2022年9月28日水曜日

一帯一路とチャイニーズ マフィア

2022/8/13タイ警察
国際刑事警察機構(ICPO)の国際指名手配に基づいて違法越境賭博犯罪の容疑でカンボジア国籍の佘智江を捕まえた
カンボジア国籍だが中国に送還されることが決まっている
その佘智江こそ、中国の国家プロジェクト一帯一路に巨額の投資もしていた佘倫凱という名で知られてた人物
ミャンマーを拠点に、オンライン詐欺、人身売買、臓器売買など闇のビジネスを東南アジア一帯で展開していた

佘智江は、湖南省の農村に1982年に生まれ、96年から広西チワン族自治区の桂林で自動車の修理やシャンプーセールス、ガードマン、マッサージ店経営など、およそ20の職業を転々
99年に、テンセントのSNS QQのチャットルームでインターネットに触れ、インターネットビジネスに乗り出すことを決意
小さな小屋を借りゲーム会社を設立
オンラインゲームを開発
その後、とある福建のボス(おそらくはマフィアであろう)と東南アジアに行き、ゲーム開発で大金を稼いだ
さらにフィリピンにまで南下
このときのゲーム開発とは、おそらく賭博ゲーム類だと?
フィリピンで2年の間に大金を稼ぎ、その後何年もこの方面で蓄財
この時のゲームのユーザーはほとんど中国大陸に住む中国人
起訴状によると、2012/10~2013/10までの間、彼は新亜、万達、帝苑、唐会などの宝くじプラットフォーム(いわゆるオンライン宝くじ、実質は詐欺)を開設
累計21.82億元を稼いだ
この事業を手伝った湖南、広西出身者8人が2013/12に逮捕されている
だが、この8人は実のところ被害者だった
彼らはフィリピンに連れていかれた後、パスポートを取り上げられ
1年弱の間、飛行機代の支払いなどを返済するとの名目で強制的に犯罪に加担させられていた
行動の自由も制限されていた

彼は中国では佘倫凱の名前で成功した東南アジア大華僑として有名人だった
2011年、わずか4万元の資金をもってフィリピンに渡り、裸一貫、事業を成功させた立志伝中の人物と著名華僑雑誌でも紹介された
公式のプロフィールによれば、2016年に香港で亜太国際ホールディングスという投資会社を設立
その後、タイ・バンコクに本部を移転
中国本土、フィリピン、カンボジア、ベトナム、タイ、マレーシア、香港、ミャンマーなどの事業に投資していった
こうして亜太国際ホールディングスは総資産$200億、従業員6000人を誇るグローバル企業になったと
2017年2月、亜太国際ホールディングスはタイの国境貿易都市メーソートと川を1本隔てたところにあるミャンマー・カイン州(旧カレン州)のシュエコッコという村の18平方キロメートル弱の土地に
およそ$150億を投資する大型都市建設プロジェクトをスタート
これがミャンマー亜太国際スマート産業新城、通称 亜太新城と呼ばれるプロジェクト
実際は中国人向けのカジノ娯楽リゾート建設プロジェクト

2019年までに、この亜太新城には中国、香港、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、カンボジア、シンガポール、ミャンマーの300企業が入居
一帯一路の中国・タイ・ミャンマー経済回廊モデルプロジェクトの1つとされた
少なくとも中国の主だったメディアでは、そのように報じられていた
2013年に中国国内で佘智江の名前で行ったオンライン越境賭博事件が発覚
フィリピン政府は一連のオンライン賭博・詐欺企業の取り締まりを強化
すると、佘智江はカンボジアに逃げた
この時、カンボジアではオンライン宝くじ企業に対して大規模な取り締まりはまだ行われていなかった
そこで彼はカンボジアパスポートを取得しカンボジア国籍華人の身分に
そのころのカンボジアは、ちょうど一帯一路に調印したばかり
急速に中国からの移民が増えていた
また中国人観光客をターゲットにした観光開発が中国企業や華僑らによって展開しつつあった
この結果、カンボジア南部の港湾都市、シアヌークビル全体が中国人向けカジノを中心としたチャイナタウンに発展
だが、このシアヌークビルでも、近年、中国人が中国人を騙す詐欺グループ拠点の告発が相次いだ
ネットの高額給与の広告につられてカンボジアに出稼ぎに来た中国人、あるいは東南アジアの中国系国民からパスポートを取り上げて監禁
監獄以下の劣悪な環境でオンライン詐欺、あるいは電話詐欺に従事させたりしていた

被害は東南アジア国籍者にも広がっていたので、周囲の国の圧力にカンボジア政府も2019年に中国と司法協力協議に調印
カンボジアにおける中国人犯罪の摘発に動き始めた
その結果、2022年初めごろから中国人グループによる中国人の集団拉致、禁固、強制労働事件が次々と発覚
犯罪容疑者として中国人カジノ経営者が逮捕されていた
シアヌークビルの犯罪拠点と佘智江との関係は今のところ不明
一帯一路プロジェクトが、チャイニーズマフィアネットワークの犯罪ビジネスに利用されているところは同じ
太平洋諸島諸国?でも、同様にチャイニーズマフィアネットワークと一帯一路が結びつく形で、オンライン詐欺や暗号通貨を使ったマネーロンダリング、麻薬犯罪などの拠点になりつつある?

