2022年9月30日金曜日

$ 一人勝ち

各国が相次いで利上げや自国通貨を買い支える為替介入に乗り出しているにもかかわらず、$の高騰は止まらず
これは、各国にとってこの逆通貨戦争には絶望的な未来が待っている
超タカ派的なアメリカ連邦準備理事会(FRB)に勝負を挑んだとしても$には勝てない

今年の9月第3週、FRBが3会合連続の0.75%幅の利上げに動くとともに、さらなる引き締めを約束
世界中の市場が足元から崩れる中で$だけが↑
アメリカ以外の世界にとって$高は各自の経済と金融市場に大打撃を与える
投資家はこれらの国・地域の通貨を一層敬遠して$に向かうという悪循環が強まる

スウェーデンの中央銀行は1993年以降で最も大幅な1.0%利上げに踏み切って市場を驚かせた
だがスウェーデンクローナは対ドルで1週間に4%余り下落,過去最安値を更新
ヨーロッパ中央銀行(ECB)も0.75%利上げ、追加利上げを約束したのに€の下げをとめられず23日には$0.97/€と20年ぶりの安値

通貨戦争という言葉は2010年に当時ブラジル財務相だったグイド・マンテガ氏が名付け親
世界金融危機後、先進国間で成長てこ入れとデフレ防止のために相次いで通貨安政策が採用された局面を指す
ところが今は、新型コロナウイルスのパンデミックが和らぐとともに世界中にインフレの波が押し寄せ、事態は完全に逆転
主要中銀は競うように利上げに走り、何とか自国通貨の価値を高めることでインフレを抑え込もうとしている
ただこの逆通貨戦争はFRBと$に立ち向かっても勝ち目が非常に乏しい

国際通貨基金(IMF)が7月に公表した論文は、1990年~2018年まで先進国と新興国合計26カ国で行われた為替介入を分析した結果
「長期的なマクロ経済要因に起因する為替レートの適正水準からのかい離を介入で減殺させようとしても効果を発揮する公算は乏しい」
自国通貨売りの方が自国通貨買いよりまだ効果が期待でき、相対的に流動性が高い外為市場では介入効果は弱まる
つまり中銀が目的を果たせる可能性がより大きいのは、伝統的な通貨戦争の下で自国通貨を売って通貨価値を低く保ち、競争力を維持する政策
自国通貨買い・$売り介入の場合ではない

$高の打撃は世界各国が感じているが、恐らく最も痛感しているのは日本とイギリス
¥は対ドルで24年ぶりの安値となり、日本政府と日銀は1998年以降で初めて¥買い介入を実行
£/$も37年ぶり安値まで売り込まれ、イギリス国債が歴史的急落
イングランド銀(BOE)もこれまでで最も厳しい局面に置かれた

日本政府・日銀は¥150/$へと向かう流れをようやく食い止めたとはいえ、市場関係者は介入効果が長続きするか疑問視
・・・アタリマエ
日本政府の外貨準備は$1兆3000億相当あり、その大半が$建て資産
しかしそれだけの規模でも限りがあり円買い介入能力はいつまでも続けられない
また円買い介入は、日銀が長短金利をほぼゼロにする政策運営を継続し、FRBが利上げに動く限り成功しにくい

BOEは、£急落によってイギリスがヨーロッパ為替メカニズム(ERM)離脱を迫られた1992/9/16のブラックウェンズデーのトラウマをなお引きずっており
今回まだ£買い介入には動いていない
しかしクワーテング財務相が23日に打ち出した積極財政政策に市場が否定的評価を
£安が進んで、BOEに何んとかせーよと・・・
$/£は23日に3.5%も↓
1日の下落率としてこれより大きかったケースは、50年前に変動相場制が始まってからわずか6回しかない
イギリス国債の値崩れはもっと激しかった
5年債利回りは1週間でほぼ1.0%上がり、上昇幅が過去最大
10年債利回りの上昇幅も約0.7%と、1981年以来で一番大きかった

ドイツ銀行のジョージ・サラベロス氏
「今の事態に必要な政策対応は誰の目にも明らかだ。すなわち早ければ次週にも大幅な緊急利上げを行って市場の信認を取り戻すことに尽きる」

HSBC
世界中のマルチ資産の資金配分について、株式と高利回り社債、先進国のソブリン債のいずれも最大限のアンダーウエートを維持していると
「ただ1つだけ堅調を維持している主要資産が$だ」

