自動車の世界に地殻変動が電気自動車の価格破壊
自動車や家電などに搭載される小型モーターで世界トップシェアの日本電産の創業者、永守重信会長(76歳)「将来的に電気自動車(EV)の価格は5分の1になるでしょう。単純計算すれば、自動車メーカーの売上高が5分の1になることも十分にあり得るということです」
永守氏は会長になった今でも1円以上、つまりすべての物品購入に決裁を課す1円稟議などのマイクロマネジメントに長けている。これは単にコストにうるさいという意味ではなく、変化の兆しは末端に宿るという考えのもと、小さな変化も見逃すまいとしている。こうした短期間での業績管理に加えて、永守氏は長いスパンで世の中の変化を読む目も鋭い。コスト削減手法を構築するために1920〜30年代に米国で起こった大恐慌で、企業がどんな対応を取ったかまで遡って調べ上げていると。
日本電産はオイルショックが起こった'73年に永守氏が中心となって創業。その時に50年計画を作った永守氏は売上高1兆円計画をぶち上げ、一緒に創業した同志からも1億円の間違いではないですかと失笑を買ったが、半世紀を待たずしてその夢を実現させた。
三井住友銀行が興味深い試算を出している。電気自動車(EV)の車両コストと5年間の維持費を加えた費用は、'17年度の\326万から2030年度には\256万に下がる。一方、現在主力のハイブリッド車は\280万から\277万に下がる。コスト面でEVがハイブリッドを逆転する。EVの主要部品の一つ、電池だけを見るとコストは\108万から63%減の\40万にまで安くなる試算。
もし自動車メーカーの売上高が5分の1になれば、最大手のトヨタ自動車の売上高は現在の約\30兆から\6兆に。
テスラ創業者でCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏「生産コストを落とし、ガソリン車よりも安いEVを開発する」2023年頃に、価格が$2万5000の安価なEVを発売する計画も打ち出した。
テスラは10/21に発表した'20年7〜9月期決算では、純利益が前年同期比2・3倍の$3億3100万に達した。リアルの販売店で売ることよりもネット販売を強化していることが、コロナ禍による非接触社会化の加速を受けて奏功。販売台数も44%増の約14万台。特に中国でEVの販売を伸ばした。今年7月には、テスラの株式の時価総額がトヨタを上回ったことが世界的なニュースになった。こうした動きをバブルと評する向きもあったが、10/23の時点で両社の時価総額を比較すると、トヨタの\22兆7528億に対して、テスラはその1・8倍の\41兆2335億ある。3ヵ月近く経過し、その差はさらに開いている。規模で圧倒的に劣るテスラが、時価総額でトヨタを逆転したのは、株主は、トヨタも含めて自動車産業の未来が決して明るいとは見ておらず、テスラなどの新興勢力に期待しているからだ。株価には実績だけでなく期待値も反映される。
テスラのカリフォルニア州フリーモントの工場。ここはかつてトヨタとGMが合弁生産工場を置いていた地。ここに、ギガプレスと呼ばれる巨大なアルミの鋳造・プレス工場が出現した。高強度のアルミ合金の新素材開発に成功したテスラは、ここでEV用の新たな部品を生産している。
内情に詳しい大手自動車メーカーの技術者「テスラ最新型の『モデルY』では、車体後部の一部を単一の大きな型を使って一括で造っている。既存の自動車メーカーでは見たことのない製造ラインだ。これで通常なら70部品必要なところが1部品に減った。車体重量は30%減り、コストも大きく削減できる」
部品を一体化すれば細かい部品を精密加工してつなぎ合わせる工程が減る。これに伴い、工作機械や人員も減らすことができる。テスラのようなEV関連企業は、長らく重厚長大だった自動車づくりの常識にとらわれず、技術革新を追求している。EVシフトの時代にこそ、新しい材料や生産のノウハウ、すなわちモノづくりの総合力が求められる。日本の自動車メーカーは、その総合力でテスラに敗れつつある。