2017/9/16ミャンマーのカイン州で開かれた第14回世界華僑ビジネス大会で
佘智江は現地のボンソチド将軍と呼ばれる人物と亜太新城プロジェクトの投資協議に調印
この将軍は、この地方を直接管理していた
カイン州はミャンマー東部の1つの州であるが、カレン族とミャンマー軍が長期にわたってゲリラ戦を継続
事実上、法律も警察も機能しておらず銃を持っている者が支配者
この地方で、佘智江は亜太新城と並行してKK園区という施設を作った
高い塀に囲まれ、武装の歩哨が100メートルごとに立つKK園区
だまして連れてきた中国人を監禁する施設だった
そこに監禁されている中国人たちを佘智江は子豚と呼んで人間扱いしなかった
佘智江は将軍の友人であり客人なので、彼に意見するものはなく、反抗する者、仕事をきちんとしない者、逃げようとする子豚たちに虐待
このKK園区内に1000人以上の中国人が狭く劣悪な部屋で一列に並んで座らされ
ただひたすら電話やパソコンの前で、電話詐欺やオンライン詐欺をさせられた
天文学的数字のノルマが課され、ノルマを達成されないとこん棒で殴られたり、レンガを運ばされたり、虐待された
さらに重い罰として、狭い部屋に監禁され、1日2時間しか眠らせない睡眠剥奪の拷問が行われた
また子豚そのものが商品として売買もされていた
逃げようとすると銃殺されたと

ある台湾商人
彼はかつて$17万の身代金を払ってKK園からある人物を取り戻そうとした
しかし、苦労して交渉したのち2時間待って相手側から断られた
ドバイの買い手が、この台湾商人の支払い額の5倍の額を出して同じ人物の臓器を買ったのだと
その人は医療船に乗せられてしまっており、海上で臓器を摘出され残りの遺体は海に捨てられると説明されたと

8月、KK園区の管理者が
中国、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオスなどの政府が国際的な捜査チームを立ち上げ
KK園区の詐欺および人身売買犯罪を一掃し、世界各地から集められていた被害者を救出する作戦を準備中だという噂をキャッチ
この噂を聞いて佘智江がタイに脱出したところ、タイ警察に逮捕されたと
実は、反政府ゲリラの拠点であるカイン州は政府権力が及びにくい場所で、警察も動けなかった
彼を自らタイに脱出させる作戦だった?

中国は亜太新城と一帯一路は全く関係ないとしている
ミャンマーの中国大使館
「亜太新城プロジェクトは第三国の投資であり、一帯一路となんら関係ない。中国・ミャンマー政府ともにこの点について明確なコンセンサスがある」
「中国は、越境賭博問題に対して一貫して明確な立場をとっており、中国資本が現地の賭博場に投資することは許さないし、中国人が現地の賭博場経営に参与することも許さない。また中国人をこうした賭博場に誘致することも許さない。中国はミャンマー側と執法安全協力を強化し、違法賭博の取り締まりに力を入れ、電信詐欺など越境犯罪活動を取り締まり、両国の社会治安、人民の生命、財産の安全を守っていく」

佘智江は2020/7まで、中国共産党華僑聯合の常務副会長だった
2019/7、亜太新城プロジェクトに関して、中国国際経済交流センター(CCIEE)と、佘智江の企業、亜太国際ホールディングスの調印式が北京で行われ、多くの中国メディアに報じられている
CCIEEは発展改革委員会が主管する経済研究機構
中国共産党のハイレベルのシンクタンク
佘智江は、このとき亜太新城プロジェクトが一帯一路の実践であるだけでなく
民営企業が国家の一帯一路樹立を支援する1つのモデルとして重要な意義がある、とコメント
誰が見ても、CCIEEがコンサルを引き受けて進められている正式な一帯一路プロジェクト
さらに、2018/11に習近平がフィリピンを公式訪問したとき
フィリピン大統領ドゥテルテ主催の晩餐に佘智江も招待され、習近平とも会って親しそうにしている様子も報じられている

アメリカ平和研究所(USIP)はミャンマー賭博都市の問題について
中国と越境ネット犯罪の関与についてのリポートをまとめ、中国共産党がミャンマーの浸透工作にこうした怪しげな華僑マフィアを使う手法を指摘していた
報告書によれば、元マカオの著名な武闘派マフィアで
今は中国共産党の党員で政治協商委員になっている尹国駒、通称 歯かけの駒が経営する香港東美集団も
2020年にミャンマーのミャオワディに$180億を投資してシアヌークビル・カジノ建設プロジェクトを進めている
トランプ政権は2019年に彼をグローバル・マグニツキー法(人権侵害への制裁)に基づく制裁リストに含めていた
こうしたことから想像されるのは、中国の一帯一路プロジェクトは、チャイニーズマフィアによるさまざまな犯罪に利用されている?
それを利用して中国共産党が東南アジアの政治経済に浸透しようとしていた可能性も

・・・何やってんだか

今日は~
セッコク/Dendrobium moniliforme石鎚達磨

急須・ハイドロもどき仕様
調子を崩し・・・崩御
整理した高芽を・・・
なかなかイイ高芽
プっくらして・・・

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