2022年6月17日金曜日

ロシアの兵士や司令官、そして退役軍人や独立系メディアなどが独自の視点で情報発信

 アプリから漏れ出るロシア軍兵士の本音?

ロシアが得意としてきた情報統制が、日を追うごとに機能しなくなっている
ロシア軍内部の兵士や司令官がアプリを通じ、厳しい戦闘の実情をロシア国民に直接発信するようになったため
世界トップクラスのシンクタンクのひとつ、ヨーロッパ政策分析センター(CEPA)が分析リポートを通じ、ロシア情報封鎖のほころびを指摘

情報漏洩ろうえいの主な舞台となっているのは、暗号化メッセージアプリのTelegram(テレグラム)
軍上層部を信頼しない兵士や司令官、そして退役軍人や独立系メディアなどが、それぞれ独自の視点で生の情報を発信し続けている
ある司令官はTelegramに投稿した動画を通じ、ひどい食糧不足により部隊全体が飢えていると訴えた
プーチンはロシア兵を虐殺している、と猛批判
ロシア軍の実情が現場から直接流出することは異例
CEPA
「まったくもって前代未聞の事態が巻き起こった」

ロシア軍司令官
「プーチンによって虐殺に送り出された」
ある部隊は、飢えと病に悩まされている現実をTelegramで明かした
イギリス ミラー紙
ドネツク共和国第113連隊のロシア軍司令官は戦地からTelegramに動画を投稿
プーチンは適切な装備もなく自軍の兵士たちを虐殺に送り出した
食糧と医薬品の不足により部隊が慢性的な疾患に見舞われていると
動画では、やつれた表情を浮かべた数十名の兵士たちを背景に、司令官が戦地の過酷な状況を視聴者に明かしている
自身の部隊が医薬品も十分な武器もなくウクライナ南東部のヘルソン地方に動員され
2月下旬以来、飢えと寒さとの戦いであったと

ミラー紙
113連隊のほかにも、少なくとも2つの部隊が同様の苦境を訴え戦闘を拒否した
戦地に駆り出されたものの有効な攻撃手段をもたず
ただただ大砲の餌食になっているとの不満も兵士から噴出していると

生々しい戦場をその目でみたロシア兵の多くは、もはや政府発表の情報を信頼していない
CEPAが明かしたところによると、現役兵および退役兵が多く参加するとあるTelegramチャンネルでのアンケートで
国営メディアを情報源として信頼すると回答した人は2%

もともと政府を信頼しない人々がTelegramを愛用している傾向はあり
母集団のバイアスは多少存在するとみられるが・・・

プーチン政権は国営メディアなどを通じたプロパガンダで侵攻を正当化し、有利な戦果だけを伝えてきた
だが情報統制とプロパガンダにも、さすがに無理が生じてきているようだ

一方のTelegramは耳当たりのよい報告ではなく、真相で人々を惹きつけている
ロシア軍がドネツ川の渡河作戦で大きな失態を演じると、その死者数についてしばらく伏せるようあるチャンネルが呼びかけたが
ロシア側ユーザーからの怒りの声で炎上した
自由な情報の流通を好むユーザーの気質がうかがえる

Telegram上で飛び交う現場の声はロシア軍の作戦立案にも反映されているという
CEPAが報じたところによると、ウクライナ軍の防空網が健在だという情報がチャンネル上で流れた際には、ロシア空軍内部で大規模な検証が行われた

軍はユーザーがどの部隊に所属しているかなどをある程度特定し、情報の信頼性を精査しているとみられる
そのうえで前線からの有益な情報源として発言を事実上黙認している
ユーザーのなかには現役兵に加え、退役した元将校など知識豊富な人物も多い
こうしてTelegram上の情報に便乗するロシア軍だが思わぬ落とし穴が
軍が対応の参考としたとの評判が広まると、ロシア軍形勢不利を伝えるいくつかのチャンネルはいっそう一般国民の信頼を得る結果となった

このようなアプリを通じた情報公開は、以前の戦争であれば考えられなかった
状況を特異だとみるCEPAは
「戦争から3カ月で、まったくもって前代未聞の事態が巻き起こった。ロシア軍内部に、検閲がなく、防衛省の管理も届かない議論の場が出現したのだ」

