2022年9月27日火曜日

魚が獲れないは世界で日本だけ?

サンマ、サケ、スルメイカをはじめ、漁獲量の減少に関する報道が・・・
時折、前年よりも増加などという報道もされますが、それはすでに、ものすごく減少した漁獲量に対してである場合がほとんど
10~20年単位でみていくと大した増加ではなく、ほぼ全魚種が減少を続ける傾向
日本の漁獲量が減少している、という報道はされても
世界全体では増加している、という報道は?

水産白書のデータ
学校の教科書には、このデータから日本の水揚げ量が減少している部分のグラフだけが載せられる
このため1977年に設定された200海里漁業専管水域により
遠洋漁業の衰退などにより魚が獲れなくなり、後継者不足や高齢化で大変な1次産業と
先生が児童や生徒に教えてる
世界全体の漁獲量推移のグラフを見ると
天然と養殖を合わせ右肩上がりに増えてる
1988年に1億tに達した水揚げ量は、2020年では2億tと倍増
天然と養殖物について見てみると、天然物が横ばいであるのに対し
養殖物の数量が著しく伸びてる
天然魚の水揚量は頭打ちのように見えるが実態はそうではない
わが国は獲れるだけ獲ろうとしてそれでも獲れない
一方で、北ヨーロッパ、北アメリカ、オセアニアなどの漁業先進国は
実際に漁獲できる数量より大幅に天然魚の漁獲量を制限
そして漁業で成功している国に共通しているのが、サスティナビリティを考慮している点
世界では漁獲量の増加が進んできた時期に
日本では1200万tから400万tへと逆に3分1に激減
世界全体の水揚量は増え続けているのに、日本だけが多くの魚で減り続けてる
しかしこの現実は、一般にどころか、社会科を教えているような先生方にも、ほとんど知られてない
それは、先生方がその現実を学ぶ機会がほとんどないから

世界銀行の発表をみると、日本がいかに特例であるかがわかる
世界銀行が2010年と2030年の海域別の水揚量を予測したこの表
世界全体では23.6%増えているのに、日本の海域だけが-9%
しかも2030年を待たずして2015年で460万トンにまで減っており
前倒しで悪化
2021年は417万tで減少が止まらない
今年2022年にFAO(国連食糧農業機関)から発表された2020年比の2030年の日本の予想は7.5%の減少見込み
一方で、世界全体では13.7%の増加と予想

日本の水揚げが大幅に減った原因として、マイワシの水揚げが減少していることが理由になったりしてる
しかしこれは誤りで、マイワシの水揚げは、東日本大震災があった2011年以降は急激に増えており、逆に全体の水揚げ減少を抑える要因に
ほかにも獲りすぎが起きている、と本当の理由を言わずに責任転嫁している例として
海水温の上昇がよくあがる
もちろん海水温は資源の増減に影響しますが、日本の海の周りにだけ起きている現象ではない
外国の船が獲ってしまうから、という理由も
しかしながらこれも、マダラ、ハタハタ、イカナゴをはじめ、外国漁船の影響はあまり関係がないケースがほとんど
サンマについては、国際資源
これも公海での国別の漁獲量さえ決まっていない現状では、外国ばかりを非難しても仕方がない
漁獲量の減少理由を、クジラのせいだと誤解している方も
クジラはたくさんの小魚などを食べます
IWC(国際捕鯨委員会)からの脱退で日本が調査捕鯨をやめた海域は南氷洋で、そこでは最も多くクジラが生息
日本の周りにばかり、魚をたくさん食べてしまうクジラがいるのではない
クジラはエサになる水産資源が豊富な海域に来る
次の表で太平洋と大西洋、そして南氷洋に生息するクジラの推定生息数を比べると
最も資源量が多いミンククジラは、日本の周りを含む太平洋(推定約2.4万頭)より、大西洋のほうが推定生息数が多い(推定約14.5万頭)
南氷洋はさらに多い(推定51.5万頭)
つまり、クジラが食べる影響についても、日本だけ特別に影響があるわけではなく
ノルウェー、アイスランドなどのほうが、影響が多いことが予想できる
しかし魚の資源量では、マダラ、マサバ、ニシンなど同じ魚種でもそれらの国々のほうが資源量が多く、サイズも大きい

スルメイカが獲れない、というニュースを聞いたことがあるかと
その原因として挙がるのが、外国船による操業
ただ日本では、写真のように生まれたばかりと思われる小さなスルメイカを獲って売っている
これでいいのか?

日本の水産資源を復活させる方法にはすでに答えがある
その答えは科学的根拠に基づく資源管理
魚種ごとに漁獲枠を決め、沿岸漁業に配慮しながら漁法ごとに漁獲枠を配分
さらにそれを漁業者や漁船ごとに配分する(個別割当方式=IQ,ITQ,IVQなど)
わが国の場合は、国際合意があるクロマグロを除き、漁獲枠が大きすぎてまだ資源管理が機能していない
枠の配分を見直す(少なくする)ことで、漁業者は自ら価値が低い小さな魚や、脂がのっていないなどの価値が低い時期に魚を獲らなくなる
魚の価値は上がり、産卵して資源を増やす機会が増えてウィンウィンに
現在は
魚が獲れない⇒小さな魚まで獲る⇒魚が減る⇒魚が獲れないという悪循環
水産庁が進めようとしている改正漁業法に基づく改革に反対するのではなく
さらに進めていくために、正しい知識に基づく国民の理解とサポートが重要

・・・えっ、そうなの?

今日は~
イワホウライシダ/Adiantum ogasawarense
中国オニマメズタ/Lemmaphyllum pyriforme Ching

宿主 中国オニマメズタ
間借り人 イワホウライシダ








分離・植替え
両方、ミズゴケ植えに
イワホウライシダは先日のまとめて植えたコ

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