2021年12月22日水曜日

技術流出は止められない

 2021/11/25中国のMoore Threads Technologyが、同国の企業として初めてフル機能の
「さまざまなコンピューティングパワーを統合した標準的なGPUで、スーパーコンピューティング・プラットフォームを効果的に構築」
設立から300日足らずで開発に成功した、と説明
パートナー企業が運用する中国国産のCPUやプラットフォームにシームレスに統合することを目指す
全て中国製の知的財産権をベースにしてると

Moore Threadsの非常にシンプルなWebサイト
同社の設立は2020/10
事業として、GPUチップおよび関連製品の開発・設計のほか、データセンター、エッジコンピューティング、ハイパフォーマンスPCやワークステーション向けプラットフォーム構築、そして中国のパートナーへの技術提供などを挙げている
掲げるスローガンは「同時実行スレッド数を2年ごとに2倍にする」
「半導体の集積率は18カ月で2倍になる」というムーアの法則からとった言葉
社名のムーアのスレッドにもなっている

基盤技術、性能、製造プロセスなどの説明は全くなく、テクノロジーのレベルは?
ただ、共同創業者でCTOのYubo Zhang氏の経歴が
Zhang氏は中国・浙江大学、香港浸会大学を経て、カリフォルニア大学デービス校でコンピューターサイエンスの博士号を取得
2014年にNVIDIAのシニアGPUアーキテクトとなり、トヨタも出資する自動運転スタートアップのPony.aiに2017年に移った後
昨年Moore Threadsを起業

CEOで社長のJams Zhang氏
2006年からNVIDIAのバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー(中国)を務めていた
同社は元NVIDIAをコアメンバーに、Microsoft、Intel、AMD、ARMなどの人材が集まっていると・・・

中国では、ここ数年、多くのチップベンチャーが立ち上がっている
同国の有力経済メディアCaixin Global(財新)は8/11付で
NVIDAに対抗するため、複数のベンチャーが膨大な資金を投入して、次世代チップの開発を加速している
背景には、中国政府の半導体生産の自立化政策と
世界的な半導体不足の追い風がある
とりわけAI技術の根幹となるGPGPU(汎用GPU)開発が活発
Moore Threadsはその中の1社
他に、2015年設立のIluvatar CoreXや、2019年設立のBiren Technology
2020年に元AMDの2人が創設したMetaX Integrated Circuit
etc
それぞれ活躍していて、Iluvatar CoreXは3月に7nm技術を採用した中国初のGPGPUを発表
Birenは47億元の資金調達に成功し
評価額は100億元を超えた
Moore Threadsは、これらに続く新興企業で、2回の資金調達で数十億元を調達しているという

Caixinによると、中国の半導体スタートアップは混戦状態
獲得した資金を活用しながら、人材獲得を進めており
NVIDAやAMD、他の大手半導体企業のベテランを採用している

Moore ThreadsののWebサイト
大量の求人が掲載されている
GPUやSoCの設計、テストなどのエンジニアから、マーケティング、ファイナンス、労務管理まで、HRまであらゆる職種に及んでいる
しかも、勤務地が、北京、西安、武漢、成都、上海、杭州など、主要都市に広がる
猛烈な勢いで体制を整えている

こうした活動を支える資金は、政府の支援に加えて、ベンチャーキャピタルが提供している
例えば、Birenには、Hillhouse Group、Walden International China、BAI Capital etc
MetaXには、Lightspeed China Partners、Sequoia Capital、ZhenFund etc
アメリカ(またはその中国現地法人)もかなり参加
このことがアメリカで問題視されるように

2021/11/12Wall Street Journal
「チップ支配を狙う中国を、安全保障上の懸念にもかかわらずアメリカ企業が助けている」
と題した記事で
中国半導体産業へのアメリカからの投資状況を報じている
アメリカのベンチャーキャピタル、チップ業界大手、個人投資家などが
2017年~2020年までに中国の半導体業界で58件の投資取引に参加
その数は過去4年間の2倍以上
特にシリコンバレーのベンチャーキャピタルが投資を拡大
Sequoia Capital、Lightspeed Venture Partners、Matrix Partners、Redpoint Venturesの4社は現地関連会社などを通じて
2020年以降、少なくとも67件の投資を行っていた
「アメリカ・中国はともに将来の地政学的優位のために重要なテクノロジーを支配しようとしており、この投資の波は両国の競争の火種となっている。半導体は、モバイルフォンからAI、核兵器まであらゆるものを支えているのだ」

この“中国を利することになる資金の投入”は議会の危機感を呼び起こしており
新しい規制をつくる動きが出ている
昨年10月に設立された米下院の米中経済安全保障審査委員会は
「国家安全保障に悪影響を及ぼす可能性のある対中投資を審査し、場合によっては阻止する権限」を議会に設けるよう提言
また、民主、共和両党の議員が同趣旨の法案を提案
NSC(国家安全保障会議)の担当者と意見交換をしていると・・・
こうした規制には経済団体が激しく反対する可能性があり、実現するかは不透明

・・・技術流出は止められない
色々な制裁、投資の禁止、技術をクローズにしようがムリ
アメリカが企業を指名して止めようとしてるけど迂回されたら終わり
日本も特許をクローズにとか云ってるけど遅すぎだしムリ
裏では、いくらでも手はある
ワタスもチャイナドレスにセまられたら・・・
それに、なんいっても中国は最強のサイバー部隊を持ってる
そしてヒトの移動は止められない
止められるとしたら
中国だけ?

今日は~
クサソテツ/Matteuccia struthiopteris

5月の初め
山で
里に生えてるのとはデカさが違う
ココのは株の密度がショボいけど


0 件のコメント:

コメントを投稿