見積もりを見て、どこに頼むか決めていくことに
費用の差が大きく出る部分が工事費
業者間の費用差もあるが、既存の家の状態によって案内容に違いが出れば大きく変わる

たとえば設置場所
V2Hシステムは、ニチコンのEVパワー・ステーションの場合で約90kgと重量があり倒れないための土台が必要
コンクリート基台を置いて済ますことが多いが、軟弱な地盤に設置するとなるとコンクリートで土台を作ることになり費用が大きく変わる

既存の電気配線との接続は、古い家に残る単相2線の100Vの家ですと家そのものの大掛かりな配線交換が必要
単相3線であっても細いケーブルで引き込んである場合も配線交換が必要
古い分電盤ならこの機会に交換したほうが全体が簡略化され安全面でも大幅向上
後から工事するよりも安くでき工事業者は電気設備の刷新を強くすすめてくるかも
ここでも場合によっては10万円単位で差が出てくる

分電盤からV2H機器まで引き回すケーブルの長さによって費用も変わる
電線は数年前に比べて2倍に高騰しているものもあり、分電盤とV2Hの間の電力ケーブルでよく使われるCVケーブル(3芯 5.5mm2)で1mあたり¥600以上
家にもよるが20m使えば¥12,000
ほかに制御用ケーブルや配管まで含めると材料費は1mあたり¥1,000以上
この金額はあくまで材料費
工事の手間も含めて実際の請求額は・・・

V2Hシステムからクルマまでの接続ケーブルの長さでも値段が変わる
ニチコンの場合、最も安いスタンダードモデルには3mと7mの仕様
その差は定価で¥5万円(税別)
クルマによって充電ソケットの場所は異なり、最も多い日産リーフは車両の先端
バックで止める駐車場で車両後方にV2Hシステムを置く場合m以上ないと先端に差し込めない
使う車種によってもケーブルの長さを考えておく

電気自動車には購入時に補助金があるように、V2Hシステムにも補助金の制度が
NeV(一般社団法人次世代自動車振興センター)の今年度の補助金を受けるには2023/1/31までに稼働させて所定の報告をすることが条件
ところがV2H機器の納期長期化の注意というお知らせがNeVのWebサイトに
実際、ニチコンの製品の納期も新規受注は2023年2月以降
・・・

補助金を受けるには最初に交付申請をして交付決定後の発注
申請から決定まで1~2カ月後
補助金額は機器代の2分の1(上限¥75万と工事費は個人宅で最大¥40万まで
ニチコンのスタンダードモデルの3mケーブル仕様(VCG-663CN3)で本体価格の半額となる最大¥24万9,000
できれば機能の面でプレミアムモデル(VCG-666CN7)を選びたいところ
その場合は定価¥79万8,000に対して補助金額は¥39万9,000円

工事費の補助金は個人向けは合計最大¥40万
細かい工事項目ごとに上限が
内訳をみると工事次第でほぼ補助金内に納めることも
この時点でニチコンのスタンダードモデルでは最低¥24万9,000から導入が可能
プレミアムモデルでも最低¥39万9,000から導入できる
地方自治体によってはNeVに加えて補助金があるところも
NeVの補助金の4分の1というところが多い
埼玉県のように1件¥10万と低価格機器に有利な補助金も

対応するクルマ
現時点で販売される日本プランドの電気自動車ならOK
問題は海外ブランドのクルマ

現在、クルマの充電コネクターは普通充電のコネクターと急速充電コネクターの2つがあり
充電容量以外に仕組みが全く違う
普通充電コネクターは交流の電気を入れてクルマ側で充電を制御
急速充電コネクターは高電圧の直流で、外部の充電器が内蔵充電池に直接アクセスに近い
電気自動車には充電コネクターが2つあり
日産リーフの場合、右が普通充電、左が急速充電のCHAdeMOのコネクター
V2HシステムはCHAdeMOのほうにつなぐ
日本の急速充電のコネクターはCHAdeMO方式で規格の上では双方向に電気をやりとり可能
V2Hに対応する給電規格が備わってる
しかし、CHAdeMOのコネクターを備えていても給電機能が無いものも
現在、CHAdeMOが備わっていて給電できるのは日本ブランドの電気自動車
日本で買える海外ブランドでは韓国のヒョンデIONIQ 5、ドイツのメルセデス・ベンツEQS、中国BYD e6くらい
急速充電コネクターの規格である、ヨーロッパ・アメリカのCCSやテスラの充電コネクターには外部給電機能がない
海外メーカーはCHAdeMOでの急速充電だけは対応
ポルシェ タイカンや、テスラ(要アダプター)など各車はCHAdeMOの急速充電器で急速充電はできる

V2Hシステムの数十万円という導入費用は手軽に買えるものではなく
万一の際のメリットや仕組みとしての面白さもあるが、クルマが出かけていては役に立たず
実際には6kWの充電ができるなど一般的な3kWの普通充電よりも高機能な充電器としてしか役立たないかも
それでも、電力網にとっては電力消費のタイムシフトや、不安定な再生可能エネルギーのバッファとして大きく役立つ可能性が
双方向の充電規格が普及していないヨーロッパでもV2G(ビークル・トゥー・グリッド=電力網)の研究が

・・・ヨーロッパのが進んでると思ってた
脱炭素といいながら地道な動きが?と同じ
なんか口だけ
あと
頻繁に充放電をする⇒電池が劣化
・・・

今日は~

ヒカゲツツジの溶岩鉢に出てきた
どうみても園芸種
まあ、ウルサクないので放置

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