2022年7月2日土曜日

製造装置は大量なのになぜ半導体自給率が上がらない?

 中国半導体産業の謎
中国は世界最大の半導体市場
また、中国の半導体製造装置市場も世界最大
ところが、中国半導体産業における最大の問題である半導体の自給率が一向に上昇してない
半導体市場は2021年に、中国市場が$1953憶、アメリカ市場が$1255憶、ヨーロッパ市場が$481憶、日本市場が$445憶

台湾に本社があるホンハイが中国に大工場群を有しており、世界の8~9割ものPC、スマートフォン、各種電機製品、サーバーなどを組み立てている
世界の工場となった中国のホンハイ工場に、世界中から半導体がなだれ込んでいる
中国は世界の3分の1以上の半導体を必要としている
にもかかわらず、自給率が低い

2014・6習さん、中国の半導体自給率を上げるために、2014/6
「国家IC産業発展推進ガイドライン」を制定し、「中国IC産業ファンド」を設立した。当初は2兆円規模だったが、その後約18兆円まで増額された模様である。

 さらに習近平国家主席は2015年5月に「中国製造2025」を制定し、中国の半導体の自給率を、2020年に40%、2025年に70%に引き上げる目標を立てた。

 しかし、図3に示したように、2015年に15.9%だった中国半導体の自給率は、2021年になっても16.7%とわずか0.8ポイントしか上昇していない。無論のこと、当初の目標だった「2020年に自給率40%」には遠く及ばない。米国の調査会社IC Insightsの予測では、2026年でも中国の半導体自給率は26.1%に留まることから、「2025年に自給率70%」は実現不可能な夢物語としか言いようがない。

■ 世界中から半導体製造装置を買いまくる中国

 それでは、中国半導体産業は、習金平国家主席の打ち立てた「中国製造2025」を真面目に実行してこなかったのかというと、そういうわけでもない。というのは、図4に示したように中国は、地域別の半導体製造装置市場で、2020年以降は世界1位になっているのである。つまり、中国は世界で最も大量に半導体製造装置を購入しているのだ。

 その勢いはすさまじく、「中国IC産業ファンド」が設立された2014年や「中国製造2025」が制定された2015年頃から、中国が購入する半導体製造装置の金額は急拡大しており、2016年には日本と米国を抜き、2018年には台湾を、2019年には韓国も抜いて、中国は世界最大市場となった。

 2021年には、中国市場が296.2憶ドル、韓国市場が249.8億ドル、台湾が249.4億ドル、日本が78.0億ドル、米国が76.1億ドル、欧州が32.5億ドルとなり、その猛烈な勢いは当分止まりそうもない。

 このように、中国半導体産業は、圧倒的な資金力で、世界中から半導体製造装置を買いまくっているのである。

 ではどうして、中国の半導体自給率が上がってこないのだろう? 

■ 思ったように上がらない中国の生産キャパシティ

 中国は世界最大の半導体製造装置市場になった。にもかかわらず、中国の半導体自給率が向上しない。これはなぜなのか? 

 この問題に対して、さまざまな角度から分析を試みたが、12インチウエハ換算の地域別の半導体生産キャパシティ(万枚/月)のグラフを書いて、納得できる仮説が頭に浮かんだ(図5)。

 確かに2015年以降、中国の生産キャパシティは増大している。2018年から2019年にかけて米国を抜き、2020年から2021年にかけて日本を抜いて、2021年には世界3位の生産キャパシティを有するようになった。

 しかし、ここで大きな疑問が湧いてくる。中国は2020年以降、韓国や台湾よりも多くの半導体製造装置を購入しているのである。ところが、2021年の中国の生産キャパシティは154万枚/月で、1位の韓国の221万枚/月、および、2位の台湾の202万枚/月に大きく及ばない。

 なぜこのようなことになるのか?  論理的に考えれば、その答えは明らかである。おそらく、中国の半導体工場においては、半導体製造装置の多くが稼働していないか、または稼働していてもその稼働率が極めて低いということである。

 要するに、中国の半導体メーカーは、「中国IC産業ファンド」をなどからの手厚い助成金を受け、手当たり次第に半導体製造装置を購入したが、それらを有効に活用することができていないのであろう。その結果、地域別の生産キャパシティで韓国や台湾に劣り、半導体の自給率も向上しないと思われる。カネだけあっても半導体はできないということである。
日本半導体産業も同じ穴のムジナ? 

 そして日本も、中国を笑ったり批判することはできそうもない。1988年に世界シェア50%を超えていた日本半導体産業は、その後急速にシェアを低下させ、2019年には10%まで落ち込んだ。このままいくと、2030年に日本半導体産業のシェアはゼロになると、経産省は危機感を持った(図6)。

 その対策として、TSMCを熊本に誘致し、そこに4670億円の補助金を支出することを、日本政府が6月17日に決定した(日本経済新聞、6月18日)。

 このTSMC熊本工場で1700人の雇用が生まれると言われているが、逆に、それだけの技術者をどうやって集めるのだろうか?  TSMCが熊本に進出することが決まった後に、熊本大学、熊本高専、佐世保工業高専などで、半導体技術者を育成する計画が浮上してきたが、即戦力の1700人を集めるには全く間に合わない。こういうやり方を「泥縄式」というのではないか? 

 さらに、昨年(2021年)設立された自民党の「半導体戦略推進議員連盟」(半導体議連)の事務局長を務める関芳弘衆議院議員によれば、半導体議連は2022年5月24日に、半導体の製造基盤強化のために「10年で官民あわせて10兆円規模の投資」を求めるという決議をまとめたという(東洋経済オンライン、2022年6月27日)。

 中国はカネを注ぎ込めば半導体の自給率が上がると安易に考えた。日本がやろうとしていることも、全く同じである。昨年2021年6月1日に筆者が衆議院で意見陳述した通り、「政府や経産省が出てきた時点でアウト」になるとしか思えない

・・・お国が旗を振ると

今日は~
ハルリンドウ

昔?は連休とかによく見たけど
最近は見てない
出先で車を止め
車から出たら、足元に
久しぶり

今日は水やり
今日ひゃ水を切ってるコ達にも
ここ2週間以上雨が無いので
お庭にも
午後に雷雨があったけど
まだ足りない気が・・・
アチコチで渇水みたいだけど
降った?


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