中国・上海から車で2時間近く走った浙江省平湖。ここで日本電産の子会社、日本電産トーソクがEVの心臓部トラクションモーターシステムの新工場を本格稼働させた。同システムはモーターとそれを制御する半導体、ギアを一体化させ小型化した部品で、いわばEVの心臓部。同社は2030年に世界シェア35%の獲得を目論む。ここには国内では見たことのないバリを取るバリ取りロボットでロボットがあり、モーター保護カバーにできたバリを取る。手作業でこのバリ取りをすると、1個処理するのに10分程度かかるが、ロボットだと2分でできる。将来的には70秒まで短縮することを目指すという。テスラと同様の巨大なアルミ鋳造ラインもあった。案内してくれた関係企業の社長「EVは、冶金、切削加工、表面処理、流体力学など様々なノウハウが融合している。モノづくりの総合力がなければ、EVの時代には対応できない」
日本電産はトラクションモーターシステムを核に、ステアリング、ブレーキなど自動運転にも関わる幅広い分野に領域を広げ、EVの基本骨格となるプラットフォーム(車台)を提供することを目指している。将来的には世界中のメーカーのEVが日本電産製のプラットフォームを使って製造されるようになるかもしれない。
日本電産と似た動きを見せているのが、世界最大の自動車部品メーカーであるドイツのボッシュ。電子部品で高いシェアを誇るボッシュは'19/4、金属プレス企業のベントラーと提携。狙いはやはり、金属製の自動車のシャシーと電子部品を一体化して納入するためだった。
こうした潮流は機電一」の強化と業界では呼ばれる。機械と電子(ソフトウェア)の融合のこと。
EVの時代には古くなったら買い換えるという既存の自動車の常識も過去のものになる。テスラ車の強みは走るスマートフォンと呼ばれるごとく、無線技術を使って車載ソフトウェアを更新し、車体は古くなっても新しい技術・サービスが享受できる仕組みになっていること。トヨタやホンダのクルマとは、基本構造からして違うと、ある技術者は語る。
こうした動きに日本の自動車産業、特に2番手以下のホンダや日産はまったく付いていけていない。二酸化炭素排出規制が強化される欧州で、ホンダは今夏から同社初の量産EVホンダeを発売したが、EV作りに不慣れなため、1台売るごとに100万円近い赤字が出ると関係者は言う。
'10年にEV「リーフ」を発売し、先鞭を着けた日産も伸び悩んでいる。リーフは初代・2代目合わせて10年間の累計で50万台しか売れなかった。走るスマホになっていない点が、テスラのEVとは根本的に違うから?
これまでハイブリッド車に力点を置き、EVでは出遅れていたトヨタはいま、強い危機感を持っている。来年1月には、自動運転のソフトウェアなどを開発する子会社TRI−ADを持ち株会社にし、社名もウーブン・プラネット・ホールディングスに変更、トヨタの名を消す。現TRI−ADには豊田章男社長の長男・大輔氏が創業メンバーとして在籍するが、豊田社長は私財を投入してテコ入れする構えだ。一方でトヨタは、エンジンや変速機などを造る愛知県内の上郷、下山、衣浦の3工場と、トヨタ北海道の集約を急いでいる。
系列部品メーカーの役員「カローラのエンジンの生産コストを中国並みにするため、国内の下請け企業に対しても、原価を30%低減させるプロジェクトが始まっている」
これまでハードづくりに強みがあったトヨタが、本格的にソフトウェアビジネスへシフトを始めた。いまトヨタ社内ではソフトウェア・ファーストという言葉が飛び交っている?
・・・スマートグリッド化も含めて電気の供給網は?発電コストは?電池製造に伴うCO2は?・・・行っちゃうのか
H2は供給網がカギ
今、赤字なマツダが水素ロータリーを・・・トヨタからも?
効率によっては製造などを含めたトータルなCO2排出量がEVや燃料電池車より・・・
今、発電機にロータリーを使う車を作ってるみたいだけど・・・
今日は~
シクラメン
もらったの・・・
ど~もダメみたい
イモは固いけど、芽が出てこない
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