Telegramは侵攻直後から情報収集手段として活用されてきたが、5月の軍事パレードが普及に拍車をかけるきっかけを作った
ロシアが毎年5月に行っている戦勝記念日のパレードは、国民に軍事力を誇示し、兵士の士気を高揚させる機会として長年機能してきた
だが、ウクライナ侵攻の今年、この一大行事は裏目に出る結果となる
CEPAは、軍事機密の暴露がTelegram上で飛び交うことになったきっかけのひとつが、この軍事パレードだと指摘している

今年も赤の広場で5月9日に行われたパレードは、例年と異なる体制が目を引いた
士官学生らに続いていざ正規軍の登場となると
地位ある将官らの姿がどこにもみられなかった
行進を率いていたのは中佐クラスがせいぜいであった
例年パレードが盛り上がりをみせる戦車の車列の登場となると、昨年までとの差異はいっそう歴然となる
率いていたのは中尉らであり、例年よりかなり見劣りする編成
原因はウクライナへの動員で軍人がまったくもって足りていなかった

CEPA
「軍隊の変わりようは極めて明白であり、よってその目でみたことを人々が話したがるのも無理はない話だ。だが、そのような話題を、いったいどこで議論できるというのだろうか?」
そこでTelegram
メッセージは携帯端末から送出する段階で暗号化されるため、通信経路の途中で政府の検閲を受ける心配がない

ジャーナリストが特別軍事作戦について論じることが違法となったロシアで
Telegramが貴重な議論の場となった
報道規制の厳格化とともにもともとロシアで注目を集めてきたTelegramだが
戦勝記念日の異常事態が、さらに参加者を惹きつけることとなった

人々はグループチャットで戦争に関する自由な意見を交換しているほか、個人のジャーナリストやブロガーなどが匿名でチャンネルを開設
独自の情報と見解を示している
あるTelegramのアンケートでは、主な情報入手先としてまずブロガーを頼ると答えた人々は4割弱

先進国であれば、ブロガーは独自の興味深い視点を披露する反面、報道の正確性ではマスメディアに一歩劣るというのが一般的
ロシアではこれが逆転し、プロパガンダを流すマスメディアよりもブロガーたちが厚い信頼を獲得
ロシアにおいてTelegramが、単一のアプリとしては不相応なほどにまで重要な役割を担っており
同国において最も人気のあるマスメディアになっている
オープンな議論が限られた現地で、政府の不当な監視の及ばない貴重な場となっている

一方、プーチンのプロパガンダ戦略を担う国営TV
相変わらず強気のロシア軍擁護を続けている
プーチンの代弁者ともいわれるロシア番組司会者のウラジーミル・ソロヴィヨフ氏
自身の討論番組において
ロシアは「(イギリスの)ストーンヘンジまで攻める」
番組には、ウクライナの政治家であるヴァシル・ヴァカロフ氏がゲストとして招かれた
ヴァカロフ氏は、ロシア軍がまもなくドンバス地方のルハンシクおよびドネツクを掌握する見込みだと指摘したうえで、一体どこまで西に軍を進めるのかと質した
これに対し司会のソロヴィヨフ氏は激しい口調で
「どこまで攻めたらやめるのかって? まあ今日の段階でいえることは、おそらくストーンヘンジだろう。(英外相の)リズ・トラスも、自身は戦争に参加している身だと言っている」

ウクライナ侵攻までは世界第2位の軍隊ともてはやされたロシア軍だったが
いざ開戦となると前時代的な装備と予想外の弱さが露呈
情報管理においても同様に、近代化の遅れが目立つ

ソ連時代から情報統制をお家芸としてきたこの大国は、現代の情報化に対応できておらず
旧態然とした隠蔽いんぺい国策を続けている

ITを積極活用するウクライナとは好対照といえるだろう
ウクライナはかねて進めてきた電子政府化により、戦時下でも政府機能を維持
スターリンク衛星通信を軍と市民生活の双方で積極活用するなど、近代技術を柔軟に取り入れている
情報公開も積極的に進めており
ミラー紙などが報じている死亡情報開示もその一例
ロシア兵の安否を気遣う家族向けに、確認されたロシア兵の死亡情報をTelegram上で確認できる枠組みを立ち上げた
同紙によると登録者数は100万人を超えた
ロシア兵の家族たちがロシア政府とウクライナのどちらを信用しているのか・・・

・・・なんか
プーさんの甘さが、垣間見える
やっぱ脳軟化?
それとも
一部で云われてるように・・・

今日は~
セッコク/Dendrobium moniliforme石鎚達磨
画は5月の終わりごろ
花が
今年は、この手のコで咲いたのは
あと一つだけ
さみしい・・・

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