2022年4月26日火曜日

おそロシアの次の標的?

2022/4/22ロシア軍中央軍管区のルスタム・ミンネカエフ司令官代理
ウクライナ南部からモルドバの沿ドニエストルに至る"陸の回廊"構築を目指していると示唆
これを受け、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ以外のヨーロッパ諸国にも侵攻を拡大するのでは?

沿ドニエストルはモルドバ領内、ウクライナ国境とドニエストル川に挟まれた細長い地域
ロシア系住民が多く、ソ連崩壊後の1990年にソ連から独立したモルドバからの分離独立を一方的に宣言
これが武力紛争に発展し、ロシア軍が介入
沿ドニエストルには今もモルドバ政府の支配は及んでおらず、1500人ほどのロシア軍部隊が平和維持軍として駐留
ロシア政府は沿ドニエストルの独立を承認こそしていないものの
この凍結された紛争を使ってモルドバがNATOやEUとの関係を強化するのを食い止めてきた
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はミンネカエフ司令官代理の発言について
ロシアのウクライナ侵攻は始まりに過ぎず
その次には他の国々をわが物にするつもりである・・・

もっとも、ロシア軍による沿ドニエストルの制圧が可能かどうかについては?も
沿ドニエストルにたどり着く以前の問題として
ウクライナ南西部への侵攻がロシアの思うように進んでいないから
一部の専門家からは、その種の攻撃を行う能力がロシアにあるのか?とする声も

ステファン・ウルフ(英バーミンガム大学教授、国際安全保障論)
「ロシアの勢力圏として、ロシアの超大国という地位の土台として、可能な限り旧ソ連を再構築しようというプーチンの戦略に合致するという意味で、可能性としては考えられるという程度の話だ」
「2014年以降にウクライナで起きたこと、そしてジョージアでこれまでに起きたことは、近隣諸国に対する影響力が弱まると、最終的に領土を奪うという(プーチンの)アプローチに合致している」
「そのアプローチをモルドバで使うには、今、プーチンが構築を望んでいるかも知れないつながった陸地が必要だ。その実現のためには軍事能力が必要だ。(だが)今のところ、ドンバスにおいてさえ、ロシアが大きな前進を遂げているようには思えない」
「だが、こうしたいわゆる第2段階の目標実現(に向けてロシアが動く)という見通しは非常に懸念すべきものだ。そうなれば紛争がNATO諸国の国境にずっと近くなる。昨年12月にプーチンは(NATOの不拡大を求める)提案をしてNATO側の同意を得ることができなかったが、これを武力で実現しようと考えるようになるかも知れない」

デービッド・リベラ(ハミルトン大学客員准教授、行政学)
「クレムリンがウクライナ侵攻を正当化する理由として挙げてきたこと、つまりロシア系住民やロシア語話者の文化的・言語的抑圧や物理的な抑圧からの保護といったものは、モルドバの沿ドニエストルにも容易に適用できるだろう」
「モルドバが侵略の危機に瀕しているかどうかは、ロシアがそうした筋書きに手を出し、モルドバ政府を沿ドニエストル住民への『ジェノサイド』で非難し始めたら分かる」
「こうした非難はロシア政府による厳しい情報統制下の世界の外にいる人間には通用しないが、いいカムフラージュになり、ロシア連邦市民の(政府への)支持を高める効果がある」

アレクサンダー・モンゴメリー(リード大学教授、政治学)
「ソ連の解体以降、ロシアが国外の多くの地域への影響力(の拡大)を求めてきたのは明らかだ。つまり、中期的な目標は沿ドニエストルからクリミアをつなぎ、(帝政ロシア時代のウクライナ南部の地域名である)『ノボロシア』を復活させることなのかも知れない。ノボロシアは行政単位としては1世紀も続かなかったのだが」
「これまでのロシア軍の働きぶり、そして現在の疲弊した部隊の状況から、ロシアは中期目標よりはるかに規模の小さな(クリミアへの陸上回廊を作りドンバスを支配するという)短期的目標すら達成できないかも知れない」
「ロシアは自国からほんの200〜300km以上離れると、制圧した地域を維持できないことが明らかになっている。(沿ドニエストルまで手を伸ばすなら)ミコライウやヘルソンのような、ウクライナ軍に部分的にであれ奪い返された都市を、ウクライナの激しい抵抗に遭いながら(再び)奪わなければならないだろう」
「マリウポリの(ウクライナ側の)防衛軍の最後の陣地の攻撃をあきらめたことで、ロシアが沿ドニエストルにまで手を伸ばすことは不可能になったと言える。それでも沿ドニエストルへの経済的支援や軍事的支援を通して問題を起こすことはできる」

クリス・ドーラン(レバノンバレー大学教授、政治学)
「今年2月にロシアがウクライナに侵攻する前は、NATOがモルドバを受け入れるなど考えにくかった。なぜなら『凍結された紛争』により、ロシアとの軍事衝突に引きずり込まれる可能性があったからだ」
「だが状況は変わるかも知れない。フィンランドやスウェーデンがNATO加盟を検討し始めたのと同じように」
「NATOにとっての問題は、ロシア軍が沿ドニエストルに部隊を駐留させているおかげで、ロシアは東欧における権益を守るために軍をすぐに動かせるし、ロシア語話者や(ロシア系の)マイノリティの代理人としてのプレゼンスを維持できることだ」

・・・おそロシア

今日も~
タツタソウ/Jeffersonia dubia

4月はじめ
セツブンソウの領地にでたコ
セツブンソウに埋まるように咲いてる

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