2021年11月18日木曜日

バイオガス ダイジェスター

家畜の糞尿や生ごみなどを嫌気性状態(無酸素状態)において発酵させ、その過程で発生するバイオガスをエネルギー源・熱源として使う
その施設がダイジェスター(digester)
そのうちmono-digesterは家畜の糞尿100%で発酵させる施設
co-digesterは家畜の糞尿を、その重量が5割以上の割合で、植物性もしくは動物性の材料と合わせて発酵させる施設

2017年の報告によると、オランダには110ほどのバイオガス・ダイジェスターがあり、うち5つがmono-digester、80が運転中
残りの30が運転停止中である主な理由は、農業分野におけるバイオガス発電にとって不利な現状が
エネルギー価格全般が下がっているうえに、バイオガス・ダイジェスターの投入物の価格が上がっている
オランダを代表する酪農協同組合も設置を支援している
しかしブラックな側面も

嫌気的発酵では、空気(酸素)を必要としない微生物の働きによって有機物が分解されるが、この代謝を行う微生物は多種多様
ある研究は、バイオガス・ダイジェスターの中での微生物の働きは複雑かつ多様であるため、ブラックボックスのようだと
ある施設を調べたところ、124科・137属の種類の微生物が検出された
施設内の場所によっても多様性が異なる
しかし全体で見ると、種類に関わらず同じような代謝活動が行われていた
(メキシコでの研究であるため、オランダには必ずしも当てはまるわけではないかもしれない)
バイオガス・ダイジェスターがオランダで普及した理由の一つに、あふれる家畜の糞尿の処理・有効活用がある
しかし糞尿はスラリー(家畜のふんと尿、敷きわらなどの混合物のうち 水分が87%以上のもの - 定義はこのサイトより)として集められるため、水分がほとんど
これだけではエネルギー変換効率が悪い
実際にある文献によると生ごみ1tからは150Nm3のバイオガスが発生するのに対して、乳牛排泄物1tからは15~30Nm3しか発生しないらしい
糞尿100%のダイジェスターは一握りで、残りの施設では生ごみ等別の資材も使われている
Co-digestionに使ってよい資材は肥料法の施行に関しての規定の、附則AaのリストGに、155ほど列挙されている
通称Gリストうち半分は環境に与える影響に関する検査済みだが、もう半分は未検査
環検査依頼があった時に環境安全性を証明できればいい

Gリストでの資材の定義はとても細かい
G1 植物性のもの
1.ジャガイモの加工中に得られ、主にジャガイモ(Solanumtuberosum. L.)とジャガイモの残留物からなり、包装材料を含まない残留物。(ジャガイモの残り物)
2.食品用の野菜や果物の切断、洗浄、漂白中に得られる残留物(野菜や果物のくず)
3.ヒマワリ(Helianthus annuus L.)の種子の処理から得られ、選別された種子からなる残留物
50.ジャガイモを食品用のフライに製造する際に得られる残留物で、フライドポテトの残留物(揚げたジャガイモ)で構成されるもの。
G2 動物性のもの
7.ジャガイモの加工中に得られる残留物で、主にジャガイモ(Solanumtuberosum. L.)とジャガイモの残留物で構成され、包装材料は含まない。 動物性脂肪が存在する可能性がある(動物性脂肪を含むジャガイモの残留物)
G3 その他
(廃食用油や漂白土)

ここまでは法律で認められている資材
資材には価格が高騰しているものもあること、法律で認められていないものでも嫌気発酵ができ、その方が安い場合もある
不法投棄の場になったダイジェスター施設も存在する
医療廃棄物やその他廃棄が高額なものを安く処分したい団体と
安く資材を手に入れようとしているダイジェスター施設のニーズが合った