 大荒れの様相を呈している最近の外国為替市場について、取引するトレーダー
まるでカジノのようだ」
過去1週間の為替市場は波乱の展開
£は最安値に急落し、日本政府・日銀は¥買い介入を実施
€/$は等価割れの水準で一段と値を下げた
最強通貨の$は20年ぶりの高値で取引されており、一部の市場関係者は乱高下が収まる兆しはないと
マネックスUSAのバイスプレジデント(ディーリング・トレーディング担当)、ジョン・ドイル氏
「現時点ではまるでカジノのようだ」
顧客に対しリスクを十分に警戒するよう助言しており、社内でも過剰なリスクを取らないよう規律を徹底していると

ロンドンの決済会社キャクストンの市場情報担当トップ、マイケル・ブラウン氏
「ここ数日は忙殺されており、睡眠不足だ。11時半に就寝しても、£が最安値に下落して3時半に目が覚める。あまり楽しいとは言えない」
・・・ってより
冷や汗を・・・

ヘッジファンド、クロフォード・ベンチャーズのアクシャイ・カンボジ共同最高投資責任者
£の大幅な調整は予想していたが
「ここまで大幅な調整は予想していなかった」
「われわれのチームは世界の複数の拠点から24時間体制で働いている」
£の方向性はイングランド銀行(イギリス中央銀行)の対応に完全に左右されるため、£取引はしていないと
・・・賢明

CIBCキャピタル・マーケッツの北米FX戦略責任者、ビパン・ライ氏
「無秩序な動きが続く下地がまだあるように思える」
主因は$高で、今後の$の見通しはFRBのタカ派度合いに左右されると

$一強の背景には、アメリカ金利上昇、相対的に好調なアメリカ経済、国際金融市場の混乱に伴う避難通貨買いが
これに加えてヨーロッパのエネルギー危機が€の重しに
イギリスの財政悪化懸念が£の重しに
日本・アメリカ金利差が¥の重しに

為替取引に乱高下はつき物だが、ここまでさまざまなリスクが重なるのはまれ
前回乱高下した2020/3は、各国の政策当局が新型コロナウイルスの流行にほぼ一致した対応を示したが
今回は各国中銀が物価高・通貨安に独自の対応を進めている

為替・債券トレーダーを20年務めたFXDキャピタルのクリス・ハドルストン最高経営責任者(CEO)
「以前はマクロ経済がテーマだったが、今回は中銀の対応がテーマだ。利上げ競争になっている」

モルガン・スタンレーは、国際金融市場にとって$高の継続は良い兆候とは言えない
「過去の例を振り返ると、こうした$高は金融危機・経済危機につながっている。何かが壊れるのを警戒すべき時期があるとすれば、今がそうだろう」

そんな中、勇者現る
世界に金融危機の嵐が吹き荒れていた2007~2008年にかけ、一人のヘッジファンドマネジャーがボラティリティートレーディングで$27億の利益を上げ、一躍時の人となったスティーブン・ディグル氏
2022/9/26小型ファンドの資産10%を史上最安値に沈んだ£買い
$で利益を得て、£でコストを賄う企業の株を中心としたイギリス投資の資金調達が目的
銘柄名やファンドの規模には言及していない
「トレーディングの底値を言い当てることはしない。そんなことは誰にも分かるはずがない」
「しかし5年、あるいは10年平均と比べれば今の£は非常に割安だ」
ディグル氏が2001年に共同創業したボラティリティーファンド アルトラディス・ファンド・マネジメントは
07年と08年に大もうけしたことでその名を知られるようになった
同氏のファミリーオフィス、バルピス・インベストメント・マネジメントは後にバイオテクノロジーのベンチャーやニュージーランドのアボカド農園、ドイツの不動産など幅広い資産に投資
中でもヨーロッパの軍需関連企業への投資は、ロシアのウクライナ侵攻で株価↑
ディグル氏は£買いが単なる投機的な取引ではないと
会社のイギリス投資が£を必要としているためだと
政府の経済対策に対する荒れた反応が正当化される理由は分からないと
イギリスのGDPに対する債務の比率はG7の中で低い方に位置するため
イギリス政府にはこうした政策の余地がいくらかあると
「減税は好ましい。イギリスの税率は高過ぎるところに上がってしまい、成長を抑えていると考えられる」

・・・なら日本はもっとダメダメじゃん
これから秋~冬と
まさに冬の時代に?

今日は~
ニラ

庭にいつしか生えてきた
9月開花

2022/10/2
修正

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