バイオガス・ダイジェスターからはメタンガスに加えて副産物 消化液 が出てくる
消化液は主に液肥として畑にまかれる
家畜の糞尿や生ごみ等を発酵させてできたものなら、良い堆肥になりそうだ
でも、それ以外のゴミもダイジェスターに吸い込まれている
そうしたら残りかすにはもれなく、不法投棄物由来の成分が含まれる
特に重金属は問題視されている(もっとも、重金属など有害物質の原因は不法投棄物には限られないが)
オランダ食品消費者製品安全庁(NVWA)によるバイオガス・ダイジェスター施設の監査レポート
2018年には7件の施設を監査し、うち1件で違反が見つかった
問題があるバイオガス・ダイジェスターだが政府は補助金などで支援をしている
2003年に補助金制度ができたのちオランダでこの産業部門が成長
2010年から13年までの補助金交付額は年間平均で€5.5~6千万
利益団体の活動により、2017年には小規模のmono-digesterに予約済み入札が行われ、€1.5億が当てられた
2019年からは、mono-digesterとco-digesterの線引きがあいまいになったため、区別・特別扱いはなくなった

再生可能エネルギー導入支援制度について
オランダには、持続可能なエネルギー生産に対して、Stimulering duurzame energieproductie en klimaattransitie(通称SDE++、直訳すると「再生可能エネルギー生産及び気候転換インセンティブ制度」)という入札制度があり、バイオガスもその対象
なぜオランダ政府はバイオガス・ダイジェスターを推進しているのか
それは、国が掲げる方針の複数に貢献する、という考えがあるから
オランダは国として家畜の糞尿に頭を悩ませている
単純に、狭い国土に家畜が居すぎる
家畜を育てて輸出した後にも糞尿はオランダ国内に残
糞尿に含まれる窒素が過剰に環境に放出され問題となっている
また、オランダ政府は温室効果ガスの排出量に関して、1990年の水準と比べ、2030年までに49%削減、2050年には95%削減という目標を掲げている
さらにエネルギーに関しては、有限資源である化石燃料から再生可能エネルギーに方向転換し、かつエネルギー生産・消費による温室効果ガスの排出も抑えるという方針
バイオガス・ダイジェスターは、これらの目標にどれだけ貢献できている?
家畜の糞尿の3%がバイオガス・ダイジェスターによって処理された
また、co-digestionはオランダのエネルギー消費量の0.2%を占め、そのおかげでエネルギー生産からの温室効果ガス排出量がCO2相当量で0.21%減少したそう

ブラックな施設だけではない。
世界最大の酪農共同組合で、世界トップ5に入る酪農企業でもあるフリースランド・カンピーナ(FrieslandCampina)
組合員が自分の敷地に施設を整備し、糞尿を処理することを進めるプロジェクトJumpstartを2016年に開始
もともとは整備資金の提供を行っていたが(つまり組合員が購入)、あまりにも初期投資額が高く参入障壁となっていたため、設備のレンタルも可能になった
組合員の発電量を計測するサイトまで用意されている
フリースランド・カンピーナが軸にしている3つの再生可能エネルギーは、太陽光・風力・そしてバイオガス
天気にもよるが、バイオガスは発電量の4分の1から3分の1を占めている、酪農家にとって重要な施設となりつつあるのかもしれない

家畜の穀物消費量が多すぎると問題視され、牛の消化吸収・代謝効率をよくしようと品種改良がおこなわれている
しかし食べる量が少なくなると、糞に含まれるエネルギー量が減る
するとそこから発生するバイオガスの量も少なくなる
また、動物福祉の観点から規制・需要が高まっている放牧
放牧地に散らばった糞尿は、牛舎内のように集めることができずダイジェスターに投入される量が限られてしまう
すると無駄な収容力ができる上に、投入物が施設内にとどまる時間が短くなり、メタン発生が最大化されない

それでもバイオガス・ダイジェスターの可能性を信じて、技術開発や市場開拓に励む人々・団体がいる

今日は~
フェネストリア ロパロフィラ/fenestraria rhopalophylla

6月にはいって
あ~る日突然、多肉腐~るの~♪
残ったのはハッパ3本・・・
ほっとけば、このままイっちゃう







で植替え
はたして・・・

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